R18沖田総司に求められ、傷つくのに惹かれ合うのをやめられない。土方歳三_新選組、新撰組、三角関係【淫花】

ふるふるん

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伊織への想い

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部屋は静かだった。

さっきまでの熱が嘘みたいに引いて、聞こえるのは伊織の浅い寝息だけだ。

腕の中にいる。
小さくて、柔らかくて、壊れそうで。

沖田は天井を見上げたまま、長く息を吐いた。

「……何やってるんだろうな、俺」

掠れた声が、誰にも聞かれないように落ちる。

腕の中の伊織が、わずかに動く。
それだけで胸がきしむ。

本当は。

こんなこと、するつもりじゃなかった。

最初に気づいたときから、わかっていた。
伊織が女だってことも。
必死に隠してることも。

それでも黙っていた。

言えば、ここにいられなくなるから。

……それが理由だったはずなのに。

「玩具、なんて」

自分の言葉を思い出して、沖田は小さく笑った。

ひどい言い方だ。

あんなふうに言えば、きっと傷つくとわかっていた。

でも。

そうでもしなければ、近づけなかった。

優しくしたら、きっと逃げる。
まともに想いを向けたら、あの子は困る。

だから。

軽く。
冗談みたいに。
遊びみたいに。

そうやって、自分をごまかした。

「……卑怯だな」

ぽつりと呟く。

伊織の髪に、指が触れる。
汗の残る額が、胸に寄りかかっている。

さっき。

名前を呼んだ。

――総司さん、好き。

その言葉が、まだ胸の奥で響いている。

沖田は目を閉じた。

「……嘘だろ」

自分に言い聞かせるように、呟く。

きっとあれは、流れだ。
秘密を握られているから。
ここにい続けるために。

そう思う方が、楽だった。

そうじゃなきゃ。

期待してしまう。

「俺なんか、好きになるわけない」

苦く笑う。

人を斬ることしかできない剣士。
いつ死ぬかわからない。

そんな男に、まともな恋なんて似合わない。

それでも。

腕の中の体温を感じると。

離したくないと思ってしまう。

沖田はゆっくりと腕を締めた。

伊織の髪に顔を埋める。

「……参ったな」

小さく笑う。

本当は。

どうしようもなく、好きなのに。

だからこそ、玩具なんて言葉で誤魔化すしかない。

まともに手を伸ばしたら、きっと壊してしまうから。

沖田は伊織の寝顔を見下ろした。

さっきまで泣きそうだった顔が、今は静かに眠っている。

胸が、痛い。

「……ごめん」

かすかな声で呟く。

でも。

それでも。

沖田は腕をほどかなかった。

「離せないんだよ」

誰にも聞こえない夜の中で、
そう呟いた。
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