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第30話
しおりを挟む村での依頼を終えた俺たちは『アキシスタ』が拠点にしているシュベレートの街へと戻ってきた。
国内でも三番目に大きな街ということもあり、相変わらずそこそこの活気にあふれていた。
街を歩いていた俺は隣に並ぶルタへと視線をやる。
「ルタのお母さんはこの街にいるんだよな?」
「うん」
「一応、挨拶をしていってもいいか?」
「うん……あっ、でもその。お母さん、僕が冒険者として稼ぐことに反対しているんだ。だから、その僕が冒険者をやっていることは黙っていてくれないかな?」
……まあ、そりゃあ心配するか。
俺の家のように、子どものころから鍛えているのならまだしも、ルタはどうやらそういうのじゃなさそうだしな。
「そっか、分かった」
「……あと、その。その前にお医者さんのところ行ってもいいかな? 来月の分の薬代を支払わないと」
「わかった。ついでにその医者にも会っておきたいな。……そのる医者はどこにいるんだ?」
「その人なら病院にいるよ。案内するね」
「頼む」
どんな病気なのかとか色々聞いておきたかったからな。
俺たちはルタの案内で病院へと向かう。
病院についた俺たちは、受付をすまし、しばらく控え室で待っていた。
それから名前を呼ばれ、俺たちは奥へと向かった。
六人で部屋に入ると、さすがに医者も驚いたようにこちらを見てきた。
それでも医者は温和な笑みを浮かべる。
「おや、ルタくん。こんにちは」
「久しぶりです!」
「うん、久しぶり。……それでえーとそちらの方たちは……?」
問いかけられたので、代表者として俺が頭を下げる。
「ルタとともにパーティーを組んでいるヴァレオと言います。よろしくお願いします」
俺がそういうと、医者は納得した様子で声をあげる。
「ああ、そうか。そういえばルタくんは冒険者として稼いでいるんだったね」
「ええ、そうですね。それで、お母さんの病気について詳しい状況を知りたくて俺たちも一緒に来ました。もしかしたら、旅をしている中で薬、あるいは治療する手段が見つかるのではないかと思いまして」
「……そうか。ただ、ルタくんのお母さんは魔力欠乏症でね。根本的な治療方法は見つかっていないんだ」
魔力欠乏症、か。稀に発生してしまう病気だ。
人間は魔力を使わなくても生きてはいけるのだが、魔力を失うと体調不良を起こしてしまう。
魔力欠乏症は、魔法を使用していないのに勝手に魔力が消費されてしまう病気だ。
人によって、その度合いは違う。日常生活に支障がでない人もいれば、少し行動するだけで魔力が失われ、歩くことさえままらない人も。
「ルタくんのお母さんはかなり状態が悪くてね。魔力欠乏症のランクはAランク、いやSランク相当はあるんだ。……ただ、魔力を確保するための薬があれば一応少しくらいは動くこともできるんだけどね」
「……そうですか」
医者からの説明を聞いていく。薬に必要な薬草の名前なども教えてもらった。
……旅をしていく中で見つかれば、それらを確保すればルタの負担も少しは減るだろう。
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