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1~10
覚醒
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「うっ……生きてる、のか……」
暗い淀みの中からゆっくりと意識が浮上した。
「ごほっ、ごほっ……はぁ、はぁ。川に流されて死を免れたのかな……」
どうやら崖の下は川が流れていたみたいだ。全身が水面に叩き付けられて激しい痛みに覆われているが、地面に激突するよりはマシだったらしい。
冷たい水にひたって気を失っていたせいか、全身に力が入らない。
運良く岩に引っ掛かって下流に流されるのを防いでくれていた。
「くっ……あ、危ない」
徐々に戻ってきた視界を凝らすと、目の前には激しく流れ落ちる大きな滝がある。
どうやらほんとうにギリギリだったみたいだ。
死力を振り絞って体を動かし、なんとか岸まで這い上がった。
全身の痛みに加えて凍るような冷たさが意識を遠のかせる。
再び眠ってしまったら二度と目が覚めない気がして必死に体を起こした。
「そうか……これのおかげで助かったんだな」
どうやら腰に差していたショートソードが岩場に引っ掛かったおかげで流されずに済んだらしい。
ミレイユ達に……助けられたんだ。
「……もう朝か……うう、寒い」
暗闇に覆われていた視界は朝日に照らされて開けた川辺を映し出す。
太陽が昇るまで気を失っていたらしい。その間ずっと川の水に浸かっていたにもかかわらず、よく死ななかったものだ。
体温が一定以下まで下がると生命を維持できないと学園で習ったことがある。
とにかく暖をとらないと。
「くっ……足が……」
マハルに刺された場所がズキリと痛む。だけど、そこで妙なことに気が付いた。
「あ、あれ? 傷が……」
刺された筈の箇所が塞がっていた。
あれだけ深く刺されたんだ。回復魔法もなしにそうそう簡単に治る筈がない。
川の水にひと晩さらされて失血死か凍死してもおかしくなかったはずなのに。
「考えている余裕はなさそうだ。なんとかして森から出ないと」
運良くひと晩を超えたが、それでも危険な魔の森は凶暴な魔物の巣窟だ。
安全な場所なんてどこにもないはず。
『GURURURU……GAFUッ』
「!!」
荒い鼻息のような音を耳にして血の気が引く。
恐る恐る音のする方に顔を向けると、灰色の毛皮に覆われた巨躯の熊がゆっくりとこちらに近づいてくるのが見えた。
あれは熊系の魔物、ハウルベア……、いや違うっ。
(デ、デビルグリズリーッ⁉ よりによってこんな時に)
最悪だ。魔の森でもトップレベルにヤバい奴じゃないか。確認されている範囲で熊系最強クラスのモンスター。
森の奥からは滅多に出てこないと言われているのに、なんでこんな浅い場所にいるんだっ⁉
体力万全の状態でも勝てる気がしない。見ると口元には巨大な魚を咥えている。
そうか。朝ご飯を取りに来たら、飛びきりのごちそうを見つけたってわけか。
咥えていた巨大魚を地面に置き、その真っ黒な瞳は完全に僕を捉えていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
恐怖で体が強張る。だけど幼い頃からの戦闘訓練の賜物か、僕の手は自然に腰のショートソードを握り絞めていた。
(そう何度も攻防できる余裕はない。一撃でももらったらアウトだ……。そうだ、スキル。力を溜めて、少しでも高い攻撃力を)
半分以上意識が朦朧としながらも、会得したばかりのスキルで応戦を決意する。
ギフトを授かってから意識していなかったが、僕の中でスキルの使い方が自然と脳裏に浮かび上がってきた。
『GURURURU……』
ジワリ、ジワリと距離を詰めてくるデビルグリズリーから懸命に視線を外さないように正面に構えた。
獣は背中を向けた瞬間に襲い掛かってくる。
だけど目の前の相手はこちらが死にかけであることを十分理解しているようだ。
嘲笑うかのようにズシリズシリと近づいてきた。
『GUOO!!!!』
腰を落としてグッと体重をかけたのが見えた瞬間、もの凄い速度で突進してくる。
「うわぁああああっ」
一瞬にして圧倒的な力の差を理解し、恐怖で体が逃げを選択した。
「ぐわぁあああああっ、あぁ、あああああっ!」
じょ、冗談じゃない。なんて迫力だ。
訓練で戦った下位種のジャイアントベアなんて比較にならない。
振り上げた強靱な前足から繰り出される薙ぎ払いがかすっただけで体が吹き飛ばされ、川辺の岩場に激突する。
それだけじゃなく当たっていないにもかかわらず、風圧で胸の皮膚が切り裂かれて血が噴き出した。
(痛いッ……痛いッ……こんなの勝てるわけないよ)
地力の差がありすぎる。胸の斬り傷から流れ出す夥しい量の血液が明確な死を予感させた。
力をためて攻撃力を上げたところで、僕の力じゃ絶対に倒しきれない。
その時だった。
『パワーが一定値まで【たまり】ました。カウンタースキルを発動可能にします』
「え?」
突如として全身に力が漲る。心臓から全身に血液が巡り、やがて剣を握り絞める右手に注がれていくのを知覚した。
(こ、これってっ!)
永遠にも感じる一瞬の間。その一瞬で、漲る力を巡らせて渾身の一撃を繰り出す。
「うわぁああああああああっ!!」
『GUAAAAAAAAA!!』
僕の決死の気合いに感化されたのか、デビルグリズリーの目の色が文字通り変わる。
魔力が込められた真っ赤に光る瞳を見開き、全身を奮い立たせて腕を振り上げた。
間違いなくスキルだ。必殺の一撃を繰り出そうとしている。
当たれば死ぬ。僕の体なんて簡単に真っ二つだろう。
「激殺ッ、両断ッ!」
本来片手で扱うショートソードの柄を両手で握り絞め、迫り来る悪魔の薙ぎ払いをギリギリで躱しつつ、長年の修業で身につけた剣技スキルを発動させる。
才能はなかった。
幼い頃から必死に努力を重ねて身につけた剣技は、僕の命を紙一重のところで繋いでくれた。
「てりゃああああああっ!!!!」
ギャリギャリッとホネに引っ掛かる手応えに更なる力を込め、決死の一撃は敵の体を斬り裂いた。
『GA……』
ズドォオオオオンッゥンンン……
「はぁ、はぁ……はぁ、か、勝った……?」
真っ二つになったデビルグリズリーの体が倒れていく。
僕の勝利をたたえるように魔物の体は淡い光に包まれて蒸発していった。
死を迎えた魔物は魔素に分解されて魔石となる。
そして消滅した後には核となる魔石とドロップアイテムが残されるのだ。
人間と魔物は肉体の構成からして根本が違うらしい。学園の魔物学ではそのように習うが、何故魔物が光と共に消滅するのか。その理由までは分かっていないそうだ。
「そんな事はどうだっていい。魔素を吸収すれば少しはマシになるかも」
魔物を倒すと魔素が分解されて消滅していく。それと同時に空気中を漂う魔素を浴びると自分の魔力に変換することができる。
これはいわゆる【魔素吸収】と呼ばれる現象で、倒した魔物の魔素を吸収してパワーアップを図ることができる。
確か古い文献では魔物を倒して得られる魔素を経験値と呼んでいた。僕はその呼び方の方が好きだ。
だけど身の丈に合わない大きすぎる魔素は精神を汚染してしまう。
恐る恐る消えかけている死体に近づき、少しずつ魔素を吸収しようと手を伸ばした。
『討伐した魔物の魔素をストックします。レベルアップに必要な分だけ【放ち】ますか?』
「え?」
不思議な声が脳内に響き、僕は懸命に辺りを見回す。
「なんだ? 一体何の声なんだ?」
そうかと思ったら、目の前に突然半透明な板が浮かび上がってきた。
「うわっ、な、なんだこれ……」
――――――
【セージ・タブリンス】 LV14/25 次のレベルまで 11021
魔素ストック 655169
・ストックしているもの
カウンターダメージ 5/100
☆攻撃力 10/100
☆魔力値 2/100
☆治癒力 100/100
――――――
「これって……うっ……」
体に魔素が流れ込んでくる感覚が分かった。以前に1度だけ訓練で身の丈に合わない魔素を吸収するとどうなるか実体験させられたことがある。
凄まじい昂揚感と一緒に心が腐ったヘドロに侵食されていくような気持ち悪い感覚だった。
一瞬だけそれに近い感覚が襲ってきたが、以前と違うのは自分の中でそれをコントロールできる感覚があることだった。
「もしかして……もしかして……」
レベル、というのがよく分からなかったが、直感的にこれが魔素を吸収して強くなる値っぽい気がする。
期待と不安が入り交じるが、迷っている余裕はない。
脳内に響いた声に従い、レベルアップに必要な分を【放った】
『レベルアップに魔素ストックを消費します。限界値まで消費』
「っ…おおおおおっ、か、体が熱いっ、うううああっ」
全身に魔素が侵食していき、充実感が増してきた。
なんだこれっ、以前とはまるで違う。
『限界値25までアップしました。初回ボーナス+大幅な上昇により、魔素消費なしでレベルキャップを解放。上限値を40にアップ』
「凄い。体に力が漲ってくるっ。やっぱりそうだ。魔素が自分の体に最適化してるんだ」
怪我も治ってる。レベルアップという奴が肉体を強化して魔素による治癒力を高めてくれたのか?
体の中を巡る魔素は上手く使えば治癒力を高めることができると学んだことがある。
魔素は魔力の元であり、それを活性化して怪我を治すのが治癒魔法だからだ。
――――――
【セージ・タブリンス】 LV25/40 次のレベルまで54540
魔素ストック 468896
・ストックしているもの
カウンターダメージ 5/100
☆基本攻撃力 10/100
☆魔力値 2/100
☆治癒力 0/100
――――――
「まさか、【ためて・放つ】って……。力をためて攻撃力を上げるだけじゃないって、こと……?」
まだ分からない……。もしかしたらもっと他の要素も絡んでるのかもしれないし、まだまだ全部を理解した訳じゃないけど、僕の心は未知の興奮と生きる希望が湧き上がって満たされていた。
「僕は、まだ生きられるッ!!!」
大声は出すべきじゃない。
まだ魔物が潜んでいるし、血の臭いや音で気付かれるかもしれない。
だけど溢れてくる昂揚感を声に出さずにはいられなかった。
暗い淀みの中からゆっくりと意識が浮上した。
「ごほっ、ごほっ……はぁ、はぁ。川に流されて死を免れたのかな……」
どうやら崖の下は川が流れていたみたいだ。全身が水面に叩き付けられて激しい痛みに覆われているが、地面に激突するよりはマシだったらしい。
冷たい水にひたって気を失っていたせいか、全身に力が入らない。
運良く岩に引っ掛かって下流に流されるのを防いでくれていた。
「くっ……あ、危ない」
徐々に戻ってきた視界を凝らすと、目の前には激しく流れ落ちる大きな滝がある。
どうやらほんとうにギリギリだったみたいだ。
死力を振り絞って体を動かし、なんとか岸まで這い上がった。
全身の痛みに加えて凍るような冷たさが意識を遠のかせる。
再び眠ってしまったら二度と目が覚めない気がして必死に体を起こした。
「そうか……これのおかげで助かったんだな」
どうやら腰に差していたショートソードが岩場に引っ掛かったおかげで流されずに済んだらしい。
ミレイユ達に……助けられたんだ。
「……もう朝か……うう、寒い」
暗闇に覆われていた視界は朝日に照らされて開けた川辺を映し出す。
太陽が昇るまで気を失っていたらしい。その間ずっと川の水に浸かっていたにもかかわらず、よく死ななかったものだ。
体温が一定以下まで下がると生命を維持できないと学園で習ったことがある。
とにかく暖をとらないと。
「くっ……足が……」
マハルに刺された場所がズキリと痛む。だけど、そこで妙なことに気が付いた。
「あ、あれ? 傷が……」
刺された筈の箇所が塞がっていた。
あれだけ深く刺されたんだ。回復魔法もなしにそうそう簡単に治る筈がない。
川の水にひと晩さらされて失血死か凍死してもおかしくなかったはずなのに。
「考えている余裕はなさそうだ。なんとかして森から出ないと」
運良くひと晩を超えたが、それでも危険な魔の森は凶暴な魔物の巣窟だ。
安全な場所なんてどこにもないはず。
『GURURURU……GAFUッ』
「!!」
荒い鼻息のような音を耳にして血の気が引く。
恐る恐る音のする方に顔を向けると、灰色の毛皮に覆われた巨躯の熊がゆっくりとこちらに近づいてくるのが見えた。
あれは熊系の魔物、ハウルベア……、いや違うっ。
(デ、デビルグリズリーッ⁉ よりによってこんな時に)
最悪だ。魔の森でもトップレベルにヤバい奴じゃないか。確認されている範囲で熊系最強クラスのモンスター。
森の奥からは滅多に出てこないと言われているのに、なんでこんな浅い場所にいるんだっ⁉
体力万全の状態でも勝てる気がしない。見ると口元には巨大な魚を咥えている。
そうか。朝ご飯を取りに来たら、飛びきりのごちそうを見つけたってわけか。
咥えていた巨大魚を地面に置き、その真っ黒な瞳は完全に僕を捉えていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
恐怖で体が強張る。だけど幼い頃からの戦闘訓練の賜物か、僕の手は自然に腰のショートソードを握り絞めていた。
(そう何度も攻防できる余裕はない。一撃でももらったらアウトだ……。そうだ、スキル。力を溜めて、少しでも高い攻撃力を)
半分以上意識が朦朧としながらも、会得したばかりのスキルで応戦を決意する。
ギフトを授かってから意識していなかったが、僕の中でスキルの使い方が自然と脳裏に浮かび上がってきた。
『GURURURU……』
ジワリ、ジワリと距離を詰めてくるデビルグリズリーから懸命に視線を外さないように正面に構えた。
獣は背中を向けた瞬間に襲い掛かってくる。
だけど目の前の相手はこちらが死にかけであることを十分理解しているようだ。
嘲笑うかのようにズシリズシリと近づいてきた。
『GUOO!!!!』
腰を落としてグッと体重をかけたのが見えた瞬間、もの凄い速度で突進してくる。
「うわぁああああっ」
一瞬にして圧倒的な力の差を理解し、恐怖で体が逃げを選択した。
「ぐわぁあああああっ、あぁ、あああああっ!」
じょ、冗談じゃない。なんて迫力だ。
訓練で戦った下位種のジャイアントベアなんて比較にならない。
振り上げた強靱な前足から繰り出される薙ぎ払いがかすっただけで体が吹き飛ばされ、川辺の岩場に激突する。
それだけじゃなく当たっていないにもかかわらず、風圧で胸の皮膚が切り裂かれて血が噴き出した。
(痛いッ……痛いッ……こんなの勝てるわけないよ)
地力の差がありすぎる。胸の斬り傷から流れ出す夥しい量の血液が明確な死を予感させた。
力をためて攻撃力を上げたところで、僕の力じゃ絶対に倒しきれない。
その時だった。
『パワーが一定値まで【たまり】ました。カウンタースキルを発動可能にします』
「え?」
突如として全身に力が漲る。心臓から全身に血液が巡り、やがて剣を握り絞める右手に注がれていくのを知覚した。
(こ、これってっ!)
永遠にも感じる一瞬の間。その一瞬で、漲る力を巡らせて渾身の一撃を繰り出す。
「うわぁああああああああっ!!」
『GUAAAAAAAAA!!』
僕の決死の気合いに感化されたのか、デビルグリズリーの目の色が文字通り変わる。
魔力が込められた真っ赤に光る瞳を見開き、全身を奮い立たせて腕を振り上げた。
間違いなくスキルだ。必殺の一撃を繰り出そうとしている。
当たれば死ぬ。僕の体なんて簡単に真っ二つだろう。
「激殺ッ、両断ッ!」
本来片手で扱うショートソードの柄を両手で握り絞め、迫り来る悪魔の薙ぎ払いをギリギリで躱しつつ、長年の修業で身につけた剣技スキルを発動させる。
才能はなかった。
幼い頃から必死に努力を重ねて身につけた剣技は、僕の命を紙一重のところで繋いでくれた。
「てりゃああああああっ!!!!」
ギャリギャリッとホネに引っ掛かる手応えに更なる力を込め、決死の一撃は敵の体を斬り裂いた。
『GA……』
ズドォオオオオンッゥンンン……
「はぁ、はぁ……はぁ、か、勝った……?」
真っ二つになったデビルグリズリーの体が倒れていく。
僕の勝利をたたえるように魔物の体は淡い光に包まれて蒸発していった。
死を迎えた魔物は魔素に分解されて魔石となる。
そして消滅した後には核となる魔石とドロップアイテムが残されるのだ。
人間と魔物は肉体の構成からして根本が違うらしい。学園の魔物学ではそのように習うが、何故魔物が光と共に消滅するのか。その理由までは分かっていないそうだ。
「そんな事はどうだっていい。魔素を吸収すれば少しはマシになるかも」
魔物を倒すと魔素が分解されて消滅していく。それと同時に空気中を漂う魔素を浴びると自分の魔力に変換することができる。
これはいわゆる【魔素吸収】と呼ばれる現象で、倒した魔物の魔素を吸収してパワーアップを図ることができる。
確か古い文献では魔物を倒して得られる魔素を経験値と呼んでいた。僕はその呼び方の方が好きだ。
だけど身の丈に合わない大きすぎる魔素は精神を汚染してしまう。
恐る恐る消えかけている死体に近づき、少しずつ魔素を吸収しようと手を伸ばした。
『討伐した魔物の魔素をストックします。レベルアップに必要な分だけ【放ち】ますか?』
「え?」
不思議な声が脳内に響き、僕は懸命に辺りを見回す。
「なんだ? 一体何の声なんだ?」
そうかと思ったら、目の前に突然半透明な板が浮かび上がってきた。
「うわっ、な、なんだこれ……」
――――――
【セージ・タブリンス】 LV14/25 次のレベルまで 11021
魔素ストック 655169
・ストックしているもの
カウンターダメージ 5/100
☆攻撃力 10/100
☆魔力値 2/100
☆治癒力 100/100
――――――
「これって……うっ……」
体に魔素が流れ込んでくる感覚が分かった。以前に1度だけ訓練で身の丈に合わない魔素を吸収するとどうなるか実体験させられたことがある。
凄まじい昂揚感と一緒に心が腐ったヘドロに侵食されていくような気持ち悪い感覚だった。
一瞬だけそれに近い感覚が襲ってきたが、以前と違うのは自分の中でそれをコントロールできる感覚があることだった。
「もしかして……もしかして……」
レベル、というのがよく分からなかったが、直感的にこれが魔素を吸収して強くなる値っぽい気がする。
期待と不安が入り交じるが、迷っている余裕はない。
脳内に響いた声に従い、レベルアップに必要な分を【放った】
『レベルアップに魔素ストックを消費します。限界値まで消費』
「っ…おおおおおっ、か、体が熱いっ、うううああっ」
全身に魔素が侵食していき、充実感が増してきた。
なんだこれっ、以前とはまるで違う。
『限界値25までアップしました。初回ボーナス+大幅な上昇により、魔素消費なしでレベルキャップを解放。上限値を40にアップ』
「凄い。体に力が漲ってくるっ。やっぱりそうだ。魔素が自分の体に最適化してるんだ」
怪我も治ってる。レベルアップという奴が肉体を強化して魔素による治癒力を高めてくれたのか?
体の中を巡る魔素は上手く使えば治癒力を高めることができると学んだことがある。
魔素は魔力の元であり、それを活性化して怪我を治すのが治癒魔法だからだ。
――――――
【セージ・タブリンス】 LV25/40 次のレベルまで54540
魔素ストック 468896
・ストックしているもの
カウンターダメージ 5/100
☆基本攻撃力 10/100
☆魔力値 2/100
☆治癒力 0/100
――――――
「まさか、【ためて・放つ】って……。力をためて攻撃力を上げるだけじゃないって、こと……?」
まだ分からない……。もしかしたらもっと他の要素も絡んでるのかもしれないし、まだまだ全部を理解した訳じゃないけど、僕の心は未知の興奮と生きる希望が湧き上がって満たされていた。
「僕は、まだ生きられるッ!!!」
大声は出すべきじゃない。
まだ魔物が潜んでいるし、血の臭いや音で気付かれるかもしれない。
だけど溢れてくる昂揚感を声に出さずにはいられなかった。
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