6 / 21
第一章はじまりのうた
入学しました!!
しおりを挟む
ライが目を覚ましてしばらく経つがかなり体調がいいらしい。
良かった、あのまま目を覚まさないのかと思ったら、夜も寝れなかった。
しかしそんな事を言っている場合ではない。あと1ヶ月もすれば学園に通う事になる。しかしあまりにも出来が悪いのだ。特に算術はやり方がわかっても実際にやるとなると、全然できなくてライが隣でスラスラと解いていくのを見ていつも焦ってる。
メイ先生は、ライが特別早いだけと言っていたが、多分そんなことはないと思う。
そもそも僕は兄様に教えてもらう以外に勉強はできなかったし、二桁以上の掛け算なんてライに教えてもらうまで全くできなかった。
それなのに僕は賢いと言ってくれるメイ先生はとても優しい。で、今やってる問題が-3/7×5/9………
うん!全く分からない!-が入るだけで途端にややこしくなる。ダレカタスケテ。
もうヤダ算術無理。でもこのままではせっかく受け入れてくれた皆に申し訳ない。もっと頑張らないと。
◆◇◆
そんなこんなで無事、入学しました!!今日は入学式の前日で、いつの間にか届いていた制服を見ていたのだが…………ライの制服が大きい。それに比べて僕の制服は…………考えるのをやめたくなる。
そうだよね、僕、身長凄い低いしね。
制服自体はよくできていて、まず通気性もよく、とても動きやすそうな生地に、夜空のような青紫色をベースに使っており、胸元にマリーゴールドが刺繍されていたりしてとても素晴らしいものだ。
洗練されたデザインに心を踊らせていると、義父上に制服姿を見せて欲しいと言われ着てみせると、感動したのか固まっていた。
「まぁ素晴らしい制服ね!2人ともとっても似合ってるわよ!」
という義母上の言葉ではっとした義父上は全くその通りだと頷いていた。
ただやっぱり思うのは、僕の目線がライの肩…………………なんで僕の身長は伸びないんだ?!!
◆◇◆
それから無事、入学式が始まった。
マリーゴールドがどうとか、身分がどうとか、よく覚えてないけど、長い学園長の挨拶が終わり、国王であるフリーナ様が壇上に上がった。
フリーナ様は、美しき水の鉄拳と呼ばれる方で、容姿端麗で才色兼備とは掛け離れた人だ。しかし、何時までも努力し続けるその姿について行く人は多く、支持も強い。それが彼女を歴史上初の女王にした。
そしてその言葉も重く、深く刺さった。
決して今の立場に胡座をかいては行けない。常に努力を怠るな。どれだけ才能があろうとその才能を咲かすことができるのはいつでも努力であると。上には上がいる事を常に意識しろとのことだ。
そして最後にチラッとこっちを見た気がしたが、あれは気のせいなのか?なんて考えてるとクラス分けが発表された。そしてなんと……………ライと同じクラスだったのだ。
あまりの嬉しさに跳ねそうになるのを堪え、隣にいるライを見つめる。すると星空のように瞳をキラキラさせて抱きつかれた。
ライの頭を撫で宥めながら周りを見ると、地味に視線が痛い。
抱きついたままのライを引きずりながら会場の講堂を出て、やっとの思いで教室に辿り着くとある一箇所に生徒が集まっていた。
チラッと隙間を覗くと、第三王子殿下と思しき人が中心にいた。苦笑いをしながら受け流しをしているようで大変そうだなと思う。
とりあえずライを引き剥がすと担任と思しき教師が入ってきた。チャイムがなると、皆が席に着いたのを見て自己紹介を始めた。
「今日からこのクラスを担当する、アレクシスと言う。困ったことがあれば何時でも相談に来るといい。」
それからすらりと全員の自己紹介を終えて、休憩時間に入ると、後ろから名前を呼ばれて振り向くとそこには…………アルバ兄様がいた。
「アルバ兄様!!!」
と思わず駆け寄ると、それまで第三王子殿下に向けられていた視線が一気にこっちに向き、令嬢の方々が騒ぎ始める。
耳を傾けると何やらアルバ兄様はかなり有名らしい。
まぁそりゃそうだよね!優しいし、かっこいいし、何より頭もいいし、運動神経も抜群。
後でしっかり聞いたら、成績は常に学年トップを取っているらしい。流石アルバ兄様。
久しぶりに会って、ライも交えて話していると、アルバ兄様とライによる僕を褒めちぎる会が始まり、恥ずかしい気持ちを抱えつつ休憩時間が終わる頃にランチのお誘いを受けた。
今日は授業も無く、入学式と自己紹介、それから教科書配布などなど。それらが終わったらそのまま帰るだけなので、本来はランチは食べないんだけど、せっかくお誘いしてくれたのだから行かない理由はない!!
◆◇◆
やる事が終わりルンルン気分で食堂に行こうとすると誰かに急に肩をつかまれて、くるりと回され誰かがこう言う。
「すみません、今日はこの方とお昼を食べるのでまた今度でお願いします。」
え?
しっかりとその人物を見ると…………第三王子殿下だった。なるほど色んな人からお昼をと迫られ、困っていたのか。ここは話を合わせるか。
「そうなんです。皆様には申し訳ございませんがここはお引き取り願います。」
そう言うと皆諦めたような表情をしながら、「また今度お願いしますね!」と打診していた。
「それでは殿下、行きましょう。」
こうして殿下を連れ出し、教室からある程度離れた所で、すごい勢いで謝られた。いやいいんですと繰り返していると後ろから凄い圧を感じた。
振り向くと、ライがすんごい顔してた。それどういう感情?怒ってるの?喜んでるの?どういうこと?
それを見た第三王子殿下がさらに申し訳なさそうにしていて心が痛かった。
良かった、あのまま目を覚まさないのかと思ったら、夜も寝れなかった。
しかしそんな事を言っている場合ではない。あと1ヶ月もすれば学園に通う事になる。しかしあまりにも出来が悪いのだ。特に算術はやり方がわかっても実際にやるとなると、全然できなくてライが隣でスラスラと解いていくのを見ていつも焦ってる。
メイ先生は、ライが特別早いだけと言っていたが、多分そんなことはないと思う。
そもそも僕は兄様に教えてもらう以外に勉強はできなかったし、二桁以上の掛け算なんてライに教えてもらうまで全くできなかった。
それなのに僕は賢いと言ってくれるメイ先生はとても優しい。で、今やってる問題が-3/7×5/9………
うん!全く分からない!-が入るだけで途端にややこしくなる。ダレカタスケテ。
もうヤダ算術無理。でもこのままではせっかく受け入れてくれた皆に申し訳ない。もっと頑張らないと。
◆◇◆
そんなこんなで無事、入学しました!!今日は入学式の前日で、いつの間にか届いていた制服を見ていたのだが…………ライの制服が大きい。それに比べて僕の制服は…………考えるのをやめたくなる。
そうだよね、僕、身長凄い低いしね。
制服自体はよくできていて、まず通気性もよく、とても動きやすそうな生地に、夜空のような青紫色をベースに使っており、胸元にマリーゴールドが刺繍されていたりしてとても素晴らしいものだ。
洗練されたデザインに心を踊らせていると、義父上に制服姿を見せて欲しいと言われ着てみせると、感動したのか固まっていた。
「まぁ素晴らしい制服ね!2人ともとっても似合ってるわよ!」
という義母上の言葉ではっとした義父上は全くその通りだと頷いていた。
ただやっぱり思うのは、僕の目線がライの肩…………………なんで僕の身長は伸びないんだ?!!
◆◇◆
それから無事、入学式が始まった。
マリーゴールドがどうとか、身分がどうとか、よく覚えてないけど、長い学園長の挨拶が終わり、国王であるフリーナ様が壇上に上がった。
フリーナ様は、美しき水の鉄拳と呼ばれる方で、容姿端麗で才色兼備とは掛け離れた人だ。しかし、何時までも努力し続けるその姿について行く人は多く、支持も強い。それが彼女を歴史上初の女王にした。
そしてその言葉も重く、深く刺さった。
決して今の立場に胡座をかいては行けない。常に努力を怠るな。どれだけ才能があろうとその才能を咲かすことができるのはいつでも努力であると。上には上がいる事を常に意識しろとのことだ。
そして最後にチラッとこっちを見た気がしたが、あれは気のせいなのか?なんて考えてるとクラス分けが発表された。そしてなんと……………ライと同じクラスだったのだ。
あまりの嬉しさに跳ねそうになるのを堪え、隣にいるライを見つめる。すると星空のように瞳をキラキラさせて抱きつかれた。
ライの頭を撫で宥めながら周りを見ると、地味に視線が痛い。
抱きついたままのライを引きずりながら会場の講堂を出て、やっとの思いで教室に辿り着くとある一箇所に生徒が集まっていた。
チラッと隙間を覗くと、第三王子殿下と思しき人が中心にいた。苦笑いをしながら受け流しをしているようで大変そうだなと思う。
とりあえずライを引き剥がすと担任と思しき教師が入ってきた。チャイムがなると、皆が席に着いたのを見て自己紹介を始めた。
「今日からこのクラスを担当する、アレクシスと言う。困ったことがあれば何時でも相談に来るといい。」
それからすらりと全員の自己紹介を終えて、休憩時間に入ると、後ろから名前を呼ばれて振り向くとそこには…………アルバ兄様がいた。
「アルバ兄様!!!」
と思わず駆け寄ると、それまで第三王子殿下に向けられていた視線が一気にこっちに向き、令嬢の方々が騒ぎ始める。
耳を傾けると何やらアルバ兄様はかなり有名らしい。
まぁそりゃそうだよね!優しいし、かっこいいし、何より頭もいいし、運動神経も抜群。
後でしっかり聞いたら、成績は常に学年トップを取っているらしい。流石アルバ兄様。
久しぶりに会って、ライも交えて話していると、アルバ兄様とライによる僕を褒めちぎる会が始まり、恥ずかしい気持ちを抱えつつ休憩時間が終わる頃にランチのお誘いを受けた。
今日は授業も無く、入学式と自己紹介、それから教科書配布などなど。それらが終わったらそのまま帰るだけなので、本来はランチは食べないんだけど、せっかくお誘いしてくれたのだから行かない理由はない!!
◆◇◆
やる事が終わりルンルン気分で食堂に行こうとすると誰かに急に肩をつかまれて、くるりと回され誰かがこう言う。
「すみません、今日はこの方とお昼を食べるのでまた今度でお願いします。」
え?
しっかりとその人物を見ると…………第三王子殿下だった。なるほど色んな人からお昼をと迫られ、困っていたのか。ここは話を合わせるか。
「そうなんです。皆様には申し訳ございませんがここはお引き取り願います。」
そう言うと皆諦めたような表情をしながら、「また今度お願いしますね!」と打診していた。
「それでは殿下、行きましょう。」
こうして殿下を連れ出し、教室からある程度離れた所で、すごい勢いで謝られた。いやいいんですと繰り返していると後ろから凄い圧を感じた。
振り向くと、ライがすんごい顔してた。それどういう感情?怒ってるの?喜んでるの?どういうこと?
それを見た第三王子殿下がさらに申し訳なさそうにしていて心が痛かった。
0
あなたにおすすめの小説
愛を知りたくて
輪道響輝
BL
僕にはとある記憶がある。
それは呪いの記憶。
どうしようもない後悔と深い深い未練が交差する記憶。
もっと彼を見ていれば、もっと彼を愛せていたなら。もっと違う結末になったのかな。
一体僕の望みはなんなのか。
それは愛が知りたい。
◆◇◆
後悔と未練の呪いを抱えたクズ男が愛を知る、ドロドロの成長ストーリー。
この結末はきっと幸せだ。
好きなわけ、ないだろ
春夜夢
BL
放課後の屋上――不良の匠は、優等生の蓮から突然「好きだ」と告げられた。
あまりにも真っ直ぐな瞳に、心臓がうるさく鳴ってしまう。
だけど、笑うしかなかった。
誰かに愛されるなんて、自分には似合わないと思っていたから。
それから二人の距離は、近くて、でも遠いままだった。
避けようとする匠、追いかける蓮。
すれ違いばかりの毎日に、いつしか匠の心にも、気づきたくなかった“感情”が芽生えていく。
ある雨の夜、蓮の転校の噂が流れる。
逃げ続けてきた匠は初めて、自分の心と正面から向き合う。
駅前でずぶ濡れになりながら、声を震わせて絞り出した言葉――
「行くなよ……好きなんだ」
誰かを想う気持ちは、こんなにも苦しくて、眩しい。
曇り空の下で始まった恋は、まだぎこちなく、でも確かにあたたかい。
涙とキスで繋がる、初恋の物語。
手切れ金
のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。
貴族×貧乏貴族
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる