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24 事情聴取
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「アレッタに毒が盛られたというのは本当か? 詳しい経緯を説明してくれ」
駆けつけたユース達に対してルーチェはもう一度先程の話をくり返す。殿下の婚約者に毒入りクッキーを差しだしたなんてと、咎めるような視線が妖精さん達からプリーケに向く。
せっかく落ち着いてきていたプリーケは、妖精さん達の鋭い視線を受けて飛び上がった。
「わ、わわ、わたしはっ、もらったクッキーをお出ししただけなんです! 本当に毒なんて盛ってません!」
「……詳しい話は別室で聞こう。アレッタはしばらくルーチェと共にいてくれ。ルーチェ、アレッタに不用意に近づく輩は問答無用で排除していい」
「わかりました! 不肖ルーチェ、精一杯務めさせていただきますっ」
ビシッと敬礼をきめたルーチェは、さっそく側にいるジェレミーに鋭い視線を送った。ジェレミーはギョッと目を剥く。
「なんでさ、僕今回お手柄だったじゃん!? なぜにそんな親の仇を見るような視線で睨まれなきゃいけないわけ?」
「だってアンタって普段の行いが信用ならないんだもん! アレッタに眠り粉を食べさせて、その間に背中をちょっと見させてもらおうとか思ってたりしない?」
「ああ、その手があったか……って、ナイナイ! そーんな命知らずなこと、いくら気になるからって僕しませーん」
アレッタはプリーケを連行しようとする妖精達に彼女を引き渡しながら、励ましの声をかけた。
「プリーケ、私はあなたがやったとは思ってないわ。気をしっかり持って」
「うぅ、ありがとうございますアレッタ様。私、本当にやっていないんです……」
「ええ、わかってる」
プリーケが泣きながらも大人しく連れていかれるのを見送ったユースは、次にクッキーに視線を移した。
「これを作ったと思われる厨房の者を探してくれ。それとなんの毒が入っているか特定するため解析に回してほしい」
「はっ、かしこまりました!」
他の妖精達がクッキーを持って去っていく。
「もう一度確認するが、このクッキーは誰も口にしていないんだな?」
ジェレミーが両手を胸の前で横に振る。
「してないしてない。アレッタちゃんの口に入る前に僕が止めました。僕がちょっと素手で触っちゃったくらいで……あ、もしかしてヤバい? 触るのもダメな感じ?」
「ジェレミーはこの後すぐに手を洗うといい。話は今聞いた通りで、つけ加えることはなにもないか?」
ジェレミーはうーんと視線を宙に向けて考える素振りをした。
「そだねー、まあ強いて言うなら、あの不自然なくらい魔力モリモリのクッキーに気づかないのはマジでなんで? って疑問に思うくらい? アレッタちゃんは人間だから気づかないと踏んで、あの侍女がわかってて食べさせようとしたのかって思っちゃうな。まさかあんなわかりやすい毒に気づかないなんて、そーんな迂闊な妖精いないっしょ?」
ユースは話の長いジェレミーの意見を静かに聞き取ると、首肯した。
「そうか……また意見が聞きたくなったら話をしにいっていいか?」
「もちろん。犯人が殿下のアレッタちゃんになにをするつもりだったか俺も気になるしねー、なんか胸糞悪いじゃん? 進展あったらぜひ教えてよ」
ジェレミーが解放されると、その場にはアレッタ、ユース、ロイス、ルーチェが残った。
ユースは思案げに眉根を寄せる。
「一体誰がこのようなことを……こうなってくると、マイムが突然休みをとったのも気になるな。ロイス、そちらを調べてくれないか」
「はい、御用命承ります。しかし私が離れると殿下の守りが薄くなってしまいますが」
ロイスがユースに気遣うような視線を向けるが、ユースはことも無さげに首を横に振った。
「心配いらない。しばらく俺はアレッタにつきそうから、一人にはならないようにする」
「犯人の本当の狙いはアレッタ嬢ではなく、殿下の可能性もあります。くれぐれも身の回りを警戒なさってください」
「ああ、心得ている」
ロイスも去ると、ユースはアレッタの肩をそっと抱きしめた。アレッタの動揺した気持ちはユースの温かい体温が伝わることで徐々に落ち着いてきた。
「アレッタ、災難だったな」
「災難というか、本当にびっくりした……妖精界は平和だっていうユースの言葉を信じきって私もなにも警戒していなかったの、ごめんなさい」
「君が謝ることではない。だがそうだな、これからは警戒した方がいいだろう。ひとまず宮殿内に戻ろうか」
いつもよりピリピリとした雰囲気でルーチェが周りに目を光らせている。その道中、ユースはアレッタの気持ちをほぐすためかこんな話をした。
「今回はイタズラ目的で薬を盛られた可能性もあるな。妖精は本当に他者を害することはできないが、人を驚かせたいなどの目的で悪質なイタズラをすることは時々ある」
「え、そうなんだ」
「だからこそ命の危険などはなくとも、町に出る時などには王族に護衛がついている」
ユースがルーチェに視線を向けると、ルーチェはキリッと敬礼してみせた。
「はい! 殿下とアレッタの身は私が守りますよっ!」
「そうだな、頼りにしている。しばらくはアレッタは宮殿内であっても護衛と共に行動するようにしてくれ。もう一人専属の護衛をつけるから、アレッタも後で顔あわせをしてほしい」
「わかったわ」
アレッタの部屋がある区域まで来ると、ロイスが足早に駆けつけてきた。
「殿下、マイム嬢の行方がわかりました。呼び戻しますか?」
「ああ、問題ないか?」
「特にありません」
「ではそうしてくれ。彼女は信頼できる、アレッタの側に控えていてくれるなら心強い」
ユースはアレッタを一度抱きしめるとすぐに体を離した。
「アレッタは部屋で休んでいてくれ。この事件は俺が預かろう。ロイス、来てくれ」
「はい」
そう言い残すとユースはロイスを伴い颯爽と去ってしまった。
ユースが来てくれて助かったわ。けれど本当に一体誰がこんなことをしたのかな……
ユースの背中をなんとなく不安な気持ちで見送ったアレッタ。ルーチェは遠慮がちに声をかけてきた。
「とりあえず部屋に戻っちゃう?」
「そうだね。結局お茶を飲みそびれてしまったから、私淹れてみようかな」
「いいね! 私もアレッタの淹れたお茶飲んでみたい!」
その日はお茶を試行錯誤しながら淹れたり、新しい護衛と顔あわせをしているうちに時間が過ぎた。
新しい護衛の人は飄々とした若い男の子の花妖精だった。ルーチェによるとこう見えてすごく頼りになるらしい。
ルーチェが時々廊下の護衛をもう一人に任せて部屋に乱入してきてはアレッタを構ってくれるので、不安な気持ちも少しずつ薄れてきた。
あまり心配ばかりしていてもしょうがないし、事件のことはユースに任せて私は一人にならないように気をつけて、あとはいつも通りに過ごした方がいいよね。
気をとりなおしたアレッタは、夕食の時間に迎えにきてくれたユースに礼を言って食事のための部屋に向かう。
夕ご飯の時に、アレッタはいつもの食事との微妙な違いに気づいた。
ご飯が冷めてる……誰か毒味したんだわ。
ユースがなんでもないように努めて食事をしているので、アレッタも気づかないフリをしようとがんばった。
嘘のつけないアレッタの表情はきっとこわばっていただろうけど、ただでさえ事件の後なので特にユースにはその様子をつっこまれずにすんだ。
「ねえ、あれからなにかわかったの?」
事件の進展があったかどうかユースに聞いてみた。ユースはアレッタを怖がらせるのでは……と話すのをためらったが、頼みこむと渋々ながらも教えてくれた。
「……やはりクッキーには毒が盛られていた。痺れ毒と眠り粉だ」
痺れ毒と眠り粉……この前キノコの胞子屋さんでみた毒だわ。
「それって、食べると体が動かなくなって眠りこんでしまうの?」
「そうだな。クッキーを数枚食べれば、数時間眠り続ける程度の量が練りこまれていた。先程言ったようなちょっと驚かせようといった軽い気持ちではなく、なにか目的があって用意された線が濃厚になってきたな」
ユースはいつになく真剣な表情でアレッタに念を押した。
「アレッタはここで食べる食事と護衛に確認してもらったもの以外には、手をつけないようにしてくれ」
「わかった、気をつけるね」
「クッキーを作ったという厨房の者はまだ特定できていない。プリーケはかなり動揺していて、厨房の者の顔もろくに覚えていないらしい。背が高い茶色い髪の男妖精だったそうだから、土妖精の可能性は高いが」
アレッタは最後に会った時のプリーケの様子を思いだす。あんなに怯えてかわいそうだったな。怖い目にあっていないといいけれど。
「そうなんだ……私はプリーケが犯人の可能性はないと思っているよ。だってあんなに本気で動揺していたし、今までも不器用ながらも侍女の仕事をがんばってくれていたんだもの」
「そうだな、俺もそう思うがもう少し調べてから結論を出すことになる。それとマイムだが、明日にはまたアレッタの専属侍女として復帰できる手筈となった」
マイムが帰ってくると聞いて、アレッタは顔を綻ばせた。
「わあ、よかった! マイムは結局、なんでお休みをとっていたかわかったの?」
「それについては情報が入り乱れているので、明日の朝本人から話を聞く予定にしている。申し訳ないが、朝はマイムを借りるぞ」
「全然いいよ、午後からは会えるのね?」
「ああ」
事件はまだ解決していないしプリーケのことは心配だが、マイムにまた会えるのは素直に嬉しいアレッタだった。
駆けつけたユース達に対してルーチェはもう一度先程の話をくり返す。殿下の婚約者に毒入りクッキーを差しだしたなんてと、咎めるような視線が妖精さん達からプリーケに向く。
せっかく落ち着いてきていたプリーケは、妖精さん達の鋭い視線を受けて飛び上がった。
「わ、わわ、わたしはっ、もらったクッキーをお出ししただけなんです! 本当に毒なんて盛ってません!」
「……詳しい話は別室で聞こう。アレッタはしばらくルーチェと共にいてくれ。ルーチェ、アレッタに不用意に近づく輩は問答無用で排除していい」
「わかりました! 不肖ルーチェ、精一杯務めさせていただきますっ」
ビシッと敬礼をきめたルーチェは、さっそく側にいるジェレミーに鋭い視線を送った。ジェレミーはギョッと目を剥く。
「なんでさ、僕今回お手柄だったじゃん!? なぜにそんな親の仇を見るような視線で睨まれなきゃいけないわけ?」
「だってアンタって普段の行いが信用ならないんだもん! アレッタに眠り粉を食べさせて、その間に背中をちょっと見させてもらおうとか思ってたりしない?」
「ああ、その手があったか……って、ナイナイ! そーんな命知らずなこと、いくら気になるからって僕しませーん」
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「プリーケ、私はあなたがやったとは思ってないわ。気をしっかり持って」
「うぅ、ありがとうございますアレッタ様。私、本当にやっていないんです……」
「ええ、わかってる」
プリーケが泣きながらも大人しく連れていかれるのを見送ったユースは、次にクッキーに視線を移した。
「これを作ったと思われる厨房の者を探してくれ。それとなんの毒が入っているか特定するため解析に回してほしい」
「はっ、かしこまりました!」
他の妖精達がクッキーを持って去っていく。
「もう一度確認するが、このクッキーは誰も口にしていないんだな?」
ジェレミーが両手を胸の前で横に振る。
「してないしてない。アレッタちゃんの口に入る前に僕が止めました。僕がちょっと素手で触っちゃったくらいで……あ、もしかしてヤバい? 触るのもダメな感じ?」
「ジェレミーはこの後すぐに手を洗うといい。話は今聞いた通りで、つけ加えることはなにもないか?」
ジェレミーはうーんと視線を宙に向けて考える素振りをした。
「そだねー、まあ強いて言うなら、あの不自然なくらい魔力モリモリのクッキーに気づかないのはマジでなんで? って疑問に思うくらい? アレッタちゃんは人間だから気づかないと踏んで、あの侍女がわかってて食べさせようとしたのかって思っちゃうな。まさかあんなわかりやすい毒に気づかないなんて、そーんな迂闊な妖精いないっしょ?」
ユースは話の長いジェレミーの意見を静かに聞き取ると、首肯した。
「そうか……また意見が聞きたくなったら話をしにいっていいか?」
「もちろん。犯人が殿下のアレッタちゃんになにをするつもりだったか俺も気になるしねー、なんか胸糞悪いじゃん? 進展あったらぜひ教えてよ」
ジェレミーが解放されると、その場にはアレッタ、ユース、ロイス、ルーチェが残った。
ユースは思案げに眉根を寄せる。
「一体誰がこのようなことを……こうなってくると、マイムが突然休みをとったのも気になるな。ロイス、そちらを調べてくれないか」
「はい、御用命承ります。しかし私が離れると殿下の守りが薄くなってしまいますが」
ロイスがユースに気遣うような視線を向けるが、ユースはことも無さげに首を横に振った。
「心配いらない。しばらく俺はアレッタにつきそうから、一人にはならないようにする」
「犯人の本当の狙いはアレッタ嬢ではなく、殿下の可能性もあります。くれぐれも身の回りを警戒なさってください」
「ああ、心得ている」
ロイスも去ると、ユースはアレッタの肩をそっと抱きしめた。アレッタの動揺した気持ちはユースの温かい体温が伝わることで徐々に落ち着いてきた。
「アレッタ、災難だったな」
「災難というか、本当にびっくりした……妖精界は平和だっていうユースの言葉を信じきって私もなにも警戒していなかったの、ごめんなさい」
「君が謝ることではない。だがそうだな、これからは警戒した方がいいだろう。ひとまず宮殿内に戻ろうか」
いつもよりピリピリとした雰囲気でルーチェが周りに目を光らせている。その道中、ユースはアレッタの気持ちをほぐすためかこんな話をした。
「今回はイタズラ目的で薬を盛られた可能性もあるな。妖精は本当に他者を害することはできないが、人を驚かせたいなどの目的で悪質なイタズラをすることは時々ある」
「え、そうなんだ」
「だからこそ命の危険などはなくとも、町に出る時などには王族に護衛がついている」
ユースがルーチェに視線を向けると、ルーチェはキリッと敬礼してみせた。
「はい! 殿下とアレッタの身は私が守りますよっ!」
「そうだな、頼りにしている。しばらくはアレッタは宮殿内であっても護衛と共に行動するようにしてくれ。もう一人専属の護衛をつけるから、アレッタも後で顔あわせをしてほしい」
「わかったわ」
アレッタの部屋がある区域まで来ると、ロイスが足早に駆けつけてきた。
「殿下、マイム嬢の行方がわかりました。呼び戻しますか?」
「ああ、問題ないか?」
「特にありません」
「ではそうしてくれ。彼女は信頼できる、アレッタの側に控えていてくれるなら心強い」
ユースはアレッタを一度抱きしめるとすぐに体を離した。
「アレッタは部屋で休んでいてくれ。この事件は俺が預かろう。ロイス、来てくれ」
「はい」
そう言い残すとユースはロイスを伴い颯爽と去ってしまった。
ユースが来てくれて助かったわ。けれど本当に一体誰がこんなことをしたのかな……
ユースの背中をなんとなく不安な気持ちで見送ったアレッタ。ルーチェは遠慮がちに声をかけてきた。
「とりあえず部屋に戻っちゃう?」
「そうだね。結局お茶を飲みそびれてしまったから、私淹れてみようかな」
「いいね! 私もアレッタの淹れたお茶飲んでみたい!」
その日はお茶を試行錯誤しながら淹れたり、新しい護衛と顔あわせをしているうちに時間が過ぎた。
新しい護衛の人は飄々とした若い男の子の花妖精だった。ルーチェによるとこう見えてすごく頼りになるらしい。
ルーチェが時々廊下の護衛をもう一人に任せて部屋に乱入してきてはアレッタを構ってくれるので、不安な気持ちも少しずつ薄れてきた。
あまり心配ばかりしていてもしょうがないし、事件のことはユースに任せて私は一人にならないように気をつけて、あとはいつも通りに過ごした方がいいよね。
気をとりなおしたアレッタは、夕食の時間に迎えにきてくれたユースに礼を言って食事のための部屋に向かう。
夕ご飯の時に、アレッタはいつもの食事との微妙な違いに気づいた。
ご飯が冷めてる……誰か毒味したんだわ。
ユースがなんでもないように努めて食事をしているので、アレッタも気づかないフリをしようとがんばった。
嘘のつけないアレッタの表情はきっとこわばっていただろうけど、ただでさえ事件の後なので特にユースにはその様子をつっこまれずにすんだ。
「ねえ、あれからなにかわかったの?」
事件の進展があったかどうかユースに聞いてみた。ユースはアレッタを怖がらせるのでは……と話すのをためらったが、頼みこむと渋々ながらも教えてくれた。
「……やはりクッキーには毒が盛られていた。痺れ毒と眠り粉だ」
痺れ毒と眠り粉……この前キノコの胞子屋さんでみた毒だわ。
「それって、食べると体が動かなくなって眠りこんでしまうの?」
「そうだな。クッキーを数枚食べれば、数時間眠り続ける程度の量が練りこまれていた。先程言ったようなちょっと驚かせようといった軽い気持ちではなく、なにか目的があって用意された線が濃厚になってきたな」
ユースはいつになく真剣な表情でアレッタに念を押した。
「アレッタはここで食べる食事と護衛に確認してもらったもの以外には、手をつけないようにしてくれ」
「わかった、気をつけるね」
「クッキーを作ったという厨房の者はまだ特定できていない。プリーケはかなり動揺していて、厨房の者の顔もろくに覚えていないらしい。背が高い茶色い髪の男妖精だったそうだから、土妖精の可能性は高いが」
アレッタは最後に会った時のプリーケの様子を思いだす。あんなに怯えてかわいそうだったな。怖い目にあっていないといいけれど。
「そうなんだ……私はプリーケが犯人の可能性はないと思っているよ。だってあんなに本気で動揺していたし、今までも不器用ながらも侍女の仕事をがんばってくれていたんだもの」
「そうだな、俺もそう思うがもう少し調べてから結論を出すことになる。それとマイムだが、明日にはまたアレッタの専属侍女として復帰できる手筈となった」
マイムが帰ってくると聞いて、アレッタは顔を綻ばせた。
「わあ、よかった! マイムは結局、なんでお休みをとっていたかわかったの?」
「それについては情報が入り乱れているので、明日の朝本人から話を聞く予定にしている。申し訳ないが、朝はマイムを借りるぞ」
「全然いいよ、午後からは会えるのね?」
「ああ」
事件はまだ解決していないしプリーケのことは心配だが、マイムにまた会えるのは素直に嬉しいアレッタだった。
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