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第38話 憧れのブランド
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新天地である『エルダーロックの村』は山間部の麓にある。
元々廃村跡地だから、一帯は整地されてなだらかであったから、そこに村を作り直す事になったのだが、井戸は汚染され、購入した山々も実は廃坑したものを表面から見える坑道を魔法で塞いだものであった。
それらを領主であるダーマス伯爵に適正価格? で買わされたドワーフ達のリーダー・ヨーゼフであったが、井戸の水問題はコウの知識でろ過装置が作られ、長期的には貯水池を作る事で解決できた。
そして、残った問題はドワーフの生命線である鉱山である。
この収益がないとエルダーロックの村民は食べていけない。
それに、税金も納めないといけないから、ヨーゼフは頭が痛い事には変わりがなかった。
だが、そんな悩みもコウが自分を信じると言ってくれた事で自信を取り戻している。
確かに『遺産の部屋』で手に入れた能力でこの山々には豊富な資源が眠っているはずなのだ。
自分の鼻がそう告げている。
だが、すでに廃坑になるほど掘り尽くされたあとである事から、考えられるのは地下の固い岩盤層を越えた下に資源が眠っているという事だろう。
その岩盤を掘り抜き、資源のある層にたどり着ければいいのだと、ヨーゼフは右腕である『太っちょイワン』に熱く語るのであった。
「あの固い岩盤層を掘り抜くのは、俺でも難しい。掘るならいい道具が必要だ」
イワンがヨーゼフに、もっともな提案した。
「……資金も厳しくなっているが、仕方ないな……。良いツルハシを揃えるなら一流ブランド店に買いに行くしかないか……」
ヨーゼフは頭の中で出費を計算して頭を悩ませる。
「そうなると他の出費を極力抑えたいな……。馬車を借りるのは止めて、(魔法収納能力持ちの)コウに手伝ってもらうか」
「コウに?」
イワンはなぜコウの名前が出てくるのかわからないようだ。
「あ……。──いや、コウは力持ちだし、これから若いドワーフの見本になる奴だから勉強も兼ねて私と二人で行くとしよう」
ヨーゼフは思わず、コウが『遺産の部屋』で得た魔法収納能力を口にしそうになって、誤魔化した。
「? まあ、いいが、本当に馬車を借りなくていいのか? ツルハシだけでなく金槌や杭なんかも必要になると思うぞ? スコップはもとからあるもので大丈夫だとは思うが……」
イワンは指で数える素振りを見せて答える。
「二人で持つから大丈夫だ。それに、私も容量は小さいが魔法収納は使えるからな。前日はお金以外は中身を空っぽに一本でも多く入るようにして行くさ」
ヨーゼフは右腕であるイワンにコウの事で内緒にしながら話すのが嫌になりそうであったが、どうにか自分を納得させるのであった。
当日、コウはヨーゼフと共に一番近くの大きな街ダーマスに向かう事にした。
つまり、この一帯を治めるダーマス伯爵の領都の事である。
道中、
「ヨーゼフさん、僕が荷物持ちなのはわかりましたけど、何を買うんですか?」
と何も知らされていないコウはこの尊敬するエルダーロックの村長に聞いた。
「あ、まだ、話していなかったか。──今日はブランド品のツルハシや金槌、杭なんかを大量購入する予定だ」
「ブランドのですか!?」
コウは思わずを声を上ずらせながら聞き返した。
ドワーフにとってブランド品のツルハシは憧れの的である。
それはドワーフの血が流れるコウも同じであり、半人前時代は、ブランド品を持っているドワーフを羨ましく思っていたものだ。
「ああ、そうだ。だが、やはりコウもドワーフだな、ブランド品のツルハシはやはり気になるか? はははっ!」
ヨーゼフは興奮気味のコウの姿が共感できるのか笑う。
「もちろんですよ! ドワーフなら、みんな一度は欲しいと思うはずです!」
「はははっ! 確かにな。コウはどこのブランドがいい?」
ヨーゼフも同じ気持ちなのか笑うと希望を聞く。
「そうですね……。『ホリエデン』のデザインと耐久性も惹かれるんですが、『ドシャボリ』の掘削率重視の作りも嫌いじゃないです。ですが、やっぱり、ドワーフの手に一番しっくりくるデザインとバランスで言うと『岩星《ロックスター》』でしょうか? 武骨なデザインですが、あれを持っているドワーフはなんだか一層カッコよく見えます!」
コウはオタク特有の早口で三大ブランドを次々に説明して、感想を言った。
「詳しいな! わははっ! コウの言う通り、各ブランド特色がある。だが今回は残念ながら、掘削相手がうちの鉱山の硬い岩盤だから、耐久性重視で『ホリエデン』にしようかと思っている」
「そんなに硬い岩盤なんですか?」
ちょっと残念そうにすると、コウは疑問を口にした。
「ああ。コウはまだ怪我明けで、うちの鉱山で掘削できていなかったな。以前のマルタの街の最深部の岩盤も固かったが、こっちの岩盤も硬すぎる。廃坑になっていたのも理解できるくらいにな。それを考えると耐久重視で時間をかけてコツコツ掘るしかないだろう」
ヨーゼフは以前の鉱山と比べての感想を漏らした。
ちなみにヨーゼフはその固い岩盤をコウが簡単に掘り抜ける事をよく知らない。
「そうなんですね……。──あ、見えてきましたよ。あれが領都ダーマスでしょうか?」
コウは岩盤について話そうとしたが、視界に領都ダーマスが見えてきたので話を変えた。
「おお、夕方前に到着できるよう急いで良かった。はぁはぁ……。うん? コウ、お前全然呼吸が乱れていないが、もしかして意外に体力もあるのか? そう言えばお前は追手の百五十人相手に戦った実績があったな。華奢だからつい忘れてしまうぞ。はははっ!」
ヨーゼフは呼吸を整えると、コウの底なしの体力に呆れて笑うのであった。
元々廃村跡地だから、一帯は整地されてなだらかであったから、そこに村を作り直す事になったのだが、井戸は汚染され、購入した山々も実は廃坑したものを表面から見える坑道を魔法で塞いだものであった。
それらを領主であるダーマス伯爵に適正価格? で買わされたドワーフ達のリーダー・ヨーゼフであったが、井戸の水問題はコウの知識でろ過装置が作られ、長期的には貯水池を作る事で解決できた。
そして、残った問題はドワーフの生命線である鉱山である。
この収益がないとエルダーロックの村民は食べていけない。
それに、税金も納めないといけないから、ヨーゼフは頭が痛い事には変わりがなかった。
だが、そんな悩みもコウが自分を信じると言ってくれた事で自信を取り戻している。
確かに『遺産の部屋』で手に入れた能力でこの山々には豊富な資源が眠っているはずなのだ。
自分の鼻がそう告げている。
だが、すでに廃坑になるほど掘り尽くされたあとである事から、考えられるのは地下の固い岩盤層を越えた下に資源が眠っているという事だろう。
その岩盤を掘り抜き、資源のある層にたどり着ければいいのだと、ヨーゼフは右腕である『太っちょイワン』に熱く語るのであった。
「あの固い岩盤層を掘り抜くのは、俺でも難しい。掘るならいい道具が必要だ」
イワンがヨーゼフに、もっともな提案した。
「……資金も厳しくなっているが、仕方ないな……。良いツルハシを揃えるなら一流ブランド店に買いに行くしかないか……」
ヨーゼフは頭の中で出費を計算して頭を悩ませる。
「そうなると他の出費を極力抑えたいな……。馬車を借りるのは止めて、(魔法収納能力持ちの)コウに手伝ってもらうか」
「コウに?」
イワンはなぜコウの名前が出てくるのかわからないようだ。
「あ……。──いや、コウは力持ちだし、これから若いドワーフの見本になる奴だから勉強も兼ねて私と二人で行くとしよう」
ヨーゼフは思わず、コウが『遺産の部屋』で得た魔法収納能力を口にしそうになって、誤魔化した。
「? まあ、いいが、本当に馬車を借りなくていいのか? ツルハシだけでなく金槌や杭なんかも必要になると思うぞ? スコップはもとからあるもので大丈夫だとは思うが……」
イワンは指で数える素振りを見せて答える。
「二人で持つから大丈夫だ。それに、私も容量は小さいが魔法収納は使えるからな。前日はお金以外は中身を空っぽに一本でも多く入るようにして行くさ」
ヨーゼフは右腕であるイワンにコウの事で内緒にしながら話すのが嫌になりそうであったが、どうにか自分を納得させるのであった。
当日、コウはヨーゼフと共に一番近くの大きな街ダーマスに向かう事にした。
つまり、この一帯を治めるダーマス伯爵の領都の事である。
道中、
「ヨーゼフさん、僕が荷物持ちなのはわかりましたけど、何を買うんですか?」
と何も知らされていないコウはこの尊敬するエルダーロックの村長に聞いた。
「あ、まだ、話していなかったか。──今日はブランド品のツルハシや金槌、杭なんかを大量購入する予定だ」
「ブランドのですか!?」
コウは思わずを声を上ずらせながら聞き返した。
ドワーフにとってブランド品のツルハシは憧れの的である。
それはドワーフの血が流れるコウも同じであり、半人前時代は、ブランド品を持っているドワーフを羨ましく思っていたものだ。
「ああ、そうだ。だが、やはりコウもドワーフだな、ブランド品のツルハシはやはり気になるか? はははっ!」
ヨーゼフは興奮気味のコウの姿が共感できるのか笑う。
「もちろんですよ! ドワーフなら、みんな一度は欲しいと思うはずです!」
「はははっ! 確かにな。コウはどこのブランドがいい?」
ヨーゼフも同じ気持ちなのか笑うと希望を聞く。
「そうですね……。『ホリエデン』のデザインと耐久性も惹かれるんですが、『ドシャボリ』の掘削率重視の作りも嫌いじゃないです。ですが、やっぱり、ドワーフの手に一番しっくりくるデザインとバランスで言うと『岩星《ロックスター》』でしょうか? 武骨なデザインですが、あれを持っているドワーフはなんだか一層カッコよく見えます!」
コウはオタク特有の早口で三大ブランドを次々に説明して、感想を言った。
「詳しいな! わははっ! コウの言う通り、各ブランド特色がある。だが今回は残念ながら、掘削相手がうちの鉱山の硬い岩盤だから、耐久性重視で『ホリエデン』にしようかと思っている」
「そんなに硬い岩盤なんですか?」
ちょっと残念そうにすると、コウは疑問を口にした。
「ああ。コウはまだ怪我明けで、うちの鉱山で掘削できていなかったな。以前のマルタの街の最深部の岩盤も固かったが、こっちの岩盤も硬すぎる。廃坑になっていたのも理解できるくらいにな。それを考えると耐久重視で時間をかけてコツコツ掘るしかないだろう」
ヨーゼフは以前の鉱山と比べての感想を漏らした。
ちなみにヨーゼフはその固い岩盤をコウが簡単に掘り抜ける事をよく知らない。
「そうなんですね……。──あ、見えてきましたよ。あれが領都ダーマスでしょうか?」
コウは岩盤について話そうとしたが、視界に領都ダーマスが見えてきたので話を変えた。
「おお、夕方前に到着できるよう急いで良かった。はぁはぁ……。うん? コウ、お前全然呼吸が乱れていないが、もしかして意外に体力もあるのか? そう言えばお前は追手の百五十人相手に戦った実績があったな。華奢だからつい忘れてしまうぞ。はははっ!」
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