転生魔女と聖獣フェンリル

メリー

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服を持ってきた母がリロに服を着せた後、母、父、リロ、私、そして兄のアレス、兄の聖獣アリアと共にダイニングルームに移動した。

兄のアレス・ブランシュは私の4つ上で現在7歳だ。
少し濃い目のピンク色の髪に赤い瞳をしている。
そして兄の聖獣アリアは白い虎の聖獣だ。
人型は女の子で…
番だから女の子のなのは当たり前か。

アリアの髪は真っ白で、瞳は綺麗な青色をしている。

アリアとリロ、兄様と私でよくお昼寝してたのは記憶に新しい。
もふもふ2匹に体を埋めて兄様に抱えられながら眠るのは本当に至福だ。

あぁ、そんなこと考えてたらもふもふに顔を埋めたくなってきた…

そんな事を考えていたら母が軽く溜息をついた。

「まさか、いきなり人型になるとは思わなかったわぁ~…。とりあえず、アレスの小さい頃の服があってよかったわ。」

そう言って困った顔をしながらリロを見つめる母。

「アリアは名付けてから半年は掛かったのにリロは凄いね!」

「ううん!僕は凄くないよ!凄いのはルチアだよ~!」

兄がニコニコしながらリロを見つめて褒めるが何故かそれを否定して私を褒めるリロ。
それを疑問に思ったのか兄は困惑した顔をしている。

「ルチアが質が良くて濃度が高い魔力を僕に送ってくれたから、直ぐに人型に慣れたんだよ!」

リロがそう言った瞬間に驚いた顔をして全員が私の事を見てきた。

もちろん私もリロ以外のみんなと同じで驚いている。

えっ、リロに名付けた瞬間人型になれたのって私のせい?
リロが自分でやったんじゃなくて?

「やっぱり私の娘は天才だわぁ~」

唐突にそう言って私に近づき、抱き上げて美人な顔を私の頬に擦り付ける母。

「う~む、文献では名付けてから約2年程は人型になる訓練をするはずなのだがなぁ…アリアも、半年くらいで人型になれたし…さすが俺とルルの子だな!」

めちゃめちゃ嬉しそうな顔をしている父。
はっきり言って私の両親は親バカだ。
兄様とアリアもまゆげをハの字にして困った顔をしている。
リロはというとこの状況に飽きてきたのか、つまらなさそうな顔をし始めている。

っと、次の瞬間ポンッと音をたててリロが聖獣の姿に戻ってしまった。

「あぁ、やっぱり名付けた瞬間に人型になれても、コントロールまではまだ出来ないか。」

「そうねぇ、明日からアリアと一緒にコントロール練習していかなきゃいけないわね。」

母と父の言葉にリロの顔がしょんぼりとしていて、くぅ~んと鳴き声をあげている。

どうやら、今のリロは人型になっている時間に制限があるみたい。

それをなくし、自由にコントロール出来る様にこれから訓練していくようだ。
既に訓練を始めているアリアがリロに近づいてきた。

「リロ、一緒に頑張ろ!」

リロの頭を撫でながら鼓舞するアリアにリロは元気よく返事をした。

…そういえばさっきリロが私の脳内に直接語りかけてくれたのに今はそれがないなぁ。

後で父と母に聞いてみよう。

これから大変になってきそうだな。
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