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魔物の襲来

襲来

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「はあはあ」

積み上げられたゴブリンの死骸の傍らで、リクセンが肩で息をしながら地面に座り込んでいる。

門番達はリクセンに切られたルキら部下の死体を丁重に扱い集めていた。

その光景にリクセンら部下たちを守れなかった自分の不甲斐なさに嫌気がさしている様子だ。

「リクセン無事か!」

ダイランとノエルがリクセンの元にやってきた。

「たかがゴブリンでしょ」

ゴブリンの死骸とリクセンの部下たちの死体に目をやる。

「この子たちは残念だったわね」

ノエルは治癒魔法で傷ついたルキ達の損傷を回復させた。

「しかし、ゴブリン達が街に押し入って来るとはな」

ダイランは知能の高くないゴブリンどもが、馬車を奪って侵入してきたことが信じられないと言った様子で死骸を眺める。

「脅して門を開けされるなんてね」

ノエルは門を越えるために、リクセンの部下を生かした上で連れてきたと思ったのだろう。

「俺の部下達がそんな脅しに屈するわけねえよ!」

ノエルの発言にリクセンが息を切らしながら、叫ぶようにいう。
いつものリクセンからは想像できないくらいに語気が強い。

「ごめんなさい。でも、そうじゃないならどうやって入れたっていうのよ」

部下を失ったばかりのリクセンの事を考えてなかったなとノエルは一言謝りつつも、それ以外に考えれないと話を続けた。

「俺が来たとき、ルキ達は動いていたんだよ」

だから、そういう事なんでしょうと言いたいのを抑えてノエルはリクセンを見る。

「ただな、あいつらは既に死んでたよ。」

「少しくらい落ち着いたらどうだ」

リクセンが部下を失ったのと、戦闘の直後で気持ちが落ち着かず変な事を言ったのだろうと、ダイランが肩を叩いた。

「動いていたのは自分たちも見ています!」

門番達は見ていたことを2人に話す。

「ゴブリンなんかにそんな真似できるわけないだろう」

ノエルはダイランと門番達のやりとりを聞き、ゴブリン以外の何者かの力が働いているのではと思った。

ノエルは魔力をコントロールし、あたり一帯の様子を探る。

「まずいことになるかもしれないわね」

何かを感じ取ったノエルがリクセンとダイランに言った。
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