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case1 ~人形少女と虚空リーマン~ #9
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「・・・なんだよこれ…」
おばさんとの逢瀬の後、家に到着した俺は早速、某大手掲示板サイトで情報を探していた。そこで "【情報求ム】特便にどう見てもJCな超絶美少女が居たんだが " という一つのスレッドが目に留まった。
もしかしたらと思って見てみると、スレ主の語る超絶美少女の人物像は、俺が探しているあの少女と酷似していた。他ユーザーの、何か有益な書き込みがないかと期待して読み進めていたところ、怨嗟のラブドールではないか?という旨の書き込みと共に一件のURLが貼られていた。
「怨嗟のラブドール」という聞き慣れない単語に妙な胸騒ぎを覚えたものの、興味本位でURLをクリックした。リンク先のサイトには、オカルトやミステリーといった類の情報が雑多にまとめてあり、スレッドに貼られたURLは、その中の一つの記事のものだった。そして...それを読み終えた俺は言葉を失っていた…。
うん...まあ、確かにあの少女の魅力に取り憑かれてるとは言ったけど・・・え?いや、そういう意味じゃなくて、、でも…あれ?言われてみればあの日以来、やけに体がダルくて頭もボーッとするし、犬も俺を見てやたらと吠えてくるし、、職場の同僚にも最近生気を感じないとまで言われたし、、、へ?何?そういう事だったの…?
(イヤイヤイヤイヤイヤ、ない。それはない。天地がひっくり返ってもない。)
所詮は都市伝説。根も葉もない噂。誰かが面白がって広めた作り話が、勝手に独り歩きして尾ひれがついてどんどん大袈裟になる…典型的なパターンだ。
こんな安っぽい、見るからに個人が趣味で運営しているだけみたいなサイトの記事など、全く信用に値しない。ああ、馬鹿馬鹿しい。完全に時間を無駄にした。
ブラウザバックして元のスレッドに戻る。
それ以降のスレッドでは何故かスレ主を含め、怨嗟のラブドールで間違いないという方向で話が盛り上がっていた。ネットの連中はどうしてこの手のオカルト話にすぐに飛びつくのだろうと呆れ果てたが、他に当てもないのでもう少しこの茶番に付き合ってやることにした。
画面を下にスクロールしていき、もっとマシな情報は無いかと探していると、スレッド内にあの事件の被害者"Yさん"の中学時代の同級生を名乗る人物が唐突に現れた。それから暫くは、その人物の知りうる"Yさん"の人物像と、スレ主が会ったという少女との照らし合わせのためのやりとり(+スレ民の関係ない野次)が続いていた。そんなやり取りを期待半分、疑い半分で眺めていると、自称Yさんの元同級生による、画像付きの書き込みが映った画面でピタッとスクロールが止まった。
そこに映っていたのは、「この中ならどれが一番似てる?」という文章に添えられた3枚の画像ファイル―――1つは、事件当時報道でも使われていたYさんの写真。1つは、O社製の精巧な造形のラブドール"アリス"の製品画像。そしてもう1つは、下にYさんの名前が記載された、中学の卒業アルバムの写真だった――。
(あ・・・あ、ああ…あああああ!!)
どれが似ているとかじゃない…。俺があの日出会った少女は…丁度、この三枚の画像の人物を足して3で割ったような人物だった・・・。
この書き込みに対してスレ主は、卒アルのYさんがソックリであると答え、スレ内では騒然としたスレ民による歓喜や恐怖に震えるコメントが飛び交っていた。そして俺は、そんなお祭り騒ぎを呆然と眺めることしか出来なかった。
確かにどれが一番似ているかと言われれば、俺もスレ主と同意見だが...あの少女を語るにはそれだけじゃ説明できない。
あの…気味の悪いほどに整った顔立ち、何をされても一切拒む様子のない態度は正に人形そのもの・・・可憐で未成熟な見た目に似つかわしくない、大人びたミステリアスな魅力は、二枚のYさんの写真が醸し出す独特な雰囲気と完全に一致する。
そして・・・去り際に見たあの...底の知れない、闇を孕んだ冷たい瞳。
そう――、全てが物語っている・・・。
あの少女こそが "怨嗟のラブドール" だと―――。
ヴゥゥーーー、ヴゥゥーーー。
(ッ―――!!!)
突如、スマホのバイブレーション音が鳴り響く。知らない番号からの着信・・・
確信があった... あの少女――Yさんからだ…。
心拍数が急激に上がり、手足の震えが止まらない。
もう逃げられない・・・覚悟を決めて電話を取る。
「も・・・もしもし・・・」
「おじさん・・・あのね・・・」
無機質な声・・・背筋や頬を冷たいものが伝う。
「明日の夜8時・・・あの公園で待ってるね・・・」
「あ、あの!」
ツーーー、ツーーー、ツーーー。
やっとの思いで切り出したが、その瞬間に電話は切れてしまった――。
全身の緊張が一気に解け、俺の体は糸の切れたマリオネットのように事切れた。
おばさんとの逢瀬の後、家に到着した俺は早速、某大手掲示板サイトで情報を探していた。そこで "【情報求ム】特便にどう見てもJCな超絶美少女が居たんだが " という一つのスレッドが目に留まった。
もしかしたらと思って見てみると、スレ主の語る超絶美少女の人物像は、俺が探しているあの少女と酷似していた。他ユーザーの、何か有益な書き込みがないかと期待して読み進めていたところ、怨嗟のラブドールではないか?という旨の書き込みと共に一件のURLが貼られていた。
「怨嗟のラブドール」という聞き慣れない単語に妙な胸騒ぎを覚えたものの、興味本位でURLをクリックした。リンク先のサイトには、オカルトやミステリーといった類の情報が雑多にまとめてあり、スレッドに貼られたURLは、その中の一つの記事のものだった。そして...それを読み終えた俺は言葉を失っていた…。
うん...まあ、確かにあの少女の魅力に取り憑かれてるとは言ったけど・・・え?いや、そういう意味じゃなくて、、でも…あれ?言われてみればあの日以来、やけに体がダルくて頭もボーッとするし、犬も俺を見てやたらと吠えてくるし、、職場の同僚にも最近生気を感じないとまで言われたし、、、へ?何?そういう事だったの…?
(イヤイヤイヤイヤイヤ、ない。それはない。天地がひっくり返ってもない。)
所詮は都市伝説。根も葉もない噂。誰かが面白がって広めた作り話が、勝手に独り歩きして尾ひれがついてどんどん大袈裟になる…典型的なパターンだ。
こんな安っぽい、見るからに個人が趣味で運営しているだけみたいなサイトの記事など、全く信用に値しない。ああ、馬鹿馬鹿しい。完全に時間を無駄にした。
ブラウザバックして元のスレッドに戻る。
それ以降のスレッドでは何故かスレ主を含め、怨嗟のラブドールで間違いないという方向で話が盛り上がっていた。ネットの連中はどうしてこの手のオカルト話にすぐに飛びつくのだろうと呆れ果てたが、他に当てもないのでもう少しこの茶番に付き合ってやることにした。
画面を下にスクロールしていき、もっとマシな情報は無いかと探していると、スレッド内にあの事件の被害者"Yさん"の中学時代の同級生を名乗る人物が唐突に現れた。それから暫くは、その人物の知りうる"Yさん"の人物像と、スレ主が会ったという少女との照らし合わせのためのやりとり(+スレ民の関係ない野次)が続いていた。そんなやり取りを期待半分、疑い半分で眺めていると、自称Yさんの元同級生による、画像付きの書き込みが映った画面でピタッとスクロールが止まった。
そこに映っていたのは、「この中ならどれが一番似てる?」という文章に添えられた3枚の画像ファイル―――1つは、事件当時報道でも使われていたYさんの写真。1つは、O社製の精巧な造形のラブドール"アリス"の製品画像。そしてもう1つは、下にYさんの名前が記載された、中学の卒業アルバムの写真だった――。
(あ・・・あ、ああ…あああああ!!)
どれが似ているとかじゃない…。俺があの日出会った少女は…丁度、この三枚の画像の人物を足して3で割ったような人物だった・・・。
この書き込みに対してスレ主は、卒アルのYさんがソックリであると答え、スレ内では騒然としたスレ民による歓喜や恐怖に震えるコメントが飛び交っていた。そして俺は、そんなお祭り騒ぎを呆然と眺めることしか出来なかった。
確かにどれが一番似ているかと言われれば、俺もスレ主と同意見だが...あの少女を語るにはそれだけじゃ説明できない。
あの…気味の悪いほどに整った顔立ち、何をされても一切拒む様子のない態度は正に人形そのもの・・・可憐で未成熟な見た目に似つかわしくない、大人びたミステリアスな魅力は、二枚のYさんの写真が醸し出す独特な雰囲気と完全に一致する。
そして・・・去り際に見たあの...底の知れない、闇を孕んだ冷たい瞳。
そう――、全てが物語っている・・・。
あの少女こそが "怨嗟のラブドール" だと―――。
ヴゥゥーーー、ヴゥゥーーー。
(ッ―――!!!)
突如、スマホのバイブレーション音が鳴り響く。知らない番号からの着信・・・
確信があった... あの少女――Yさんからだ…。
心拍数が急激に上がり、手足の震えが止まらない。
もう逃げられない・・・覚悟を決めて電話を取る。
「も・・・もしもし・・・」
「おじさん・・・あのね・・・」
無機質な声・・・背筋や頬を冷たいものが伝う。
「明日の夜8時・・・あの公園で待ってるね・・・」
「あ、あの!」
ツーーー、ツーーー、ツーーー。
やっとの思いで切り出したが、その瞬間に電話は切れてしまった――。
全身の緊張が一気に解け、俺の体は糸の切れたマリオネットのように事切れた。
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