聖女は2人もいらない!と聖女の地位を剥奪されました。それならば、好きにさせてもらいます。

たつき

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テレサは窓からの差し込む日の光を浴びて目を覚ます。

「いい天気」

晴れやかな天気に今日も素晴らしい1日になるだろうと期待が膨らむ。
昨夜のモヤモヤも晴れ、テレサの表情はスッキリしているように見えた。

テレサは広いキッチンで1人、食材を手際よく扱い朝食の準備をはじめた。

これだけ大きな屋敷なのに使用人は1人もいなかった。

ブレイズ家には民からの税金が支援金として毎月かなりの額が与えられる。これはこの国を守る聖女の家系を維持するためのものだ。

ただこの国の大臣も務める父親は、必要最低限のお金だけ受け取り残りは返納していた。

それもあってブレイズ家には元々使用人が少なく、今は広すぎる屋敷の清掃を定期的に依頼しているくらいしかない。

それもあってテレサの料理の腕前は手馴れたものだ。

【ジリリリ】

朝食の準備を終えた頃に呼び出しベルが鳴り響いた。

「誰かしら?」と思いながらテレサは玄関に向かう。

「テレサ様、おはようございます。ルーカス様の使いでやってきました。」

門の前には王宮からの使者が立っていました。彼は証明のために王宮の刻印が押された書状をテレサに見せた。

「ご苦労様。どのようなご用件?」

テレサは書状に書いてある事を伝えに来たのだと思い受け取ろうとしたところ、使者は「これは違います」と慌ててテレサに言う。

「テレサ様。ルーカス様よりお話がございます。いまから王宮にお越しください」

「王宮にですか?」

来客自体珍しいため何かあると思ってはいたテレサだったが、ルーカスに呼び出されるとは思ってもいなかった。

フィオナは聖女の務めの報告としてよく王宮に足を運んでいるようだが、テレサは掟のこともあり、公の場くらいでしか彼らに会う事がない。

それなのに早朝からの呼び出しに、テレサは何が起きているのか少し混乱していた。

「準備をするので少し待っててください」

テレサは準備したサンドイッチをバスケットに詰める。
そして、王宮に行くため聖女としての正装に着替えた。

「お待たせしました」

数十分後、テレサは聖女としての凛々しい出立ちで馬車へと乗り込んだ。

「どんな用件なのですか?」

馬車に揺られながら使者に尋ねる

「あ、えっと。私は何も。ただテレサ様を迎えに行くようにと仰せつかりました」

「そうですか」

テレサは王宮でどんな話があるか分からないからまずはちゃんと食べておこうと、サンドイッチを手に取る。

「食べますか?」

サンドイッチを食べていると、どことなくソワソワしている使者の姿が気になった。

使者の方も朝早くて朝食を食べていないのかと思い聞いてみる。

「い、いえ。私は大丈夫です」

「そう?何だか落ち着かないようだけど大丈夫?」

テレサは、問いかけによって更に緊張感が高まったように見える使者の様子に、少し警戒心を持った。

「何かあるの?」

テレサは諭すように優しく語りかける。

「その・・・、えっと、ファンなんです!」

「・・・ファンですか?」

「そうなんです!テレサ様は覚えていないと思いますが、昔助けられた事があるんです。すごくカッコよくて凛々しくて。年下なのにさすが聖女様は凄いなと心を打たれました。それからずっとテレサ様のファンで、騎士団に入ったのも聖女様のお力になれるかもしれないと思って。まさかこんな風にお会いできると思っていなかったので、もう頭がずっと真っ白なんです」

使者の青年が興奮した様子で、テレサに向かって息継ぎも忘れたように五月雨に言葉を発する。

青年の言葉にテレサは嬉しさのあまり頬が緩む。

お飾りの聖女とみられることもあるけれど、こうして聖女として信仰してくれる方も居るという事がいまのテレサには何よりも嬉しかった。

「申し訳ありません!つい興奮してしまい」

ふと我に返った青年がしまったといった表情を浮かべて頭を下げた。

「とんでもないわ、とても嬉しいです。聖女として国のために、皆さんのためにもっと頑張ろうと改めて思いましたわ」

テレサは使者に向かって感謝の言葉を告げた。

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