16 / 40
女神降臨(おかわり)
しおりを挟むとりあえずアテナには正座させて、ジークとエリーゼさんには椅子に座って貰った。
二人とも死ぬほど居心地が悪そうだけど。
ちなみに私はアテナの前で腕を組んで仁王立ちしている。
「おい最高神」
「サーイェッサー!」
「この二人は私の友達だ。いいな?」
「サーイェッサー!」
「反省してるか?」
「サーイェッサー!」
……ふむ。反省してるなら許してやるか。
つーかこいつ、本当に偉い神様だったのか。
まったく実感ないんだけど。
「で、そっちの二人。こいつは私の友達だから」
「あれ、私って友達なんですか?」
「サンドバッグじゃない事は確かね」
「この主人公凶悪すぎませんかね!?」
何だよ主人公って。
「……その、事情は理解したが、本当に態度を改める必要は無いのか?」
「ジークの敬語とか気持ち悪いからやめて」
「分かった。ならそうしよう」
うん、そっちの方が楽だわ。
別に私が偉い訳じゃないんだし。
「エリーゼさんもいつも通りでお願いします」
「ちょっ、お姉様! 私に敬語はやめて欲しいですの!」
「えぇ……だってまだ警戒してますし」
「お姉様ッ!?」
「冗談よ」
アテナにタメ口なのに自分が敬語使われるのはしんどいだろうからね。
いや、警戒してんのは本当だけど。
「お姉様、意地悪ですの……でもそこもしゅきですの♡」
メンタル強ぇなおい。
「と言うかリリィ、エルンハルトはこの事を知ってるのか?」
「ん? いや、知らないんじゃない? 特に何も言ってないし」
「お前な……ちゃんと教えてやれよ? 後で事実を知った方がダメージでかいんだからな」
「あーそっか。じゃあ次会ったら言っとくわ」
たくさんお世話になってるし、迷惑かけたくないもんね。
「あの、リリィさん。私は帰っても良いですか?」
「あーうん。えっと、来てくれてありがとね」
「これがツンデレ……悪くないですね!」
誰がツンデレだ。変な属性を付けるんじゃない。
「ではアナウンスだけ残して行きますね」
「アナウンス?」
『リリィ・クラフテッドはレベルが上がった!
リリィ・クラフテッドはレベルが上がった!
リリィ・クラフテッドはレベルが上がった!
リリィ・クラフテッドはレベルが上がった!』
うわ、何だこの声。どっから聞こえて来てんだ?
「え、私レベル上がったの? てか何で四回言った?」
「私のレベルが高いので攻撃当てるだけで経験値入るんですよ。今までの分と合わせてレベルが4上がりました」
ほう。じゃあたくさんデコピンしたらその分レベルが上がるのかな。
「あの、リリィさん、今なんか邪悪な事考えませんでした?」
「え? そんなことは無いけど」
純粋な好奇心から来る探究心だよ。
「うーん……とにかく私は帰りますね。また暇な時にでも呼んでください。んちゅっ♡」
何故か私に向かって投げキスをした後、アテナはその場で煙のように消えて行った。
金髪碧眼美女の投げキスなのにまったく嬉しくないのは何故なんだろうか。
……まぁ、アテナだからなぁ。
あ、しまった。遠征の話すんの忘れてたわ。
今度ちゃんと伝えておくか。
それはさておき。
「んじゃ今日は解散で。戻ったらまた相手してあげる」
「おう、次こそは勝つ」
いつも通りの感じで不敵に笑い返してくれるジーク。
態度が変わらないのは本当に嬉しい。
こいつ本当にイケメンだな。
そして。
「お姉様、私はパジャマと枕を持って来てるから大丈夫ですの」
大きな枕を抱きしめて可憐な微笑みを浮かべるエリーゼ。
但し、目は濁ったハートのままだ。
「ジーク、連行して」
「責任を持って回収する。またな」
「あっ、ちょっ、離すですの! お姉様との甘くて濃厚な夜がぁぁぁ!」
爽やかに笑うイケメンと共に。
ロリ痴女、後ろ襟を掴まれて退場。
あーもー、何か疲れたなー。
めっちゃ濃い一日だったわ。
あ、てかレベル上がったとか言ってたな。
寝る前にステータスだけ確認しておくか。
「『ステータス』」
お、でたでた。ちゃんとレベルが5に上がって……いや待てって。
なんだこれ。
名前:リリィ・クラフテッド
種族:人間(まじ?)
年齢:18(変更可能)
性別:女
職業:無職
レベル:5
STR:3(+130)
VIT:5(+130)
INT:11(+50)
DEX:8(+50)
AGI:4(+130)
LUK:-15
スキル
愛Lv1 勇気Lv1 宵闇Lv1【New!】 終焉Lv1【New!】
ウサギLv5(MAX) チベットスナギツネLv5(MAX)【New!】
格闘Lv5(MAX) 縮地Lv5(MAX)【New!】
マクドナ〇ドLv1
成長速度20倍 ステータス異常無効
魅了効果5倍【New!】
称号
拳を極めし者
女神アテナの加護を受けし者
女神ライランティリアの加護を受けしもの【New!】
セカンドアシスタント
はい、息を大きく吸い込んでー。
「ライラァァァ! 出て来いィィィ!」
本日二度目の魂の叫びを上げた。
ふっざけんな! お前もかよ!
LUK以外全部魔王超えてんだろうが!
そして、私の雄叫びに応えて。
「はい。どうしました?」
黒い髪と黒いローブを音も無くふわりと舞わせて、ガラス細工のような女性が姿を現した。
相変わらず何者も越えられない程の美しさを誇り、しかしその表情は水面の様に静かだ。
女神ライランティリア。
今日この場に二人目の神が降臨した、次の瞬間。
「いいからそこに座れ」
とりあえず、有無を言わせずに正座させた。
0
あなたにおすすめの小説
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
5人の勇者を「500人」と報告したら、魔王様が和平の準備を始めました
miko.m
ファンタジー
※最終話までプロット作成済み。
※毎日19時に更新予定(たまに12時にも更新します)。
「勇者が500人!? 無理無理、勝てるわけないだろ! 和平だ、今すぐ娘を嫁に出せ!!」
魔王軍第一軍団長・ゴルドーは困っていた。たった5人の勇者に惨敗したなど、出世欲の塊である魔王ゼノンに言えるわけがない。保身のために彼がついた嘘。それは「勇者が500人いた」という、あまりにも適当な虚偽報告だった。
しかし、小心者の魔王様はそれを真に受けてパニックに! 「500人の勇者と全面戦争なんてしたら魔王軍が破産する!」と、威厳をかなぐり捨ててまさかの「終戦準備」を開始してしまう。
一方、真実を知った魔王家の三姉妹は、父の弱腰を逆手に取ってとんでもない作戦を企てる。
「500人は嘘? ちょうどいいわ。お父様を売って、あのハイスペックな勇者様たちを婿にしましょう!」
嘘を塗り重ねる軍団長、絶望する魔王、そして勇者を「逆スカウト」して実家脱出を目論む肉食系姫君たち。人間界のブラックな王様に使い潰される勇者たちを、魔王軍が「厚遇」で囲い込む!? 嘘から始まる、勘違いだらけの経営再建ファンタジーコメディ、開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる