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ドキドキ、宝さがしゲーム①
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「なんだ琥陽、寝不足か? 飴ちゃん食うか?」
「い、いっさ~! ぐはっ、ちょっ、締まる、締まるって!」
朝食を食べようと一階にある食堂へ向かうと、琥陽は一朔に飛びつこうとした。けれど後ろからシャツを掴まれて、行く手を阻まれる。
「側に恋人がいるのに、なに他の男に抱き着こうとしてるの?」
笑っているのに瞳が冷たい颯珠に、琥陽はその場で踏みとどまった。
「ご、ごめんなさい」
「うん、いい子。琥陽はボクの側から離れちゃダメだから」
物理的にがっしりと腕をホールドされ、一朔の元に行かせないようにされてしまった。
いつものごとく一朔を睨む颯珠に、申し訳なさそうに立つ琥陽。それから居たたまれない様子でポケットから出した棒付きキャンディを見つめる一朔の様子に、クスクスと笑う声が後ろから聞こえてくる。
「またやってるの?」
「碧海」
口に手を当て上品に笑うのは来栖碧海、寮で隣のクラスメイトだ。バースはオメガだがオメガにしては琥陽ほどではないものの高身長で、颯珠は琥陽の手を離すと碧海の元へ向かう。
「琥陽が悪いんだよ、目の前で浮気しようとしてたから」
「う、浮気じゃないって!」
「誰かに飛びつくのは浮気だよ」
ジトッとした目で見ながら琥陽の方を見ると、一息ついてなぜか颯珠は両手を広げた。
「ほら」
「……なに?」
「仲直りだよ。抱き着くなら、ボクにしなよ」
外と内の間のような表情をして、颯珠は琥陽を見上げてくる。
でも、とかあの、とか戸惑っていても颯珠からの視線は緩められない。
颯珠がアルファだと知ったのは今朝なのだ、当然まだ心の整理だってできていない。それにその気持ちが本物だと知って、むやみに触れるのを躊躇ってしまうのは仕方がないだろう。
だがそんな琥陽の心の内などお構いなしの颯珠は、痺れを切らし自分から琥陽に抱き着いてきた。
「あとで覚えておいて」
ぼそっと琥陽にだけ聞こえる声でそう言うと、すぐに離れた。
朝食の場は割と騒々しい。
昼食、夕食は誰とでも良いが、朝食はなるべくペア同士で、とされている寮での朝食は、琥陽たちは六人で食べる事が多い。
琥陽と颯珠、それに一朔とそのペアである木崎玲雄、碧海とペアである井草洸希だ。
玲雄は一朔と会った瞬間一朔に一目ぼれしたらしく、好き好きアピールが激しいことで有名だ。なので一朔に抱き着いたままバイキング形式で取ってきた朝食を前に、一朔に抱き着きながらフォークでウィンナーをつついている。
「い、いっさ~! ぐはっ、ちょっ、締まる、締まるって!」
朝食を食べようと一階にある食堂へ向かうと、琥陽は一朔に飛びつこうとした。けれど後ろからシャツを掴まれて、行く手を阻まれる。
「側に恋人がいるのに、なに他の男に抱き着こうとしてるの?」
笑っているのに瞳が冷たい颯珠に、琥陽はその場で踏みとどまった。
「ご、ごめんなさい」
「うん、いい子。琥陽はボクの側から離れちゃダメだから」
物理的にがっしりと腕をホールドされ、一朔の元に行かせないようにされてしまった。
いつものごとく一朔を睨む颯珠に、申し訳なさそうに立つ琥陽。それから居たたまれない様子でポケットから出した棒付きキャンディを見つめる一朔の様子に、クスクスと笑う声が後ろから聞こえてくる。
「またやってるの?」
「碧海」
口に手を当て上品に笑うのは来栖碧海、寮で隣のクラスメイトだ。バースはオメガだがオメガにしては琥陽ほどではないものの高身長で、颯珠は琥陽の手を離すと碧海の元へ向かう。
「琥陽が悪いんだよ、目の前で浮気しようとしてたから」
「う、浮気じゃないって!」
「誰かに飛びつくのは浮気だよ」
ジトッとした目で見ながら琥陽の方を見ると、一息ついてなぜか颯珠は両手を広げた。
「ほら」
「……なに?」
「仲直りだよ。抱き着くなら、ボクにしなよ」
外と内の間のような表情をして、颯珠は琥陽を見上げてくる。
でも、とかあの、とか戸惑っていても颯珠からの視線は緩められない。
颯珠がアルファだと知ったのは今朝なのだ、当然まだ心の整理だってできていない。それにその気持ちが本物だと知って、むやみに触れるのを躊躇ってしまうのは仕方がないだろう。
だがそんな琥陽の心の内などお構いなしの颯珠は、痺れを切らし自分から琥陽に抱き着いてきた。
「あとで覚えておいて」
ぼそっと琥陽にだけ聞こえる声でそう言うと、すぐに離れた。
朝食の場は割と騒々しい。
昼食、夕食は誰とでも良いが、朝食はなるべくペア同士で、とされている寮での朝食は、琥陽たちは六人で食べる事が多い。
琥陽と颯珠、それに一朔とそのペアである木崎玲雄、碧海とペアである井草洸希だ。
玲雄は一朔と会った瞬間一朔に一目ぼれしたらしく、好き好きアピールが激しいことで有名だ。なので一朔に抱き着いたままバイキング形式で取ってきた朝食を前に、一朔に抱き着きながらフォークでウィンナーをつついている。
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