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28回目 その3
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母親チームは全く怯まない。
むしろ娘たちが怒れば怒るほど、挑発めいた笑顔を浮かべて次の一手を繰り出してくる。
「れー君、やっぱり大人の魅力に惹かれてるんじゃない?」
仙奈さんが腕を絡めてきて、わざと胸元を押し付けてくる。
「だめです! れー君は杏奈の彼氏なんだから!」
杏奈が慌てて割り込むけれど、勢い余って俺の反対側の頬に自分の胸を押し当ててしまう。
「わ、わぁぁっ!?」
(前も後ろも横も、柔らかさの包囲網……!)
そこへふわりとあまみさんのタッグが飛び込んでくる。
「れーじくん、ふわりとママ、どっちがいい~?」
「もちろん両方でいいわよ~♡」
親子揃って同じポーズで俺にぴったり寄り添う。まるで双子みたいなシンクロ攻撃。
「やめてぇぇ! ふわりのポジションは譲らないんだからぁ!」
ふわり本人が必死に母を引き剥がそうとするが、背丈も力も互角で拮抗。俺はその真ん中で左右に揺さぶられる。
とどめは紫音さん。
「レージ君。やっぱり……紫音の方が落ち着くでしょう?」
そう言って、俺の肩に両手を添えて覗き込む。視線がまっすぐで逃げられない。
「ママ! レージ君は鈴音の隣にいるんです!」
鈴音が珍しく声を張り上げて母の腕を引っ張る。けれどその拍子に、俺の膝の上にちょこんと座り込んでしまった。
「ひゃっ……!」
鈴音は一瞬で真っ赤になって固まる。
「こらっ! リンちゃんも反則だよっ!」杏奈が抗議。
「そうだよー、れーじくんが潰れちゃう~!」ふわりも大声を上げる。
結果、俺の周囲に母娘六人がぐちゃぐちゃに折り重なり、完全に団子状態。
誰の腕がどこにあるのかも分からない。髪の匂いと甘い香水と柔らかさが、俺の意識を一気にさらっていく。
「「「れー君(れーじくん/レージ君)は渡さないっ!」」」
娘チームが必死に叫び――
「「「ふふふ、れー君はもうこっちのものよ~♡」」」
母親チームが笑って返す。
リビングが完全に戦場と化して、笑い声と悲鳴と歓声が入り混じる。
俺はただ真ん中で、押し潰されながら叫んだ。
「……やっぱりカオスだああああっ!!」
六人が押し寄せる重みと温もりで、俺は完全に動けなくなっていた。
右からも左からも、前からも後ろからも――甘い匂いと体温が押し寄せ、息をするだけでクラクラする。
あれ? これデジャヴ?
「れー君、こっち向いて!」
杏奈が頬を両手で挟み、強引に視線を奪う。
「だめぇ~♡ れーじくんはふわりが独り占めするの~!」
ふわりが背後から抱きついて、顎を肩に乗せる。長身だから、重なり方が妙に包囲網めいていて逃げられない。
「……レージ君。鈴音もいます。鈴音を忘れないで」
鈴音が正面から手を握り締めて、潤んだ瞳で見上げてくる。その視線が直撃して、胸の奥が熱くなる。
(やばい……! 三方向から来てる……!)
そこへ母親チームが畳みかける。
「ほら見て、娘たちよりママ達の方が余裕があるわよ♡」仙奈さんが、頬に軽くキスを落とす。
「れーじくん、もっと力抜いてもいいんだよ~♡」あまみさんが耳元で甘く囁いてくる。
「レージ君。紫音も……あなたを包みたいです」紫音さんが、背中からすっぽりと抱き込んでくる。
「ちょ、ちょっと待って――」
言葉にならない。俺は完全に女性陣の渦に呑み込まれていた。
娘チームが慌てて割り込む。
「ママ! もうやめてってば!」杏奈が仙奈さんを押し返そうとするが、母の方が余裕顔。
「ふわりはママに勝てるんだからぁ!」ふわりが大声を上げて母を引き剥がそうとするも、身長も力も互角で引き分け状態。
「……ママ、ずるいです。これは鈴音たちの勝負なんです!」鈴音が必死に叫ぶけど、紫音さんは微笑んでかわすだけ。
母と娘の腕が絡み合い、互いに引っ張り合うたび、俺は中心でぐらぐら揺さぶられる。
体温も香りも重なりすぎて、もう自分がどこにいるのかもわからない。
「「「れー君は渡さないっ!」」」娘たちの絶叫。
「「「ふふ、れー君はもうこっちよ~♡」」」母親たちの余裕ある笑み。
六人の力が真っ向からぶつかり合って、リビングはまさにカオスの大乱戦。
抱きつき合い、引き剥がし合い、頬や額にチューを奪い合い、笑いと悲鳴と甘い声が混ざり合う。
俺はただ必死に声を上げるしかなかった。
「……限界だ」
そしてその叫びが合図のように、全員がドッと笑い出した。
リビング中を揺るがすような笑い声が収まって、ようやく全員がソファや畳にへたり込んだ。
息は上がり、髪は乱れ、頬はほんのり紅潮している。
「……ふぅ、すっごい勝負だったね」
杏奈が額を押さえながら笑う。
「はぁ~♡ ふわり、もうお腹も胸もいっぱい~。れーじくん、カオスすぎて夢みたいだったぁ」
ふわりはごろりと寝転がって、幸せそうに伸びをした。
「鈴音……ちょっと頭がふらふらします。でも……楽しかったです」
鈴音は胸に手を当て、まだドキドキが収まらない様子で微笑んでいた。
母親たちも同じように笑っている。
「ふふ、やっぱり娘たちもやるじゃない」仙奈さんが涼しい顔で。
「あらあら~♡ れーじくん、ちゃんと最後まで耐えたの偉いよぉ」あまみさんがのんびりした声で。
「……結局、勝ち負けはありませんね。でも、それでいいと思います」紫音さんが静かに結論づけた。
俺はソファに沈み込みながら、ため息をひとつ。
「……そうだな。勝敗なんて、正直つけられない。全員、限界まで頑張ってたし」
ふと見渡すと、六人とも目を細めて、俺の言葉に頷いていた。
その視線に包まれると、不思議と心の奥が温かくなる。
「じゃあ……このゲームはこれで終了。今日の勝者は――」
俺は少し間を置いてから、にやりと笑った。
「俺の人生そのもの、ってことでどうだ?」
「ええっ⁉」「ちょっと、れー君!」「……でも、嬉しいです」
娘チームの反応は三者三様。
母親チームも顔を見合わせて笑った。
「さすが、れー君ね」
「ふわりちゃん達に言わせれば、それが一番嬉しい勝ち方だよねぇ」
「……そうですね。全員が幸せな結末。それが一番です」
リビングにまた笑い声が広がる。
騒がしくて、甘くて、温かい――そんな夜の「締めくくり」だった。
~ゲーム28回目 終了~
むしろ娘たちが怒れば怒るほど、挑発めいた笑顔を浮かべて次の一手を繰り出してくる。
「れー君、やっぱり大人の魅力に惹かれてるんじゃない?」
仙奈さんが腕を絡めてきて、わざと胸元を押し付けてくる。
「だめです! れー君は杏奈の彼氏なんだから!」
杏奈が慌てて割り込むけれど、勢い余って俺の反対側の頬に自分の胸を押し当ててしまう。
「わ、わぁぁっ!?」
(前も後ろも横も、柔らかさの包囲網……!)
そこへふわりとあまみさんのタッグが飛び込んでくる。
「れーじくん、ふわりとママ、どっちがいい~?」
「もちろん両方でいいわよ~♡」
親子揃って同じポーズで俺にぴったり寄り添う。まるで双子みたいなシンクロ攻撃。
「やめてぇぇ! ふわりのポジションは譲らないんだからぁ!」
ふわり本人が必死に母を引き剥がそうとするが、背丈も力も互角で拮抗。俺はその真ん中で左右に揺さぶられる。
とどめは紫音さん。
「レージ君。やっぱり……紫音の方が落ち着くでしょう?」
そう言って、俺の肩に両手を添えて覗き込む。視線がまっすぐで逃げられない。
「ママ! レージ君は鈴音の隣にいるんです!」
鈴音が珍しく声を張り上げて母の腕を引っ張る。けれどその拍子に、俺の膝の上にちょこんと座り込んでしまった。
「ひゃっ……!」
鈴音は一瞬で真っ赤になって固まる。
「こらっ! リンちゃんも反則だよっ!」杏奈が抗議。
「そうだよー、れーじくんが潰れちゃう~!」ふわりも大声を上げる。
結果、俺の周囲に母娘六人がぐちゃぐちゃに折り重なり、完全に団子状態。
誰の腕がどこにあるのかも分からない。髪の匂いと甘い香水と柔らかさが、俺の意識を一気にさらっていく。
「「「れー君(れーじくん/レージ君)は渡さないっ!」」」
娘チームが必死に叫び――
「「「ふふふ、れー君はもうこっちのものよ~♡」」」
母親チームが笑って返す。
リビングが完全に戦場と化して、笑い声と悲鳴と歓声が入り混じる。
俺はただ真ん中で、押し潰されながら叫んだ。
「……やっぱりカオスだああああっ!!」
六人が押し寄せる重みと温もりで、俺は完全に動けなくなっていた。
右からも左からも、前からも後ろからも――甘い匂いと体温が押し寄せ、息をするだけでクラクラする。
あれ? これデジャヴ?
「れー君、こっち向いて!」
杏奈が頬を両手で挟み、強引に視線を奪う。
「だめぇ~♡ れーじくんはふわりが独り占めするの~!」
ふわりが背後から抱きついて、顎を肩に乗せる。長身だから、重なり方が妙に包囲網めいていて逃げられない。
「……レージ君。鈴音もいます。鈴音を忘れないで」
鈴音が正面から手を握り締めて、潤んだ瞳で見上げてくる。その視線が直撃して、胸の奥が熱くなる。
(やばい……! 三方向から来てる……!)
そこへ母親チームが畳みかける。
「ほら見て、娘たちよりママ達の方が余裕があるわよ♡」仙奈さんが、頬に軽くキスを落とす。
「れーじくん、もっと力抜いてもいいんだよ~♡」あまみさんが耳元で甘く囁いてくる。
「レージ君。紫音も……あなたを包みたいです」紫音さんが、背中からすっぽりと抱き込んでくる。
「ちょ、ちょっと待って――」
言葉にならない。俺は完全に女性陣の渦に呑み込まれていた。
娘チームが慌てて割り込む。
「ママ! もうやめてってば!」杏奈が仙奈さんを押し返そうとするが、母の方が余裕顔。
「ふわりはママに勝てるんだからぁ!」ふわりが大声を上げて母を引き剥がそうとするも、身長も力も互角で引き分け状態。
「……ママ、ずるいです。これは鈴音たちの勝負なんです!」鈴音が必死に叫ぶけど、紫音さんは微笑んでかわすだけ。
母と娘の腕が絡み合い、互いに引っ張り合うたび、俺は中心でぐらぐら揺さぶられる。
体温も香りも重なりすぎて、もう自分がどこにいるのかもわからない。
「「「れー君は渡さないっ!」」」娘たちの絶叫。
「「「ふふ、れー君はもうこっちよ~♡」」」母親たちの余裕ある笑み。
六人の力が真っ向からぶつかり合って、リビングはまさにカオスの大乱戦。
抱きつき合い、引き剥がし合い、頬や額にチューを奪い合い、笑いと悲鳴と甘い声が混ざり合う。
俺はただ必死に声を上げるしかなかった。
「……限界だ」
そしてその叫びが合図のように、全員がドッと笑い出した。
リビング中を揺るがすような笑い声が収まって、ようやく全員がソファや畳にへたり込んだ。
息は上がり、髪は乱れ、頬はほんのり紅潮している。
「……ふぅ、すっごい勝負だったね」
杏奈が額を押さえながら笑う。
「はぁ~♡ ふわり、もうお腹も胸もいっぱい~。れーじくん、カオスすぎて夢みたいだったぁ」
ふわりはごろりと寝転がって、幸せそうに伸びをした。
「鈴音……ちょっと頭がふらふらします。でも……楽しかったです」
鈴音は胸に手を当て、まだドキドキが収まらない様子で微笑んでいた。
母親たちも同じように笑っている。
「ふふ、やっぱり娘たちもやるじゃない」仙奈さんが涼しい顔で。
「あらあら~♡ れーじくん、ちゃんと最後まで耐えたの偉いよぉ」あまみさんがのんびりした声で。
「……結局、勝ち負けはありませんね。でも、それでいいと思います」紫音さんが静かに結論づけた。
俺はソファに沈み込みながら、ため息をひとつ。
「……そうだな。勝敗なんて、正直つけられない。全員、限界まで頑張ってたし」
ふと見渡すと、六人とも目を細めて、俺の言葉に頷いていた。
その視線に包まれると、不思議と心の奥が温かくなる。
「じゃあ……このゲームはこれで終了。今日の勝者は――」
俺は少し間を置いてから、にやりと笑った。
「俺の人生そのもの、ってことでどうだ?」
「ええっ⁉」「ちょっと、れー君!」「……でも、嬉しいです」
娘チームの反応は三者三様。
母親チームも顔を見合わせて笑った。
「さすが、れー君ね」
「ふわりちゃん達に言わせれば、それが一番嬉しい勝ち方だよねぇ」
「……そうですね。全員が幸せな結末。それが一番です」
リビングにまた笑い声が広がる。
騒がしくて、甘くて、温かい――そんな夜の「締めくくり」だった。
~ゲーム28回目 終了~
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