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第21話
しおりを挟む「なに? といっても、周囲の魔物なんてゴブリン程度だろう? そんな慌てることは――」
「ゴブリンだけではございません! 現在確認したところ、ワイバーンやオークなども存在しています! すでに、街の外では冒険者たちが襲われたと被害の報告があります!」
「な、なぜワイバーンやオークが出現する前に騎士団は対応しなかったんだ!」
オレが声を荒らげるのも当然だろう。
だって、騎士団には日に一度、巡回をさせている。つまり、異常な魔物が見つかればすぐに報告が上がるはずなのだ。
まして、ワイバーン、オークといった魔物が誰の目にもとまることなくいきなり出現するはずは――
「こ、この魔強雨の効果によって魔物が強化されているんですよ! 聖女様がいなくなってこの雨を止める人が――」
宮廷魔法使いがそんなアホなことを抜かしていた。
「……ふん。とりあえず議会を招集する。騎士団はすぐに魔物たちの対応に当たれ。そして、魔法使いおまえもついてきて、さっきの話を議会の全員に聞かせて見せろ」
いい加減、この馬鹿の相手もうんざりだ。全員の前で、現実というものを教えてやろう。
「あっ、そういえば! 先ほどになりますが、ちょうど父上が王都に到着しました」
騎士がそう告げる。お忍びでの来訪、か。元々体調が悪く地方で療養していたけど、オレの活躍を聞いて喜んで戻ってきてくれたのかもしれないな。
手紙で伝えておいて良かった!
「何? それは良かった。ちょうど、議会を集めようと思っていた。そこで、王にも話をしようか」
「……か、かしこまりました」
オレたちはすぐに議会を集める。
オレも最低限の身だしなみを整えてから、議会へと向かう。
用意していた会議室に、続々と集まっていく。現在の議会は若手中心だ。
というのも、聖女の追放に反対した貴族はすべて議会のメンバーから追放してやった。
議会には合計10の貴族がいたが、そのうち反対したのは老人の3人だけだったな。やはり皆、洗脳されていたのだろう。
そして、その会議室へ父上がやってきた。
久しぶりの父上は、松葉杖を突きながらではあるが、まだ体は元気な様子だった。
議会の者たちも、皆が父上に声をかけていたが……彼は全員を睨みつけていた。
……新しいメンバーに不服、とかだろうか?
「父上、お久しぶりです」
「……」
なぜ無視? 議会が始まるまでにまだ時間はあったので、オレは父上に声をかける。
「父上」
「ここに聖女を呼びなさい」
「は? 聖女は追放しましたよ! 何も仕事をしていなかったので!」
今まで誰もできなかったことを成し遂げた。それについて誇らしく胸を張った瞬間、父上の瞳がさらに吊り上がった。
「今すぐに土下座してでも戻ってきてもらいなさい!!」
それまで黙っていた父上が、声を張りあげた。
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