帰還した元勇者はVRMMOで無双する。〜目指すはVTuber義妹を推して推しまくる生活~

木嶋隆太

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 それからしばらくそのメッセージを見ていたが、そろそろゲームを再開しよう。
 舞のために新しい装備をとりに行かないといけないしな。
 そのためにも、より強い魔物がいる場所に行きたいのだが、いまいち情報がない。
 こういうときは現地人に聞くのが一番だな。

「ちょっと聞きたいんだが、ナイフモンキーよりも強い魔物がいる場所を知らないか?」
「……そうですね。さらに東にいくといいかもしれませんよ。東の坑道のダンジョンを抜ければ、大きな街もありますし」
「へぇ、次の街か……」

 新しい街に行けば、もしかしたら舞が褒めてくれるかもしれない。
 また大好きと言ってくれるかもしれない。
 行くしかねぇなぁ!
 ……その光景をニヤニヤしながら想像していた俺は、早速そちらへ向かうことに決めた。

 なにが必要になるのか分からないので、魔物がりで入手した、魔石を売却してポーションなどを揃えておく。
 ポーション類は使用してから再使用まで時間がかかるので、連発はできない。
 今は10%回復ポーションしか売られていないので、あまりアテにしてはいけないだろう。

 村を通り抜けるように東へと向かいつつ、魔物を狩っていく。
 ……ナイフモンキーを大量に倒したり、ソロでの戦闘が長いからから称号がいくつか手に入った。

『【ナイフモンキーキラー(Dランク)】を獲得しました。ステータスポイントを獲得しました。ナイフモンキーキラーに与えるダメージ量が増加します』

 ……こういったピンポイントの魔物相手に有効な称号もあるようだ。
 今後、レベルが上げられなくて行き詰まったら、獲得していない称号の魔物を狩りまくってステータスポイントを稼ぐ、というのも一つの手段としてありなのかもしれない。

『【ソロハンター(Eランク)】を獲得しました。ステータスポイントを獲得しました。ソロでの戦闘時、与えるダメージ量が増加します』

 ……俺にはぴったりの称号だな。称号は持っていれば効果が発動するので、今後パーティーを組むことがあれば【先導者】が発動し、ソロならこちらが発動してくれるだろう。

 そんなこんなで魔物を狩りながら進むと、山が見えてきた。
 道は二つか。
 登って山を越えていくか、先ほど村の人が言っていた坑道ダンジョンに挑むかってことか。

 坑道ダンジョンの適正レベルは分からないが、いいかげん猿の相手は飽きていた頃だしな。
 こっちに行ってみるとするか。

 俺は、坑道ダンジョンの方へと進み、中へと入っていった。

 中は暗いのかと不安に思っていたが、定期的に埋められた魔石のようなものが灯のかわりになってくれていて、視界良好。
 中を進んでいくと、地面からにょきっと骨の魔物が姿を見せた。

 ガイコツ兵、ね。数は三体か。
 全員槍を装備していて、こちらに気づいたやつから突っ込んできた。

 突き出された槍を、短剣で受け流しながら踏み込む。
 俺が攻撃しようとしたところで脇から槍が振り抜かれる。
 それをしゃがんでかわしながら短剣を振るう。
 もちろん、すでにスキルを発動し、弱点は見つけているし、ドロップ率も上げている。

 攻撃をかわしながら、一体に攻撃を集中させる。
 一体を狙っていけば、ダメージもしっかり通るので、わりとすぐに倒せた。

 ……とはいえ、モンキーナイフだと少し物足りなく感じてしまう。
 ガイコツ兵に斬撃が効きにくいというのもあるだろう。
 リアルなら、格闘でボコボコにするんだが、補正の載っていない俺の拳などの攻撃ではさしてダメージがない。

 ガイコツ兵の攻撃を避け、拳や蹴りで一体の足止めをしつつ、もう一体を短剣でしばく。
 残りは一体。ガイコツ兵のレベルは21。格上にはなるが、ダメージは通っているし攻撃をもらわなければいつかは倒せる。

 それから、地道に削っていくと、最後の一体も仕留められた。
 ふう、こんなものか。
 ドロップアイテムに武器はないが、戦っていけばいずれは狙えるはずだ。

 ひとまず、ここでレベル上げをしつつ、次の街を目指してみようかね。
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