多機能型特別公衆便所 ==特便==

辻 野乃子

文字の大きさ
46 / 57

case4 ~漁師町の雪女~ ーother sideー #8

しおりを挟む
「…とまあ、話が長くなってきたんで纏めるとだ――姉ちゃんは国から何かしらの金銭的援助を受けていた。そこに付け込むような形で、特便の管理人の仕事を斡旋され、姉ちゃんは渋々ながらも承諾。しかしいざ蓋を開けてみりゃあ、不特定多数の男への性的サービスを一日4時間…それも毎日と来たもんだ・・・。その割に給料はしょっぱいから完済の目処も立たず、タチの悪い借金なのか脅されてるのかやらで、逃げようにも逃げられない。そんな八方塞がりな状況――てのが、俺っちのだが…どうよ?」

「どうよも何も…説得力はあるし、穴らしい穴もねえし・・・完璧な推理だと俺は思うぞ!
 流石は俺たち『悪ガキ三人衆の頭脳担当』と呼ばれてただけの事はあるぜ!!」

「・・・オラも同感だ・・・。」

「ふふん、まあそうでしょうね――。」
(ま・・・ネットの掲示板で拾った"特便管理人についての考察記事"の内容を、姉ちゃんに当てはめて話しただけなんだがな…。)

「そんで…だとしたら、俺達はこれからどうすりゃいいんだ?」

「あー...まあ、それは考えてあるにはあるんですが・・・割と……いや、マジで真面目な話になって来るんで…仮説の段階ではちょっと……。せめてもうちょい、確証……?ツーか、裏付け…みたいのがとれてからだな・・・」
(いや…こんな話切り出しといて後から...「借金なんてありませんでした。じゃあこの話は無かったことで。」・・・なんて、さすがにカッコつかねえって……。)

「……そうか。そんなら次の活動方針は、今の仮説を立証するための更なる情報集めって感じだな。」

「そ…そうっスね。ひとまずはそんな感じで…。とはいえ、立証...ツっても何を聞き出せばいいんスかね?いくらなんでも直接――「アンタ、借金があんのか…?」...なんて、そんなデリケートな話聞くワケにもいかねえしな…。」

「・・・そういうことなら、次はオラに任せてくんねえだか・・・?」

「それは構わねえが…何か考えがあるのか?」

「・・・まあな・・・。」

(…クロは口数こそ少ないが、決してコミュニケーション能力が低いわけじゃない。発言が少ない分――誰よりもよく話を聞き、考えることに集中しているのだろう。そうして時たま発される短い言葉は、より正確に…効率的に核心を突いてくる。それがクロのスタイルだ。)

「…なら異論はねえ。ゲンさんもそれでいいっスね?」

「おう。確かクロはこの後予約入ってた筈だし、タイミング的にも丁度いい。それに…こういう時のクロは頼りになるしな!」

「・・・はい。二人で麻雀でも打ちながら待っててください・・・。一時間後に報告にあがります・・・。」


(そう・・・クロは頼りになる。そのデカい図体の通り…『悪ガキ三人衆の力担当』と呼ばれ、周囲からは恐れられていた。クロが強ええのは勿論だが…コイツはそれだけじゃねえ。
 ガキの頃から一緒に居るんだ――そいつは俺が一番よく分かってる…。
 力もある。スポーツのセンスもある。胆力も人望もあったし、顔もそこまで悪くはねえから、密かにモテてもいた。唯一、学校の成績では勝ってはいたが…そんなもんでもなんでもねえ。第一...『頭脳担当』なんていうなら、俺なんかよりよっぽど・・・。)

「って…ホントだな、もうこんな時間か…。
 よし――、行ってこいクロっ!いい報告期待してんぞ!!」

「―――!!ああ、行ってくるだ・・・。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

処理中です...