R18沖田総司に求められ、傷つくのに惹かれ合うのをやめられない。土方歳三_新選組、新撰組、三角関係【淫花】

ふるふるん

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玩具になって

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屯所の廊下には、昼下がりの静けさが流れていた。
伊織は腕に抱えた洗濯物を見下ろし、小さく息を吐く。

隊士たちの着物や羽織を洗って届けるのも、下働きの役目だ。
今日はその中に、沖田総司の着物も混ざっていた。

奥の部屋の前で足を止める。
沖田の部屋だった。
伊織は一瞬だけ迷ったが、すぐに声をかける。

「沖田さん、洗濯物を……」

返事はない。

留守かもしれないと思い、伊織はそっと襖を開けた。

「失礼します」

部屋の中は静かだった。
窓から春の風が吹き込み、畳の匂いがわずかに漂っている。

伊織は洗濯物を畳の端に置こうとして身をかがめた、そのとき。

「おや」

背後から声がした。

驚いて振り向いた瞬間、足が畳の縁に引っかかった。

体がぐらりと傾く。

「……っ」

次の瞬間、どさり、と誰かの胸に倒れ込んでいた。

下から、少し呆れたような声がする。

「痛いなあ」

伊織の下敷きになっているのは沖田だった。
伊織は慌てて起き上がろうとした。

「す、すみません!」

だが、腕をぐっと掴まれる。

「待ってよ、伊織さん」

沖田は仰向けのまま、楽しそうに笑っていた。

「そんなに急いで逃げなくても」

「離してください」

伊織が低く言うと、沖田はくすりと笑う。

「相変わらず冷たいなぁ」

沖田の目が、じっと伊織を見上げる。

「でも伊織さん、やっぱり変」

「……何がです」

「いろいろ」

沖田は気軽な口調のまま続ける。

「声も、仕草も、雰囲気も。男にしては妙に柔らかいし」

伊織の肩がわずかに強張った。

沖田はその反応を見逃さない。

「それに」

ふと手を伸ばし、伊織の頬に触れた。

「顔が、綺麗すぎる」

伊織の心臓が一気に跳ねた。
逃げようと体を引こうとした瞬間、沖田の指が軽く顎を捕える。沖田は面白そうに目を細めた。

「試してみようか」

「……?」

意味を問い返す前に、顔が引き寄せられる。

次の瞬間、唇が触れた。

ほんの一瞬の口づけだった。
からかい半分の、軽いもの。

沖田自身もそのつもりだった。

だが――

伊織の体がびくりと震えた。

息が止まり、目が大きく見開かれる。
頬が一瞬で赤くなり、呼吸が乱れる。

男なら見せない反応に、沖田の笑みが、ゆっくり消える。

至近距離で伊織の顔を見つめたまま、沖田は小さく息を吐いた。

「伊織さん。女だよね」

伊織の血の気が引いた。
部屋の中の空気が、一瞬で変わった。

 伊織の血の気が引いた。

だが、すぐに表情を引き締める。

「……何を言っているんです」

声は冷静だった。
むしろ少し呆れたようにさえ聞こえる。

沖田は伊織を見上げたまま、しばらく黙っていた。
それから、くすりと笑う。

「往生際が悪いなあ」

「離してください」

「駄目」

沖田は伊織の腕を掴んだまま、ゆっくりと体を起こす。
気づけば距離はほとんどなく、伊織は逃げる隙を失っていた。

沖田はじっと伊織の顔を見つめる。

「さっきの反応。男がする顔じゃないよ」

「……気のせいです」

伊織は視線を逸らした。
沖田はその様子を楽しそうに眺めている。

「じゃあ証明してあげる」

伊織が顔を戻した瞬間だった。
沖田の手が、すっと伊織の襟元へ伸びる。

「……っ」

そのまま指が襟の隙間に滑り込んだ。

布越しではない、直接の感触。

伊織の体が強く震える。

「やめて……」

慌てて沖田の手首を掴むが、沖田は動じない。

むしろ少し驚いたように目を細めた。
指先に伝わる、確かな柔らかさ。
沖田は一瞬だけ黙り込み、ぽつりと言う。

「やっぱり」

伊織の呼吸が浅くなる。

逃げ場はなかった。
沖田は笑っている。
だが、その笑みはいつもの軽さだけではない。

どこか楽しんでいるようで、どこか興味深そうで。沖田は少し首を傾げて言う。

「この秘密、新選組の皆に話したら面白そうだよね」

伊織の目が鋭くなる。
部屋の中に、張り詰めた沈黙が落ちた。

伊織の目が鋭くなる。

「……言えばいい」

沖田は少し驚いた顔をした。だがすぐに、楽しそうに笑う。

「強がるね」

伊織は視線を逸らさない。
「……何をすればいいんですか」

その言葉を聞いた瞬間、沖田の目が細くなった。面白いものを見つけた子供のような顔だった。

「簡単だよ」

沖田は耳元で、静かに囁いた。

「俺の玩具になって」

その言葉に、伊織の呼吸が一瞬止まる。
沖田はその反応を確かめるように、少しだけ笑った。

「嫌なら、今すぐ皆に言ってもいいけど」

沈黙が落ちる。
数秒後、伊織は低く言った。

「……わかりました」

その言葉が終わるより早く、沖田の手が伊織の後ろ髪を掴んだ。

ぐっと顔を引き寄せる。
次の瞬間、唇が重なった。

さっきとは違う。
軽いからかいではない。
深く、長い口づけだった。

「あ……んっ……」
入ってきた舌にねぶられて、伊織の体がびくりと震える。

沖田は逃がさないように肩を抱き寄せ、さらに強く唇を押し付ける。
しばらくしてようやく離れると、沖田は楽しそうに息を吐いた。


「これから退屈しなさそうだ」

 
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