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第26話
しおりを挟む次の日私は、カイルくんとともに、村近くの迷宮に来ていた。
「魔物と戦ったことはあるんですか?」
「昔にちょっとね」
「……無理そうなら、すぐに言ってくださいね?」
カイルくんが心配げにこちらを見てきた。私は軽く剣を振ってみる。
うん、問題ないかな? 村に余っていた剣だけど、私が強化したものだからそこらの剣よりもずっと頑丈で、切れ味も鋭くなっている。
迷宮の中を歩いていく。迷宮っていうのは一階層から十階層まであるみたい。一から順に十階層まで上がっていくように進んでいくみたい。
私たちは今一階層を進んでいた。魔物はまだ出てこない。
「基本的にはオレが前衛で戦いますから、リアーナさんは俺への援護と周囲の警戒をお願いしてもいいですか?」
「うん、わかった!」
どうやら私の服装がごくごく普通の私服というのも、
でも、この服はただの服じゃないんだよね。ここに来るまでに色々強化しておいたから、たぶんカイルくんがつけている装備よりもずっと頑丈なんだよね。
私はカイルくんとともに進んでいくと……魔物が出現するのが分かった。
「……魔物、来ますね」
「みたいだね」
カイルくんがさっと私の前に片手を向け、守るように一歩前に出る。
……カイルくんにしてみれば、それは何気ない行動なのかもしれないけど、私は少し驚いて、同時に……ちょっと嬉しくなった。
「少し離れて――どうしたんですか?」
カイルくんがこちらを見たとき、驚いたように私を見ていた。
「ううん、なんでもないよ。それじゃあ、私は周囲の警戒にあたるね」
「はい、お願いします」
……あんな風に気遣われたのって、もしかして凄い久しぶりかも。
聖女になってから、あんな風に心配される……というか、守ってもらったことってなかったなぁ。
それがちょっぴり嬉しく、私は後退しながらカイルくんに支援魔法をかけた。
「え……?」
驚いた様子のカイルくん。と、魔物が出現した。ゴブリンだっ。かなり醜悪な顔をしていて、あんまり長く見ていたい魔物じゃない。
そのゴブリンを、カイルくんは一刀両断した。
「わっ、カイルくん滅茶苦茶強いね……」
「……ちょっと待ってください」
カイルくんは眉間をもみほぐすようにしてこちらを見てきた。
「どうしたの?」
「いえ、俺もこのくらいの相手は別に苦戦することはないんですけど……いや、あのですね」
「うん」
「……リアーナさんの、支援魔法、滅茶苦茶強いんですけど」
「え? そ、そうかな?」
「はい……滅茶苦茶すぎますよ! やっぱり……どこかの貴族お抱えの魔法使い、とかだったんですか?」
「え、えーと……それは」
私はぽりぽりと頬をかいて、苦笑いを返した。
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