27 / 30
第27話
しおりを挟む
それ以上深く聞いてこなかったのは、カイルくんなりの優しさだと思う。
その気遣いになんだか心がほっとしながら、私はともに迷宮を進んでいく。
……まあ、カイルくんならいいかと思って、そのあとも特に支援魔法に関して制限をすることはしていない。
だって、命をかけての戦闘だしね。ここで手を抜いて大けがなんてしたら大変だからね。
私たちはあっという間に十階層まで到達してしまった。
「……正直言って、ここまで二人だけで来れるとは思っていませんでしたね」
「そうなの?」
「……だって普通迷宮って複数人で攻略するんですよ?」
「適正では六人だっけ?」
「はい、そうですね」
迷宮攻略には六人が良いっていわれている。迷宮では足元から魔物がわいたり、壁から魔物が出てきたりと様々なんだけど、一緒に行動している人間が多いと、その魔物の出現数が増えてしまうんだって。
問題ないのが六人までっていうのは、昔研究者が見つけた……とかそんなことを先生が話していたかな?
私たちはまっすぐの道を進んでいき、そこでカイルくんが足を止めた。
「……この先、この迷宮の主がいるみたいですね」
通路の先、ひときわ大きな広間のような部屋があった。
……確かに、部屋に満ちる魔力がこれまでよりもかなり強大なものだ。
「カイルくん、二人で勝てるのかな?」
「わかりませんが、最悪は逃げれば大丈夫ですね。……不安であれば、リアーナさんはここで待機していてください」
「ううん、私は別に大丈夫だよ。いこっか」
カイルくん一人に任せたくないしね。私だって、それなりに戦えるんだから。
その広間へと入る前に、支援魔法を使用し、私たちは中へと入っていった。
すぐに、地面が揺れて大地から魔物が現れた。
……もぐら、みたいな魔物だ。ノームモール、っていう名前みたいだ。私が魔法で分析していく。
ふんふん、火や光に弱い魔物なんだね。体を常に半分以上土の中に入れているのは、下半身が貧弱だからみたい。
すぐに私がカイルくんの剣に火属性を付与する。
「……これは?」
「ノームモールの弱点が火属性と光属性みたいだから。私はその二属性で攻撃していくね」
「わかりました、お願いします」
カイルくんが軽く剣を振ってから、大地を蹴ってノームモールへと一気に迫る。
やっぱり、かなり動きは速い。私の支援魔法とか以上に、カイルくんの地力が凄いんだよね。
駆け、剣を振りぬく姿は……かっこいい。それまでのどこか真面目で丁寧な態度から荒々しいものへと変化するんだ。
……これが、ギャップって奴かぁ。
そんなことを考えながら、私も魔法で援護していった。
その気遣いになんだか心がほっとしながら、私はともに迷宮を進んでいく。
……まあ、カイルくんならいいかと思って、そのあとも特に支援魔法に関して制限をすることはしていない。
だって、命をかけての戦闘だしね。ここで手を抜いて大けがなんてしたら大変だからね。
私たちはあっという間に十階層まで到達してしまった。
「……正直言って、ここまで二人だけで来れるとは思っていませんでしたね」
「そうなの?」
「……だって普通迷宮って複数人で攻略するんですよ?」
「適正では六人だっけ?」
「はい、そうですね」
迷宮攻略には六人が良いっていわれている。迷宮では足元から魔物がわいたり、壁から魔物が出てきたりと様々なんだけど、一緒に行動している人間が多いと、その魔物の出現数が増えてしまうんだって。
問題ないのが六人までっていうのは、昔研究者が見つけた……とかそんなことを先生が話していたかな?
私たちはまっすぐの道を進んでいき、そこでカイルくんが足を止めた。
「……この先、この迷宮の主がいるみたいですね」
通路の先、ひときわ大きな広間のような部屋があった。
……確かに、部屋に満ちる魔力がこれまでよりもかなり強大なものだ。
「カイルくん、二人で勝てるのかな?」
「わかりませんが、最悪は逃げれば大丈夫ですね。……不安であれば、リアーナさんはここで待機していてください」
「ううん、私は別に大丈夫だよ。いこっか」
カイルくん一人に任せたくないしね。私だって、それなりに戦えるんだから。
その広間へと入る前に、支援魔法を使用し、私たちは中へと入っていった。
すぐに、地面が揺れて大地から魔物が現れた。
……もぐら、みたいな魔物だ。ノームモール、っていう名前みたいだ。私が魔法で分析していく。
ふんふん、火や光に弱い魔物なんだね。体を常に半分以上土の中に入れているのは、下半身が貧弱だからみたい。
すぐに私がカイルくんの剣に火属性を付与する。
「……これは?」
「ノームモールの弱点が火属性と光属性みたいだから。私はその二属性で攻撃していくね」
「わかりました、お願いします」
カイルくんが軽く剣を振ってから、大地を蹴ってノームモールへと一気に迫る。
やっぱり、かなり動きは速い。私の支援魔法とか以上に、カイルくんの地力が凄いんだよね。
駆け、剣を振りぬく姿は……かっこいい。それまでのどこか真面目で丁寧な態度から荒々しいものへと変化するんだ。
……これが、ギャップって奴かぁ。
そんなことを考えながら、私も魔法で援護していった。
10
あなたにおすすめの小説
聖女を騙った罪で追放されそうなので、聖女の真の力を教えて差し上げます
香木陽灯
恋愛
公爵令嬢フローラ・クレマンは、首筋に聖女の証である薔薇の痣がある。それを知っているのは、家族と親友のミシェルだけ。
どうして自分なのか、やりたい人がやれば良いのにと、何度思ったことか。だからミシェルに相談したの。
「私は聖女になりたくてたまらないのに!」
ミシェルに言われたあの日から、私とミシェルの二人で一人の聖女として生きてきた。
けれど、私と第一王子の婚約が決まってからミシェルとは連絡が取れなくなってしまった。
ミシェル、大丈夫かしら?私が力を使わないと、彼女は聖女として振る舞えないのに……
なんて心配していたのに。
「フローラ・クレマン!聖女の名を騙った罪で、貴様を国外追放に処す。いくら貴様が僕の婚約者だったからと言って、許すわけにはいかない。我が国の聖女は、ミシェルただ一人だ」
第一王子とミシェルに、偽の聖女を騙った罪で断罪させそうになってしまった。
本気で私を追放したいのね……でしたら私も本気を出しましょう。聖女の真の力を教えて差し上げます。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。
マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。
そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。
そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。
どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。
2022.6.22 第一章完結しました。
2022.7.5 第二章完結しました。
第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。
第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。
第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。
聖女を追い出しても平気だと思っていた国の末路
藤原遊
ファンタジー
聖女が国を去った日、神官長は分かっていた。
この国は、彼女を軽く扱いすぎたのだと。
「聖女がいなくても平気だ」
そう言い切った王子と人々は、
彼女が“何もしていない”まま国が崩れていく現実を、
やがて思い知ることになる。
――これは、聖女を追い出した国の末路を、
静かに見届けた者の記録。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【完結済み】天罰って人の手を介している時点で方便ですよね<前・中・後編>
BBやっこ
恋愛
聖女の娘である私は、幼い頃から王子の婚約者になっていて“仲良くしろ”と圧を受けていた。
それは学生になってからも似たようなもので。
聖女になりたいと言っていないのに。大人の事情と私の安全のために公言しなかった。
そして、時は来た。神裁判の宣言と私への天罰を望む声。
※ 【完結済み】
真実、私の話を聞いてもらいましょう。
方便なんて使えませんわよ?神様がきいてくださっているのだから。
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる