生まれた時から、運命の君へ

ミルクルミ

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未来を⑥

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「僕も、いつも貴方の存在を探していました。自分から離れたくせに、本当、情けないです」

 悠衣の髪にキスを落とした柊は、そのまま上半身を起こした。

「悠衣は今日、学校でしょう? 何限からですか?」
「二限」
「ならゆっくりですね。ですがいつまでもこうしていると、そのまま眠ってしまいそうなので。そろそろ起きましょう」

 側に置かれていた時計で時間を確認しながら柊は言った。
 そのまま部屋を出て行こうとする彼の腕を掴み、悠衣は「待って」と柊を見上げる。
 そして目を閉じると、柊は悠衣の意図を理解したらしい。

「おはようございます、悠衣」

 そう言いながら、優しい口づけを落としてくれた。

「うん……おはよう、柊兄」

 そう言いながら、悠衣も柊の頬に唇を触れさせる。






 きっと、この出会いは奇跡だった。
 柊の両親が交通事故により亡くなり、駆け落ち中の両親のため身内のいない柊を衝突した相手である篠宮が引き取り、悠衣が生まれて。
 事故の為かその前の記憶が曖昧な柊は、本当のこの家の子供だと思って、けれどどこか疎外感を感じて、敬語で話すようになって。
 血の繋がった兄弟だと信じて疑わなかった彼らは、兄弟という鎖に縛られ、互いを好きだと認識しながらも離れて、でもまた戻った。
 兄弟という殻を自ら破り、恋人になって、もう離すものかと互いの手をギュッと握りしめる。
 優しく触れ合い想いを交換して、伝えあって、温かなものに包まれて、そっと触れた唇からは強く揺れない気持ちが表れ、互いを求めあう欲情を見て微笑み合う。

 いつから好きだったとかは覚えていない。
 きっとずっと、好きだった。
 当たり前に側にいたから気づかなかったものが、悠衣が発情期を迎えた事によって向き合わなければいけなくなった。

 彼らは元兄弟、これからも様々な試練、非難罵倒を浴びる事だろう。
 それでも互いがいるから乗り越えられる。
 もう離れられないのだから、乗り越えるしかない。
 離れたことによりより強固になった絆は、未来への道を紡いでいくのだろう。
 そうして日々を、大切に、大切に過ごしていく。
 掴み取った未来は、互いがいる限りいつまでも明るく、二人の先を照らす。
 そうして、言葉を紡ぎ続けるのだ。
 運命の君へ、愛おしいという感情を乗せて。

――愛している。

 と。
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