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第4部 クリスマスとお正月
第45話「クリスマス当日デート」
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白い吐息が舞う。
待ち合わせ場所の駅前広場には、クリスマスの飾りつけが施され、昼間だというのに色とりどりのイルミネーションが瞬いていた。
街を行き交う人々は楽しげで、笑い声と鈴の音が混ざり合っている。
(……落ち着け。けど、無理だな)
ポケットに両手を突っ込みながらも、俺の心臓は早鐘のように鳴りっぱなしだった。
ただ待っているだけなのに、こんなに緊張するのは――今日は特別だからだ。
恋人として迎える初めてのクリスマス。
その事実が、俺を自然と浮き足立たせていた。
不意に名前を呼ぶ声が背後から聞こえる。
「蒼真君!」
振り返った瞬間、思わず息を呑んだ。
そこには真白が立っていた。
白いコートに赤いマフラー。
普段のストレートな黒髪は今日は軽く巻かれていて、ほんの少し大人びて見える。
雪のように白い肌と澄んだ瞳が、イルミネーションに照らされて輝いていた。
「……待たせちゃった?」
不安そうに首をかしげる仕草に、胸が強く締めつけられる。
「いや、俺が早く来すぎただけだよ」
自然と笑みがこぼれる。
「真白……すごく似合ってる。綺麗だ」
「っ……そ、そうかな」
頬を赤く染め、マフラーで口元を隠す真白。
その照れた姿が、イルミネーションの輝きよりも眩しかった。
俺たちは並んで歩き出す。
肩と肩が触れ合うたびに、胸の奥がじんわりと温かくなった。
通りを歩けば、街路樹に巻きつけられた電飾が瞬き、ショーウィンドウには大きなサンタ人形が飾られていた。
漂う甘い香りに誘われて、俺たちは屋台へと足を向ける。
「ねえ蒼真君、見て。クレープだって」
「どれにする?」
「うーん……やっぱり苺のクリームかな」
小さな包みを受け取った真白は、もじもじとしながら一口かじった。
「……おいしい」
頬を緩め、幸せそうに笑う。
その顔を見ているだけで、俺も胸が満たされていく。
「ちょっとついてるぞ」
思わず指先で拭おうとした瞬間、真白は慌てて顔を逸らした。
「だ、だめだよ……恥ずかしいから!」
耳まで真っ赤になりながらも、マフラーの奥からこぼれる笑顔は、何よりも甘かった。
その後、ショッピングモールで雑貨やアクセサリーを見て回る。
真白は小物を手に取りながら、ちらちらと俺の方をうかがっていた。
(……プレゼント探してるんだな)
ポケットに忍ばせてある小箱を意識しつつ、俺はその姿を微笑ましく見守る。
夕方になり、広場の中心にそびえる巨大なクリスマスツリーの前へ。
陽が落ち、灯りが一斉に点灯する瞬間、街全体が輝きに包まれた。
「わぁ……きれい……」
真白の目が、星空のように輝いている。
夕暮れが近づくにつれて、街はますます輝きを増していった。
街路樹の電飾が一斉に点灯し、きらめく光のトンネルが道を覆う。
「わぁ……すごい……!」
真白の瞳が、イルミネーションを映して星空のように瞬いていた。
頬を赤らめ、子どものように両手を胸の前で握りしめる姿に、俺は思わず笑みをこぼす。
「写真、撮ろうか?」
「う、うん!」
スマホを構え、光の中で微笑む真白を撮る。
シャッター音が響いた瞬間、画面には、幻想的な光に包まれた彼女が映し出された。
あまりにも綺麗で、胸が熱くなる。
「ほら、見て。蒼真君も一緒に」
真白は自撮りモードに切り替え、俺の隣にぴたりと寄ってくる。
肩が触れる距離。甘い香りがふわりと漂う。
シャッターが切れるたびに、心臓の鼓動が速くなった。
「ふふ、いい思い出になったね」
「ああ……一生残るな」
屋台の灯りに誘われ、俺たちはホットチョコレートを手にした。
冷えた指先が温かさを取り戻し、吐息から白い湯気が立ちのぼる。
「ねぇ蒼真君、これ半分こしよ」
真白が差し出してきたのは、焼きたてのシナモンアップルパイ。
「いいのか?」
「うん……クリスマスだから」
俺が一口かじると、甘酸っぱい味が広がった。
その直後、真白も同じ場所に小さく口をつける。
無意識に視線が合い、二人同時に顔を赤らめた。
人混みを抜け、ショッピングモールへと入る。
中はツリーやリースで飾り立てられ、クリスマスソングが軽快に流れていた。
「うわぁ……どれも可愛い……」
雑貨店の棚を前に、真白は小物を手に取り、目を輝かせる。
しかし、すぐにちらりと俺を見て――小さく首を振り、また棚へ戻す。
(……迷ってるな。俺へのプレゼント、探してるんだろう)
俺もポケットに忍ばせた小箱を意識しながら、彼女の様子を見守った。
タイミングを計る心臓の鼓動が、どうしようもなく早くなる。
「蒼真君は、こういうの好き?」
「俺? ……そうだな。真白が選んでくれたら、なんでも嬉しい」
「っ……! も、もう……そういうの、反則だよ」
俯きながらも、真白の頬はほんのり赤く染まっていた。
買い物袋を手にした俺たちは、再び街へ戻る。
外はすっかり夜になり、ツリーの光が雪のように降り注いでいた。
「綺麗だね……蒼真君」
「ああ。真白と一緒に見ると、もっとな」
そう口にすると、真白は俯きながら小さく笑った。
彼女が両手で抱える小さな袋が、胸の前でぎゅっと揺れる。
その仕草が愛おしくて、俺の心臓はますます高鳴った。
(プレゼント……渡すなら、このタイミングしかないか)
そう決意した矢先――
ツリーの反対側、雑踏の少し外れた場所。
そこに立っていたのは、同じクラスの白石紗和だった。
彼女は手にした紙袋を抱きしめたまま、ふとこちらに視線を向ける。
煌めくイルミネーションに照らされ、蒼真と真白が並んで笑っている姿がはっきりと目に映った。
「……そっか」
吐息のような声が、夜気に紛れる。
視線を逸らすことはできなかった。
けれど、表情は静かだ。寂しさと、どこか安堵が入り混じったような複雑な笑みを浮かべていた。
やがて紗和は小さく首を振り、踵を返す。
人混みに紛れていく背中は、誰にも気づかれることなく闇に溶け込んでいった。
一方の俺と真白は、そんな気配に気づくことなく――
クリスマスの光に包まれながら、互いに手を温め合っていた。
待ち合わせ場所の駅前広場には、クリスマスの飾りつけが施され、昼間だというのに色とりどりのイルミネーションが瞬いていた。
街を行き交う人々は楽しげで、笑い声と鈴の音が混ざり合っている。
(……落ち着け。けど、無理だな)
ポケットに両手を突っ込みながらも、俺の心臓は早鐘のように鳴りっぱなしだった。
ただ待っているだけなのに、こんなに緊張するのは――今日は特別だからだ。
恋人として迎える初めてのクリスマス。
その事実が、俺を自然と浮き足立たせていた。
不意に名前を呼ぶ声が背後から聞こえる。
「蒼真君!」
振り返った瞬間、思わず息を呑んだ。
そこには真白が立っていた。
白いコートに赤いマフラー。
普段のストレートな黒髪は今日は軽く巻かれていて、ほんの少し大人びて見える。
雪のように白い肌と澄んだ瞳が、イルミネーションに照らされて輝いていた。
「……待たせちゃった?」
不安そうに首をかしげる仕草に、胸が強く締めつけられる。
「いや、俺が早く来すぎただけだよ」
自然と笑みがこぼれる。
「真白……すごく似合ってる。綺麗だ」
「っ……そ、そうかな」
頬を赤く染め、マフラーで口元を隠す真白。
その照れた姿が、イルミネーションの輝きよりも眩しかった。
俺たちは並んで歩き出す。
肩と肩が触れ合うたびに、胸の奥がじんわりと温かくなった。
通りを歩けば、街路樹に巻きつけられた電飾が瞬き、ショーウィンドウには大きなサンタ人形が飾られていた。
漂う甘い香りに誘われて、俺たちは屋台へと足を向ける。
「ねえ蒼真君、見て。クレープだって」
「どれにする?」
「うーん……やっぱり苺のクリームかな」
小さな包みを受け取った真白は、もじもじとしながら一口かじった。
「……おいしい」
頬を緩め、幸せそうに笑う。
その顔を見ているだけで、俺も胸が満たされていく。
「ちょっとついてるぞ」
思わず指先で拭おうとした瞬間、真白は慌てて顔を逸らした。
「だ、だめだよ……恥ずかしいから!」
耳まで真っ赤になりながらも、マフラーの奥からこぼれる笑顔は、何よりも甘かった。
その後、ショッピングモールで雑貨やアクセサリーを見て回る。
真白は小物を手に取りながら、ちらちらと俺の方をうかがっていた。
(……プレゼント探してるんだな)
ポケットに忍ばせてある小箱を意識しつつ、俺はその姿を微笑ましく見守る。
夕方になり、広場の中心にそびえる巨大なクリスマスツリーの前へ。
陽が落ち、灯りが一斉に点灯する瞬間、街全体が輝きに包まれた。
「わぁ……きれい……」
真白の目が、星空のように輝いている。
夕暮れが近づくにつれて、街はますます輝きを増していった。
街路樹の電飾が一斉に点灯し、きらめく光のトンネルが道を覆う。
「わぁ……すごい……!」
真白の瞳が、イルミネーションを映して星空のように瞬いていた。
頬を赤らめ、子どものように両手を胸の前で握りしめる姿に、俺は思わず笑みをこぼす。
「写真、撮ろうか?」
「う、うん!」
スマホを構え、光の中で微笑む真白を撮る。
シャッター音が響いた瞬間、画面には、幻想的な光に包まれた彼女が映し出された。
あまりにも綺麗で、胸が熱くなる。
「ほら、見て。蒼真君も一緒に」
真白は自撮りモードに切り替え、俺の隣にぴたりと寄ってくる。
肩が触れる距離。甘い香りがふわりと漂う。
シャッターが切れるたびに、心臓の鼓動が速くなった。
「ふふ、いい思い出になったね」
「ああ……一生残るな」
屋台の灯りに誘われ、俺たちはホットチョコレートを手にした。
冷えた指先が温かさを取り戻し、吐息から白い湯気が立ちのぼる。
「ねぇ蒼真君、これ半分こしよ」
真白が差し出してきたのは、焼きたてのシナモンアップルパイ。
「いいのか?」
「うん……クリスマスだから」
俺が一口かじると、甘酸っぱい味が広がった。
その直後、真白も同じ場所に小さく口をつける。
無意識に視線が合い、二人同時に顔を赤らめた。
人混みを抜け、ショッピングモールへと入る。
中はツリーやリースで飾り立てられ、クリスマスソングが軽快に流れていた。
「うわぁ……どれも可愛い……」
雑貨店の棚を前に、真白は小物を手に取り、目を輝かせる。
しかし、すぐにちらりと俺を見て――小さく首を振り、また棚へ戻す。
(……迷ってるな。俺へのプレゼント、探してるんだろう)
俺もポケットに忍ばせた小箱を意識しながら、彼女の様子を見守った。
タイミングを計る心臓の鼓動が、どうしようもなく早くなる。
「蒼真君は、こういうの好き?」
「俺? ……そうだな。真白が選んでくれたら、なんでも嬉しい」
「っ……! も、もう……そういうの、反則だよ」
俯きながらも、真白の頬はほんのり赤く染まっていた。
買い物袋を手にした俺たちは、再び街へ戻る。
外はすっかり夜になり、ツリーの光が雪のように降り注いでいた。
「綺麗だね……蒼真君」
「ああ。真白と一緒に見ると、もっとな」
そう口にすると、真白は俯きながら小さく笑った。
彼女が両手で抱える小さな袋が、胸の前でぎゅっと揺れる。
その仕草が愛おしくて、俺の心臓はますます高鳴った。
(プレゼント……渡すなら、このタイミングしかないか)
そう決意した矢先――
ツリーの反対側、雑踏の少し外れた場所。
そこに立っていたのは、同じクラスの白石紗和だった。
彼女は手にした紙袋を抱きしめたまま、ふとこちらに視線を向ける。
煌めくイルミネーションに照らされ、蒼真と真白が並んで笑っている姿がはっきりと目に映った。
「……そっか」
吐息のような声が、夜気に紛れる。
視線を逸らすことはできなかった。
けれど、表情は静かだ。寂しさと、どこか安堵が入り混じったような複雑な笑みを浮かべていた。
やがて紗和は小さく首を振り、踵を返す。
人混みに紛れていく背中は、誰にも気づかれることなく闇に溶け込んでいった。
一方の俺と真白は、そんな気配に気づくことなく――
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