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第2章 体育祭の思い出作り
第35話「ふたりだけの記念日」
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休日の午前。駅前で待ち合わせをすると、すぐに真白の姿が目に入った。
白いワンピースにカーディガンを羽織り、髪をゆるく結んでいる。普段の制服姿とは違う雰囲気に、思わず見惚れてしまう。
「お待たせ、蒼真君」
軽やかに駆け寄ってくる真白。その仕草だけで胸が高鳴った。
今日の目的は、学園祭の準備に必要な備品の買い出し。
けれど二人きりで街を歩くと、それはもう“買い物”というより“デート”のようにしか思えなかった。
「ねえ、こっちの方が可愛いと思わない?」
真白は雑貨店で色とりどりの小物を手に取って、俺に向けて差し出す。
「真白が持つなら、どれでも可愛く見えると思うけど」
口にした瞬間、真白の耳まで真っ赤になった。
「も、もう……そういうこと急に言うのやめてよ……」
拗ねるように視線を逸らす仕草が、また愛しくて仕方ない。
昼近くになり、二人でフードコートに腰掛ける。
トレーに並んだハンバーガーとポテト。真白は何気なくポテトを摘んで――俺の口元に差し出してきた。
「はい、あーん」
「……えっ」
「ダメ? 彼氏にはするものだって、聞いたことあるから」
悪戯っぽい笑顔で言われ、断れるはずもなく。
口を開けてポテトを受け取ると、真白は嬉しそうに微笑んだ。
「ほら、次は私の番」
そう言って小さく口を開ける真白。
俺もポテトを摘んで差し出すと、彼女はぱくりと食べて――幸せそうに目を細めた。
買い出しを終えて駅へ戻る道すがら。
袋を両手に提げながら、俺はそっと真白の指に触れた。
彼女は一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに指を絡め返してくれる。
「……ね、こういうのって」
「うん?」
「すごく恋人っぽいね」
赤くなった頬を見ながら、俺も思わず笑ってしまう。
買い出しの一日が、こんなに甘く感じられるなんて――転生前の俺には想像もできなかった。
◇◇◇
買い出しを終えて駅前に戻った頃には、太陽は傾き始めていた。
紙袋を手に提げた真白は、少し疲れた様子を見せながらも、幸せそうな微笑みを浮かべている。
「今日はありがとう、蒼真君。すごく楽しかった」
「俺もだよ。買い出しのはずなのに……なんかデートみたいだったな」
その言葉に、真白は嬉しそうに目を細める。
「……ねぇ」
「ん?」
「今日のこと、ふたりの“記念日”にしない?」
小さな声で囁くように言う真白。
心臓が跳ねた。
駅前の人混みの中で、ふと時間が止まったように感じる。
俺は手に提げていた袋を片方に寄せ、空いた手を真白に差し出した。
「じゃあ、記念日らしく……これからもずっと一緒に歩けるように」
指先が触れ、やがてぎゅっと重なる。
真白の頬はりんごのように赤く染まり、目を潤ませながら笑った。
「……うん。ずっと、ね」
家までの道のりを、俺たちは手をつないだまま歩いた。
夕暮れに染まる街並みも、通り過ぎる人の声も、すべてが温かい。
(――やっと掴んだんだ。俺が転生前に何度も願った、かけがえのない時間を)
心の奥底からあふれる喜びを抱きしめながら、俺は隣を歩く真白の横顔を見つめ続けた。
~第2部 完~
白いワンピースにカーディガンを羽織り、髪をゆるく結んでいる。普段の制服姿とは違う雰囲気に、思わず見惚れてしまう。
「お待たせ、蒼真君」
軽やかに駆け寄ってくる真白。その仕草だけで胸が高鳴った。
今日の目的は、学園祭の準備に必要な備品の買い出し。
けれど二人きりで街を歩くと、それはもう“買い物”というより“デート”のようにしか思えなかった。
「ねえ、こっちの方が可愛いと思わない?」
真白は雑貨店で色とりどりの小物を手に取って、俺に向けて差し出す。
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口にした瞬間、真白の耳まで真っ赤になった。
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拗ねるように視線を逸らす仕草が、また愛しくて仕方ない。
昼近くになり、二人でフードコートに腰掛ける。
トレーに並んだハンバーガーとポテト。真白は何気なくポテトを摘んで――俺の口元に差し出してきた。
「はい、あーん」
「……えっ」
「ダメ? 彼氏にはするものだって、聞いたことあるから」
悪戯っぽい笑顔で言われ、断れるはずもなく。
口を開けてポテトを受け取ると、真白は嬉しそうに微笑んだ。
「ほら、次は私の番」
そう言って小さく口を開ける真白。
俺もポテトを摘んで差し出すと、彼女はぱくりと食べて――幸せそうに目を細めた。
買い出しを終えて駅へ戻る道すがら。
袋を両手に提げながら、俺はそっと真白の指に触れた。
彼女は一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに指を絡め返してくれる。
「……ね、こういうのって」
「うん?」
「すごく恋人っぽいね」
赤くなった頬を見ながら、俺も思わず笑ってしまう。
買い出しの一日が、こんなに甘く感じられるなんて――転生前の俺には想像もできなかった。
◇◇◇
買い出しを終えて駅前に戻った頃には、太陽は傾き始めていた。
紙袋を手に提げた真白は、少し疲れた様子を見せながらも、幸せそうな微笑みを浮かべている。
「今日はありがとう、蒼真君。すごく楽しかった」
「俺もだよ。買い出しのはずなのに……なんかデートみたいだったな」
その言葉に、真白は嬉しそうに目を細める。
「……ねぇ」
「ん?」
「今日のこと、ふたりの“記念日”にしない?」
小さな声で囁くように言う真白。
心臓が跳ねた。
駅前の人混みの中で、ふと時間が止まったように感じる。
俺は手に提げていた袋を片方に寄せ、空いた手を真白に差し出した。
「じゃあ、記念日らしく……これからもずっと一緒に歩けるように」
指先が触れ、やがてぎゅっと重なる。
真白の頬はりんごのように赤く染まり、目を潤ませながら笑った。
「……うん。ずっと、ね」
家までの道のりを、俺たちは手をつないだまま歩いた。
夕暮れに染まる街並みも、通り過ぎる人の声も、すべてが温かい。
(――やっと掴んだんだ。俺が転生前に何度も願った、かけがえのない時間を)
心の奥底からあふれる喜びを抱きしめながら、俺は隣を歩く真白の横顔を見つめ続けた。
~第2部 完~
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