18 / 32
第2章
シリウスへの献上
「え、僕をギルドに入れてくれるんですか?もちろんです。お願いします!」
カイルは、手に持っていた食べかけの肉を落としそうになるほど驚き、二つ返事で頷きました。
「俺の命の恩人だ。あたり前だろ」
ライオットは焚き火の温もりに目を細めながら、カイルが差し出したシルキー・ラビットの肉を再び頬張る。
食事をしながら、二人は火を囲んでお互いのことを語り合った。
「そういえばカイル。お前さんの冒険者ランクとスキルレベルはどのくらいなんだ。ギルドに連れて行く前に一応な」
カイルはその問いに、ぴたりと動きを止めた。言いよどむように視線を落とし、焚き火の爆ぜる音だけが周囲に響く。
「あの、実は。ランクは無くて、スキルレベルも、0なんです」
正直に答えたカイルは、軽蔑されるのを待つように身を縮めました。だが、ライオットから返ってきたのは嘲笑ではなく、素っ頓狂な驚愕の声でした。
「はあ!ランク無しでレベル0だ。お前、それでよくあのシルキー・ラビットを仕留めたな。」
「やっぱり、レベル0じゃ入団は難しいですよね」
不安そうに顔を上げるカイルに、ライオットは豪快に笑い飛ばしました。
「何を言ってやがる。うちは変な奴らばっかだからな、万年人手不足よ。かっこよく言えば少数精鋭てとこだ。逆に今更抜けられると思うなよ?」
ライオットがそう言って笑った。
カイルの胸に、かつてない温かな安心感が広がりました。ライオットはさっそくカイルを王都のギルドへ連れて行こうと立ち上がりましたが、ふと眉間に皺を寄せ、森の奥を見つめます。
「どうしたんですか」
「いや。実は、ある魔物から取れる『結晶』を探しててな。極楽蝶っていう、実態を捉えにくい希少な蝶が抱えてる小さな結晶なんだ。それを見つけるまでは、手ぶらで帰るわけにもいかなくてよ」
その言葉を聞いた瞬間、カイルは何かを思い出したようにポンと手を打ちました。
「あ、もしかして、これですか。森について暫くした時にシリウスが拾ってきたんですけど」
カイルが懐から取り出したのは、月明かりを浴びて虹色に輝く、親指ほどの小さな結晶だった。
「っ!!」
ライオットはその場で膝から崩れ落ち、額を地面に擦りつける。
「頼む、カイル。その結晶を俺に譲ってくれないか。俺の人生がかかってるんだ」
「頭を上げてくださいよ」
カイルが困惑して譲ろうとした、その時でした。 シリウスがフンと鼻を鳴らし、カイルの前に割り込みました。そして、先ほど食べたシルキー・ラビットの骨をカイルの前に差し出しました。
「シリウスどうしたの?」
シリウスはライオットをジロリと睨み、空になった皿を前足で叩きました。
「なるほどな。任せろ得意分野だ」
ライオットはシリウスの意図を察して不敵に笑うと、槍を掴んで森の闇へと消えていった。数分後、ガサガサと茂みをかき分け戻ってきたライオットの両腕には、大量のシルキー・ラビットが抱えられていた。
「シリウスの腹ごしらえがすんだら、俺のギルドに連れてってやる!」
カイルは、手に持っていた食べかけの肉を落としそうになるほど驚き、二つ返事で頷きました。
「俺の命の恩人だ。あたり前だろ」
ライオットは焚き火の温もりに目を細めながら、カイルが差し出したシルキー・ラビットの肉を再び頬張る。
食事をしながら、二人は火を囲んでお互いのことを語り合った。
「そういえばカイル。お前さんの冒険者ランクとスキルレベルはどのくらいなんだ。ギルドに連れて行く前に一応な」
カイルはその問いに、ぴたりと動きを止めた。言いよどむように視線を落とし、焚き火の爆ぜる音だけが周囲に響く。
「あの、実は。ランクは無くて、スキルレベルも、0なんです」
正直に答えたカイルは、軽蔑されるのを待つように身を縮めました。だが、ライオットから返ってきたのは嘲笑ではなく、素っ頓狂な驚愕の声でした。
「はあ!ランク無しでレベル0だ。お前、それでよくあのシルキー・ラビットを仕留めたな。」
「やっぱり、レベル0じゃ入団は難しいですよね」
不安そうに顔を上げるカイルに、ライオットは豪快に笑い飛ばしました。
「何を言ってやがる。うちは変な奴らばっかだからな、万年人手不足よ。かっこよく言えば少数精鋭てとこだ。逆に今更抜けられると思うなよ?」
ライオットがそう言って笑った。
カイルの胸に、かつてない温かな安心感が広がりました。ライオットはさっそくカイルを王都のギルドへ連れて行こうと立ち上がりましたが、ふと眉間に皺を寄せ、森の奥を見つめます。
「どうしたんですか」
「いや。実は、ある魔物から取れる『結晶』を探しててな。極楽蝶っていう、実態を捉えにくい希少な蝶が抱えてる小さな結晶なんだ。それを見つけるまでは、手ぶらで帰るわけにもいかなくてよ」
その言葉を聞いた瞬間、カイルは何かを思い出したようにポンと手を打ちました。
「あ、もしかして、これですか。森について暫くした時にシリウスが拾ってきたんですけど」
カイルが懐から取り出したのは、月明かりを浴びて虹色に輝く、親指ほどの小さな結晶だった。
「っ!!」
ライオットはその場で膝から崩れ落ち、額を地面に擦りつける。
「頼む、カイル。その結晶を俺に譲ってくれないか。俺の人生がかかってるんだ」
「頭を上げてくださいよ」
カイルが困惑して譲ろうとした、その時でした。 シリウスがフンと鼻を鳴らし、カイルの前に割り込みました。そして、先ほど食べたシルキー・ラビットの骨をカイルの前に差し出しました。
「シリウスどうしたの?」
シリウスはライオットをジロリと睨み、空になった皿を前足で叩きました。
「なるほどな。任せろ得意分野だ」
ライオットはシリウスの意図を察して不敵に笑うと、槍を掴んで森の闇へと消えていった。数分後、ガサガサと茂みをかき分け戻ってきたライオットの両腕には、大量のシルキー・ラビットが抱えられていた。
「シリウスの腹ごしらえがすんだら、俺のギルドに連れてってやる!」
あなたにおすすめの小説
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】不遇スキル『動物親和EX』で手に入れたのは、最強もふもふ聖霊獣とのほっこり異世界スローライフでした
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が異世界エルドラで授かったのは『動物親和EX』という一見地味なスキルだった。
日銭を稼ぐので精一杯の不遇な日々を送っていたある日、森で傷ついた謎の白い生き物「フェン」と出会う。
フェンは言葉を話し、実は強力な力を持つ聖霊獣だったのだ!
フェンの驚異的な素材発見能力や戦闘補助のおかげで、俺の生活は一変。
美味しいものを食べ、新しい家に住み、絆を深めていく二人。
しかし、フェンの力を悪用しようとする者たちも現れる。フェンを守り、より深い絆を結ぶため、二人は聖霊獣との正式な『契約の儀式』を行うことができるという「守り人の一族」を探す旅に出る。
最強もふもふとの心温まる異世界冒険譚、ここに開幕!
52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった
よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】
皆様の熱い応援、本当にありがとうございます!
ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です!
【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】
電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。
気がついたら異世界召喚。
だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。
52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。
結論――王都の地下下水道に「廃棄」。
玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。
血管年齢は実年齢マイナス20歳。
そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。
だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。
下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。
捨てられた魔道具。
長年魔素を吸い続けた高純度魔石。
そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。
チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。
あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。
汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。
スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。
この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。
魔力は毒である。代謝こそが命である。
軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。
でも、だからこそ――まず1話、読んでください。
【最新情報&著者プロフィール】
代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作!
◆ 2月に待望の【第2巻】刊行!
◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中!
◆ 【コミカライズ企画進行中】!
すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!