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城外の暮らし

双子の姉弟

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セバスに会っていた頃はまだ幼かったためほとんど記憶がないに等しかったレムはメモの場所に向かいつつも、モヤモヤしたものが晴れないでいた。

ベルモントを始めとする兄達の指南をしていたセバスのことを信じていいのかレムはなかなか決心ができない。

かといって行くあてもないレムは、とりあえず向かってみるくらいの気持ちにすることにしたのだった。

「こっちでいいのよね」

どんどん市街地から離れ、陽があまり当たらない方へと向かって行く。

人気の無いところに向かわされていることに不安が募っていく。

更に進んだところで目的地であろう建物を発見した。

看板が建てられているところを見ると、お店のようなものかもしれないとレムは思った。

先程危険な目に遭ったばかりのレムは少し警戒心を持ったのか、すぐには近寄らず少し観察することにした。

少し時間が経った頃、建物のドアが開いた。

どんな人物が出てくるのかとレムは視線を集中する。

「え、」

中から現れたのは身体に幾つもの傷が見える大男だった。

レムはこの場から立ち去ろうと後退りする。

【ドン】

何かにぶつかった衝撃に、レムは後ろに壁などあったかなと恐る恐る振り返る。

「お前何してるんだよ?」

振り返ると背後には男の姿があった。

「キャー」

レムは思わず叫んだ。

「ちょ!」

目の前の少女に叫ばれた少年は、急に叫ばれたことにたじろいだ。


ーーーー

「先程はごめんなさい」

レムは少年に頭を下げる。

「本当だよ。あんな反応されたら驚くし、少し傷つくよな」

「何言ってるの。あんたが驚かせたんでしょ!謝りなさい」

少女はそういうと少年の頭を押さえ謝らせる。

「大丈夫ですよ」

レムは頭を下げる2人に恐縮しているようすだ。

2人はセバスの孫で双子の姉弟らしい。少女はシズナ、少年はライズと言うらしい。歳はレムより1つ上のようだ。

ライズを見て叫んだ声を聞いたシズナががあの後やってきて場を取り持っていた。

セバスのメモを見た2人はレムをセバスの客として迎え入れてくれたのだ。

ここは、セバスと双子のお店らしく、市街地から外れている割には武器や薬剤など品揃えが良さそうだった。

レムが見た先程の大男は壊れた武器を買いに来たお客さんだったようだ。

「レムさんはお爺さんとお知り合いなのでしょうか?」

シズナがレムに問いかける。

「えーとですね」

セバスが城にいた頃の知り合いではあるのだが、レムはなんと説明したらよいのか頭を悩ませた。

【カラン】

「じじいが帰ってきたみたいだぞ」
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