25 / 41
25 マイムとの再会
しおりを挟む
次の日、午前中いっぱいをそわそわとした気分で過ごしたアレッタ。
午後になってひょっこりマイムが顔を出すと、部屋の入り口まで駆けつけて出迎えた。
「マイム、久しぶりね! 元気だった?」
「アレッタ様! 私は元気でしたよ。あの、でもなにか私に対して怒ってらっしゃったりとか、本当にしないんですか?」
はにかみ笑いを見せながらもおどおどとアレッタをうかがうマイムに、アレッタは首を傾げた。
「えっ、どうして?」
「あの、私はアレッタ様に嫌がられたので別の仕事に回されることになったって聞いて、今までタチアナ様のところに戻されて働いていたんです。でも先ほど殿下に聞いた話だと、どうやら私はお休みをとっていたことになっていたようでして」
お互いに顔を見あわせて仲良く首を傾げるアレッタとマイム。そこに部屋の外からルーチェが顔を出した。
「なんかおかしな話になってるね? 気になるから私も混ぜて! ねえ、ちょっと抜けていい?」
「いいけど、後で俺にも教えてよ?」
「おっけ~」
ルーチェはもう一人の護衛に声をかけて、部屋の中に入ってきた。
「で、どういうこと? よく聞こえなかったからもっかい頭からよろしく」
ルーチェに水を向けられたマイムは話をしはじめた。
「あの日の朝、メイド長から今日はタチアナ様のところに行くように言われまして。その、アレッタ様が私のことを気に入らないので、メイドを替えたいと……そうおっしゃっているとのことで……」
「ええっ!? そんなわけないじゃん! アレッタはずっと、マイムはまだ帰ってこないのかな、寂しいな、お休みいつまでかなって気にしてたのに!」
「そうなんですか?」
「う、うん……」
あまりにも赤裸々にルーチェが心境を語ってしまって気恥ずかしかったが、その通りなので小さな声で肯定した。
マイムはホッと安堵のため息をついた。
「よかった、じゃあアレッタ様は私を嫌いになったわけじゃなかったんですね」
「そんなわけない! またマイムに会えて嬉しいよ、これからも一緒にいてくれる?」
「はい! 私のほうこそよろしくお願いします」
仲良く手を繋ぐ主従に、ルーチェも一緒になって喜ぶ。
「そっか、誤解が解けてよかったねアレッタ、マイム! でもだとすると、なんでメイド長はそんな指示を出したんだろう?」
真面目な顔に戻ったマイムは、居住まいを正して話を続ける。
「そう思われた殿下は、私との面談中にメイド長を呼びだしたんです。するとメイド長は、その時はマイムを移動させるように指示を受けて、それを疑問にも思わずに指示通りにしてしまったって言うんです」
「え? メイド長に指示できるのって、殿下とかロイス様とか偉い人だけじゃんね?」
ルーチェが疑問に思ったことを尋ねる。マイムはうーんと悩むそぶりを見せた。
「それが殿下でもロイス様でも上司でもない、上背のある茶髪の妖精に指示を受けたらしいんです」
マイムはそっと声を潜める。
「どうやらメイド長は幻惑の粉を使われたらしく、その時の記憶が曖昧で顔もよく思い出せないそうなのですが……しかも殿下に問われるまで、その出来事を疑問にも思わなかったそうです」
上背のある茶髪の妖精? プリーケの言っていた背の高い茶色い髪の男妖精と一緒だわ。
だとすると同じ人物がメイド長と私の両方に毒を盛ったということなのかな。
「マ? メイド長もなんか盛られてたの? ヤバくない?」
マイムはゴクリと唾を飲みこみ深く頷いた。
「ヤバいですよ。ヤバヤバです。妖精界きっての大事件ですこれは」
「だよね? ひゃーっこんなヤバい話、人間界の噂話でしか聞いたことないよ! どういうことなの!?」
ルーチェが興奮して手足をバタバタさせている。そんなルーチェを気にしながらもマイムは話を続ける。
「今、茶色髪の背の高い妖精は順番に呼びだされて事情聴取を受けているそうです。あの、ルーチェさん……これ、ソルさんも呼ばれますよね?」
ピタリとルーチェの動きが止まる。ぐりんとマイムに振り向いたルーチェは、先ほどと同じ言葉をより深刻な響きで繰り返した。
「どういうことなの!? なんでソルまで!?」
「だってソルさんもメイド長の言っていた犯人像に当てはまっちゃうじゃないですか。茶色髪の背の高い妖精さんってあんまり花と水の国の王都に住んでないですし。王宮に出入りできる人だとほんの数人しかいないです」
「だからってソルがそんなことするわけないじゃない!」
ムキになるルーチェにマイムはたじろぐ。
「わ、私はわかってますよ、ソルさんがそんなことしない人だって!」
アレッタも胸元でギュッと手を握りしめながらソルを弁護する。
「そうね。ソルが私になにか仕掛けたいなら、ほかにできるタイミングはたくさんあったはずだもの。ユースだって元護衛だったソルの人柄を知っているはずだから、そんなに心配することはないはずだよ」
アレッタもなだめると、ルーチェはやっと落ち着いたようで肩の力を抜いた。
「そ、そうだよね。心配することないよね。ソルがそんなことするわけないし。もー、マイムってば驚かさないでよ」
「ルーチェさんが勝手に驚いたんじゃないですか。どちらかというと私の方が驚かされちゃいましたよ?」
二人ともびっくりしたせいか毛が逆立ったネコみたいな状態になっているところを、アレッタが仲裁する。
「まあまあ、ルーチェもマイムも落ち着いて。そうだマイム、せっかく帰ってきてくれたんだしまた美味しいお茶をお願いしてもいいかな?」
「はい、アレッタ様。喜んで」
マイムはアレッタの申し出が嬉しかったようで花が咲くような笑顔をみせた。ルーチェはパッと扉の方を振り向く。
「あ、いっけない。そろそろ持ち場に戻らなきゃ。じゃーね、アレッタ、マイム。もしなんかあったら呼んでね!」
「わかりました」
マイムの返事と共にパタリと扉が閉められる。お茶を淹れてくれたマイムといろいろ積もる話をしながらその日は過ごした。
「それにしてもマイムがタチアナ様のところにいたなんて、全然気づかなかったよ」
「タチアナ様の住むところは宮殿の裏の方ですしね。宮殿内も広いので内向きの仕事をしていたら全然会わなかったですね」
「そっか。確かにあのダリアの花畑もちょっと遠かったしね。ところでマイムはプリーケを知ってた?」
「いいえ、私王宮に勤めて長いですけど、聞いたことのない名前なんです。その方はすごくうっかりさんで、それでアレッタ様にうっかり毒入りクッキー持っていったって聞いたのですが大丈夫でしたか?」
「私は平気だよ、ジェレミーが止めてくれたの」
話をしているうちにすぐにディナーの時間になったので、ルーチェと共に晩餐室まで移動した。
午後になってひょっこりマイムが顔を出すと、部屋の入り口まで駆けつけて出迎えた。
「マイム、久しぶりね! 元気だった?」
「アレッタ様! 私は元気でしたよ。あの、でもなにか私に対して怒ってらっしゃったりとか、本当にしないんですか?」
はにかみ笑いを見せながらもおどおどとアレッタをうかがうマイムに、アレッタは首を傾げた。
「えっ、どうして?」
「あの、私はアレッタ様に嫌がられたので別の仕事に回されることになったって聞いて、今までタチアナ様のところに戻されて働いていたんです。でも先ほど殿下に聞いた話だと、どうやら私はお休みをとっていたことになっていたようでして」
お互いに顔を見あわせて仲良く首を傾げるアレッタとマイム。そこに部屋の外からルーチェが顔を出した。
「なんかおかしな話になってるね? 気になるから私も混ぜて! ねえ、ちょっと抜けていい?」
「いいけど、後で俺にも教えてよ?」
「おっけ~」
ルーチェはもう一人の護衛に声をかけて、部屋の中に入ってきた。
「で、どういうこと? よく聞こえなかったからもっかい頭からよろしく」
ルーチェに水を向けられたマイムは話をしはじめた。
「あの日の朝、メイド長から今日はタチアナ様のところに行くように言われまして。その、アレッタ様が私のことを気に入らないので、メイドを替えたいと……そうおっしゃっているとのことで……」
「ええっ!? そんなわけないじゃん! アレッタはずっと、マイムはまだ帰ってこないのかな、寂しいな、お休みいつまでかなって気にしてたのに!」
「そうなんですか?」
「う、うん……」
あまりにも赤裸々にルーチェが心境を語ってしまって気恥ずかしかったが、その通りなので小さな声で肯定した。
マイムはホッと安堵のため息をついた。
「よかった、じゃあアレッタ様は私を嫌いになったわけじゃなかったんですね」
「そんなわけない! またマイムに会えて嬉しいよ、これからも一緒にいてくれる?」
「はい! 私のほうこそよろしくお願いします」
仲良く手を繋ぐ主従に、ルーチェも一緒になって喜ぶ。
「そっか、誤解が解けてよかったねアレッタ、マイム! でもだとすると、なんでメイド長はそんな指示を出したんだろう?」
真面目な顔に戻ったマイムは、居住まいを正して話を続ける。
「そう思われた殿下は、私との面談中にメイド長を呼びだしたんです。するとメイド長は、その時はマイムを移動させるように指示を受けて、それを疑問にも思わずに指示通りにしてしまったって言うんです」
「え? メイド長に指示できるのって、殿下とかロイス様とか偉い人だけじゃんね?」
ルーチェが疑問に思ったことを尋ねる。マイムはうーんと悩むそぶりを見せた。
「それが殿下でもロイス様でも上司でもない、上背のある茶髪の妖精に指示を受けたらしいんです」
マイムはそっと声を潜める。
「どうやらメイド長は幻惑の粉を使われたらしく、その時の記憶が曖昧で顔もよく思い出せないそうなのですが……しかも殿下に問われるまで、その出来事を疑問にも思わなかったそうです」
上背のある茶髪の妖精? プリーケの言っていた背の高い茶色い髪の男妖精と一緒だわ。
だとすると同じ人物がメイド長と私の両方に毒を盛ったということなのかな。
「マ? メイド長もなんか盛られてたの? ヤバくない?」
マイムはゴクリと唾を飲みこみ深く頷いた。
「ヤバいですよ。ヤバヤバです。妖精界きっての大事件ですこれは」
「だよね? ひゃーっこんなヤバい話、人間界の噂話でしか聞いたことないよ! どういうことなの!?」
ルーチェが興奮して手足をバタバタさせている。そんなルーチェを気にしながらもマイムは話を続ける。
「今、茶色髪の背の高い妖精は順番に呼びだされて事情聴取を受けているそうです。あの、ルーチェさん……これ、ソルさんも呼ばれますよね?」
ピタリとルーチェの動きが止まる。ぐりんとマイムに振り向いたルーチェは、先ほどと同じ言葉をより深刻な響きで繰り返した。
「どういうことなの!? なんでソルまで!?」
「だってソルさんもメイド長の言っていた犯人像に当てはまっちゃうじゃないですか。茶色髪の背の高い妖精さんってあんまり花と水の国の王都に住んでないですし。王宮に出入りできる人だとほんの数人しかいないです」
「だからってソルがそんなことするわけないじゃない!」
ムキになるルーチェにマイムはたじろぐ。
「わ、私はわかってますよ、ソルさんがそんなことしない人だって!」
アレッタも胸元でギュッと手を握りしめながらソルを弁護する。
「そうね。ソルが私になにか仕掛けたいなら、ほかにできるタイミングはたくさんあったはずだもの。ユースだって元護衛だったソルの人柄を知っているはずだから、そんなに心配することはないはずだよ」
アレッタもなだめると、ルーチェはやっと落ち着いたようで肩の力を抜いた。
「そ、そうだよね。心配することないよね。ソルがそんなことするわけないし。もー、マイムってば驚かさないでよ」
「ルーチェさんが勝手に驚いたんじゃないですか。どちらかというと私の方が驚かされちゃいましたよ?」
二人ともびっくりしたせいか毛が逆立ったネコみたいな状態になっているところを、アレッタが仲裁する。
「まあまあ、ルーチェもマイムも落ち着いて。そうだマイム、せっかく帰ってきてくれたんだしまた美味しいお茶をお願いしてもいいかな?」
「はい、アレッタ様。喜んで」
マイムはアレッタの申し出が嬉しかったようで花が咲くような笑顔をみせた。ルーチェはパッと扉の方を振り向く。
「あ、いっけない。そろそろ持ち場に戻らなきゃ。じゃーね、アレッタ、マイム。もしなんかあったら呼んでね!」
「わかりました」
マイムの返事と共にパタリと扉が閉められる。お茶を淹れてくれたマイムといろいろ積もる話をしながらその日は過ごした。
「それにしてもマイムがタチアナ様のところにいたなんて、全然気づかなかったよ」
「タチアナ様の住むところは宮殿の裏の方ですしね。宮殿内も広いので内向きの仕事をしていたら全然会わなかったですね」
「そっか。確かにあのダリアの花畑もちょっと遠かったしね。ところでマイムはプリーケを知ってた?」
「いいえ、私王宮に勤めて長いですけど、聞いたことのない名前なんです。その方はすごくうっかりさんで、それでアレッタ様にうっかり毒入りクッキー持っていったって聞いたのですが大丈夫でしたか?」
「私は平気だよ、ジェレミーが止めてくれたの」
話をしているうちにすぐにディナーの時間になったので、ルーチェと共に晩餐室まで移動した。
2
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる