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恋人のような兄弟③
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「本当、いつ見てもカップルみたいだな、お前ら」
からかうように海が手すりに手を置きながらそう言った。
「それはないでしょ。僕と柊兄は兄弟なんだよ?」
「あんなに仲のいい兄弟も滅多にいないけどな!」
一段飛ばしで、海が階段を駆け上がった。
確かに、柊は通常より過保護である。
それは悠衣がオメガであること抜きに、いつも悠衣の心配をしていた。
帰りが遅くなるとすぐに連絡が来るし、一日の出来事について話させるし、この前なんか体育でちょっと捻ったくらいで授業中にも関わらずすぐに保健室に駆け付けたくらいだ。
そんな柊のブラコンは生徒、教師に知れ渡っており、少し残念なアルファとしてその名を馳せていた。
「兄弟では番えない、か」
急に立ち止まった海は、ポツリと呟く。
「じゃあ、兄弟じゃなかったら、悠衣は先生と番っていたのか?」
悠衣より数段上で、海は悠衣に問いかけた。
いつになく真剣な顔。悠衣らを怪訝に見る生徒らが、悠衣らを追い越していく。
「そんなの、分かんないよ。僕はまだ番えないし」
アルファとオメガは、番という生涯を共にするパートナーとして結ばれることができる。
だがそれは兄弟ではできず、オメガのフェロモンは兄弟ならばアルファには効かないのだ。
だから柊と悠衣は番になることは無いし、例え発情期が起きたとしても、悠衣のフェロモンは柊には効かない。
けれどまだ発情期も訪れていない悠衣にとっては、番など未知の領域。まだそんな先の事、全然想像がつかなかった。
「そっか……」
悠衣の言葉を聞き前を向いた海は、「行こうぜ」と再び足を進めた。
海に追いつくため駆け足気味になった悠衣は、海の横に並ぶ。
もう教室は、目の前だった。
「悪い、篠宮。ちょっと手伝ってくれないか?」
そう言われたのは、地理の授業が終わった後。
一番前の席に座っていた悠衣に、教師である荒木が声掛けた。
「いいです、けど……」
荒木はアルファである。
オメガとアルファはなるべく二人きりになってはいけない。
それは学生なら当たり前の事であり、社会人になったとしても学生の時よりは自己責任となるが、やはり二人きりは避けられる。
なので戸惑っていた悠衣に、「ああ、そういえばそうだったな」と荒木は海を呼んだ。
「玖珂、ちょっといいか?」
「はい、何ですかー?」
「ちょっと篠宮とこれ運ぶの手伝って欲しいんだけど」
「分かりました!」
荒木が指し示したノートを見て、二つ返事で海は了承した。
近寄ってきた海に、「ごめんね、巻き込んで」と耳打ちする。
「いいよ、これくらい」と快く頷いてくれた海がノートを半分に分け、よいしょと手に持った。
悠衣もノートを抱え、歩き出す。
職員室に入ってすぐ、右手にある荒木の机の上にノートを置くと、「ありがとな」と言われたので「いいえ」と返し、職員室から立ち去ろうとする。
けれどちょうど職員室に入ってきた柊に、腕を掴まれた。
からかうように海が手すりに手を置きながらそう言った。
「それはないでしょ。僕と柊兄は兄弟なんだよ?」
「あんなに仲のいい兄弟も滅多にいないけどな!」
一段飛ばしで、海が階段を駆け上がった。
確かに、柊は通常より過保護である。
それは悠衣がオメガであること抜きに、いつも悠衣の心配をしていた。
帰りが遅くなるとすぐに連絡が来るし、一日の出来事について話させるし、この前なんか体育でちょっと捻ったくらいで授業中にも関わらずすぐに保健室に駆け付けたくらいだ。
そんな柊のブラコンは生徒、教師に知れ渡っており、少し残念なアルファとしてその名を馳せていた。
「兄弟では番えない、か」
急に立ち止まった海は、ポツリと呟く。
「じゃあ、兄弟じゃなかったら、悠衣は先生と番っていたのか?」
悠衣より数段上で、海は悠衣に問いかけた。
いつになく真剣な顔。悠衣らを怪訝に見る生徒らが、悠衣らを追い越していく。
「そんなの、分かんないよ。僕はまだ番えないし」
アルファとオメガは、番という生涯を共にするパートナーとして結ばれることができる。
だがそれは兄弟ではできず、オメガのフェロモンは兄弟ならばアルファには効かないのだ。
だから柊と悠衣は番になることは無いし、例え発情期が起きたとしても、悠衣のフェロモンは柊には効かない。
けれどまだ発情期も訪れていない悠衣にとっては、番など未知の領域。まだそんな先の事、全然想像がつかなかった。
「そっか……」
悠衣の言葉を聞き前を向いた海は、「行こうぜ」と再び足を進めた。
海に追いつくため駆け足気味になった悠衣は、海の横に並ぶ。
もう教室は、目の前だった。
「悪い、篠宮。ちょっと手伝ってくれないか?」
そう言われたのは、地理の授業が終わった後。
一番前の席に座っていた悠衣に、教師である荒木が声掛けた。
「いいです、けど……」
荒木はアルファである。
オメガとアルファはなるべく二人きりになってはいけない。
それは学生なら当たり前の事であり、社会人になったとしても学生の時よりは自己責任となるが、やはり二人きりは避けられる。
なので戸惑っていた悠衣に、「ああ、そういえばそうだったな」と荒木は海を呼んだ。
「玖珂、ちょっといいか?」
「はい、何ですかー?」
「ちょっと篠宮とこれ運ぶの手伝って欲しいんだけど」
「分かりました!」
荒木が指し示したノートを見て、二つ返事で海は了承した。
近寄ってきた海に、「ごめんね、巻き込んで」と耳打ちする。
「いいよ、これくらい」と快く頷いてくれた海がノートを半分に分け、よいしょと手に持った。
悠衣もノートを抱え、歩き出す。
職員室に入ってすぐ、右手にある荒木の机の上にノートを置くと、「ありがとな」と言われたので「いいえ」と返し、職員室から立ち去ろうとする。
けれどちょうど職員室に入ってきた柊に、腕を掴まれた。
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