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未来を⑤
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「ドキドキして、苦しい」
そうして短いキスを落とすと、そのまま振り返る柊の胸板に悠衣は頭を付けた。
「舌、暫く入れないでね。この距離に慣れるまでは……入れないで」
離れないでと泣きつくように柊の服に皴を作る悠衣の頭を、柊は髪を梳くように撫でた。
そっとリズム的に行ったり来たりするその指は心地よくて、色々と知った事実に感情が大きく揺れ動かされた日だったからか。
それともただ単に、好きな人の腕の中だからか。
「悠衣?」
尋ねられた時には、既に悠衣は寝息を立てていた。
腕を自身から離させた柊の目に映った悠衣は、安心しきった、安らかなもの。
そんな姿を見つめながら、柊はベッドに丁寧に横たわらせ、その隣に自身も寝転がる。
「心配せずとも、まだ問題が残っている今あなたに手出しは致しません。明日、実川家の方に話を付けに行くので。待っていてくださいね」
そう言いながら腕の中に悠衣を抱えた柊は、そっとおでこにキスをし、側にあったリモコンで部屋の電気を消した。
△▽
目を開けると、至近距離に柊の顔があって悠衣は目を瞬かせた。
そして周りを見渡し、ここが柊の部屋であることを確認し、昨日ここで眠ろうと部屋を訪ねてきたことを思い出す。
けれども、途中から記憶が途切れていた。
どうやら寝落ちしてしまったらしい。
ベッドにきちんといるという事は、柊が運んでくれたのか。
すやすやと眠る珍しい光景の柊を見ながら、悠衣はその髪に手を伸ばした。
柊は良く、頭を撫でてくれる。
優しくポンポンと叩かれた時には子ども扱いされているようだけれど甘やかされているようで、むずがゆくなって。
梳くように撫でられた時には大切に扱われているようで、心がほわほわと温かくなる。
けれども悠衣はあまり柊の髪に触れたことは無く、昨日触れた手に心地よい感触を思い出し、髪に指を滑り込ませた。
さらさらと指の間を滑る焦げ茶色の髪は、悠衣の手から落ち柊の顔にかかる。
「……う、ん……」
それで柊は起きてしまったらしい。
「悠、衣……?」
寝ぼけたようにのんびりと紡がれる名前に、悠衣はにこりと笑って頷いた。
すると柊も笑顔を返し、悠衣の頭を引き寄せる。
「珍しく、早起きですね」
「うん……何だか、目、覚めちゃって」
「いつもそうなら良いんですけどね。貴方を起こすの、意外と大変なんですよ?」
「……柊兄がいなくなってから、実感した。何回か遅刻しちゃってるし、起きたら昼だったことなんてざらだし。母さんが用意してくれた弁当とか、他にも忘れ物も多くなった。一人で登校するのも寂しかったし、ふとした時に隣にいないのも心細かった。柊兄の存在の大きさを、実感させられた」
柊の背中に手を回しながら悠衣は零した。
そんな悠衣の頭を撫でながら柊は目を細める。
そうして短いキスを落とすと、そのまま振り返る柊の胸板に悠衣は頭を付けた。
「舌、暫く入れないでね。この距離に慣れるまでは……入れないで」
離れないでと泣きつくように柊の服に皴を作る悠衣の頭を、柊は髪を梳くように撫でた。
そっとリズム的に行ったり来たりするその指は心地よくて、色々と知った事実に感情が大きく揺れ動かされた日だったからか。
それともただ単に、好きな人の腕の中だからか。
「悠衣?」
尋ねられた時には、既に悠衣は寝息を立てていた。
腕を自身から離させた柊の目に映った悠衣は、安心しきった、安らかなもの。
そんな姿を見つめながら、柊はベッドに丁寧に横たわらせ、その隣に自身も寝転がる。
「心配せずとも、まだ問題が残っている今あなたに手出しは致しません。明日、実川家の方に話を付けに行くので。待っていてくださいね」
そう言いながら腕の中に悠衣を抱えた柊は、そっとおでこにキスをし、側にあったリモコンで部屋の電気を消した。
△▽
目を開けると、至近距離に柊の顔があって悠衣は目を瞬かせた。
そして周りを見渡し、ここが柊の部屋であることを確認し、昨日ここで眠ろうと部屋を訪ねてきたことを思い出す。
けれども、途中から記憶が途切れていた。
どうやら寝落ちしてしまったらしい。
ベッドにきちんといるという事は、柊が運んでくれたのか。
すやすやと眠る珍しい光景の柊を見ながら、悠衣はその髪に手を伸ばした。
柊は良く、頭を撫でてくれる。
優しくポンポンと叩かれた時には子ども扱いされているようだけれど甘やかされているようで、むずがゆくなって。
梳くように撫でられた時には大切に扱われているようで、心がほわほわと温かくなる。
けれども悠衣はあまり柊の髪に触れたことは無く、昨日触れた手に心地よい感触を思い出し、髪に指を滑り込ませた。
さらさらと指の間を滑る焦げ茶色の髪は、悠衣の手から落ち柊の顔にかかる。
「……う、ん……」
それで柊は起きてしまったらしい。
「悠、衣……?」
寝ぼけたようにのんびりと紡がれる名前に、悠衣はにこりと笑って頷いた。
すると柊も笑顔を返し、悠衣の頭を引き寄せる。
「珍しく、早起きですね」
「うん……何だか、目、覚めちゃって」
「いつもそうなら良いんですけどね。貴方を起こすの、意外と大変なんですよ?」
「……柊兄がいなくなってから、実感した。何回か遅刻しちゃってるし、起きたら昼だったことなんてざらだし。母さんが用意してくれた弁当とか、他にも忘れ物も多くなった。一人で登校するのも寂しかったし、ふとした時に隣にいないのも心細かった。柊兄の存在の大きさを、実感させられた」
柊の背中に手を回しながら悠衣は零した。
そんな悠衣の頭を撫でながら柊は目を細める。
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