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27.触れ合い
しおりを挟む「…ぁ…ふ…っ」
歯茎をなぞられ、舌をこすられて、強く吸い上げられる。
それだけで、背筋を甘く甘美な刺激が駆け抜ける。
身体が勝手に震えて、その震えを止めたくて、菜摘はいっそう強く、悠一の身体に抱きついて、その激しいキスを受け止めていた。
彼の掌は菜摘の身体を撫でて、何度も何度も、唇を塞いだ。
「ゆ、ちゃ…っ」
「…俺のこと煽って、お前、どうしたいの」
「…っ…」
「お前に手出したら、俺が後戻り出来ないってことぐらい、気がついてんだろ」
「きゃっ…!」
言うが早いか、悠一は菜摘の身体を抱き上げて、そのままスタスタと歩いてベッドに彼女の身体を押し倒した。
いつかと同じ体勢だ、仰向けに倒れる菜摘の目の前に、見下ろしてくる悠一の真剣な眼差しがある。
こくりと、唾を飲み込んで、彼の頬に手を伸ばすと、その指先が微かに触れていた。
「……今更だな」
「…悠一…?」
「…菜摘、めちゃくちゃ可愛い」
「ぁっ」
首筋に吸いつかれて、微かな痛みが走る。
きっと、洗面台の前にたったら、その鮮やかな鬱血に目を奪われることになるんだろう。
けれど、それでいいと思った。
それが欲しいと、菜摘は心から望んでいた。
悠一の掌が菜摘の胸に触れる。
服の上から揉みしだかれて、少しだけ痛い。
けれどそれ以上に、悠一が触れてくれているという感覚が菜摘の身体を喜びで支配させている。
口から溢れる吐息は甘くて、何かを求めているような、ねだるような声だ。
その声に煽られて、悠一の動きが性急なものに変わっているのだと、菜摘は本能で悟って、声を我慢することはしなかった。
彼が、もっともっと、自分に夢中になればいいと、そう願った。
お願い、私を遠ざけないで。
そう願うのは、紛れもなく、菜摘の女としての心だ。
悠一と離れたくない、別れたくない。
その理由がどこにあるか、何故か、菜摘はもうちゃんと自覚している。
「ゆ、いち…っ! ぁ、あっ」
肌に唇が触れて、何度も音を立てる。
ワンピースをまくりあげて、肌に触れた指先は微かに冷たかったが、すぐに体温と同化した。
胸を覆う布を、下げられて、直接掌が覆う。
彼の掌が動いている様が見て取れて、その光景に頬が紅潮した。
柔らかさを楽しむようにゆっくりと、優しく揉みしだかれて、腰が疼く。
身体の中から何かがにじみ出る様な感覚に襲われて、立てた膝を擦り合わせると、悠一が耳元で笑った。
「はっ…!」
「…色っぽい」
「ぁ、何、んんっ、や、あぁっゆーいち、だめ、みみ、やめて…っ」
「気持ちいいだろ?」
「…ふ、ぅん…っあ、あ…っ」
耳の中に侵入した舌がその中を蹂躙する。
脳内に直接響く淫らな水音に思考がドロドロに溶けてしまいそうだった。
胸に触れていた掌はそのままに、相手いた手が肌を滑る。
顕になった太ももを撫でられて、ゾクリと、甘い寒気が菜摘の身体を駆け抜けていく。
何かに追い立てられるように身体中に火を付けられて、救いを求めるように悠一に腕を伸ばすと、抱きつきやすいようにその身をかがめてくれた。
「ひぅ…っ」
「すげ…菜摘、本当に感じやすいのな」
額にキスをしながら、悠一はそんなことを言う。
その指先は、下着の上から、そのヒダを擦り上げて、入口をじれったいほどの仕草で掠めている。
くちくちと、絡む音が大きく聞こえてきているような気がして、菜摘は悠一に抱きつく腕に、力を込めて、顔を彼の肩口に埋めた。
「は、ぁ、あ、悠一、悠一…っ」
「…指、入れるぞ」
菜摘の頬にかかる彼の息も熱い。
荒く乱れて、何度も菜摘にキスをする。
入り込んできた指に、菜摘は一度だけ背を伸ばして、声を上げた。
新しく与えられた刺激に身体が痺れる。
自分のものじゃない、他の誰かの体温に、酔っていた。
身体の位置をずらして、服をまくりあげた彼はそのまま、菜摘の顕になっているその膨らみにもキスを落として、頂きを吸い上げた。
「ああっ…」
その熱い舌で押しつぶされて、歯を立てられる。
宥めるように撫でられて、だが入り込んだ指から送られてくる刺激は止まることを知らない。
いつか触れられたときに探り出されたその場所を強く、何度もこすられて、菜摘はあっけなくそのいただきに上りつめた。
「…は…っ…ん…」
「…菜摘は、素直でいい子だな」
「…ん…?」
いつもは、天邪鬼と言われる。付き合ってきた男には素直じゃない、本音を言わないと、そう言われるのに。
悠一は菜摘をそうだと言わなかった。
達したばかりの身体を宥めるように撫でられて、荒いだ呼吸が整うまで、彼は待っていてくれた。
漸く落ち着いた呼吸に、彼に縋るように腕を伸ばせば、ぎゅっと手を握られて、片腕だけで足を広げられてしまう。
開いた隙間に彼は素早く身体を滑り込ませて、その場所に身をかがめた。
「や、それや、悠一…っ」
「俺はしたい」
「あっだめ、だめっやだぁっあっ」
「…素直に気持ちよくなってろって、―――俺から、離れなくさせてやるから」
「ああっあ、は、ゆ、ちゃ…っん、ふ…ぅ…っ」
熱い舌が、溢れる蜜を舐めとって、ビリビリと、強い快感が身体を駆け抜けていく。
繋がれた手はそのままだ、少し痛いくらいに握られて、だがその痛覚が、悠一に触れられているという実感を菜摘に残している。
眦に溜まった涙が頬を伝い落ちて、ぎゅっと、彼の掌を握り返した。
「は、ぁ、あ、」
「菜摘、すごいここ、めっちゃ溢れてる」
指で、その粒を優しく押しつぶされて、腰が跳ねた。
誰のせいだ、他の誰でもこんなふうになどならない。
そう言いたいけれど、乱れた呼吸と、恥ずかしさを感じる理性がその言葉を音に載せてくれない。
せめてもの抗議の意味を込めて潤んだ瞳で睨みつけると、彼は「逆効果」だといって、笑った。
「ほら、もっかいいっとけ、菜摘のイク時の顔、またみたい」
「な、何いっ、あっ!」
再びナカに入り込んできた指が、最初から激しく動く。
彼の舌は何度も何度も粒を舐めて、吸い上げて、菜摘は自分の意識がふわふわと揺れて、どこかへ行ってしまいそうな気さえしていた。
身体を巡る快感を追い立てられて、爆発するのにそう時間はかからなかった。
大きな波が菜摘を襲って、足の指先でシーツを蹴った。
小刻みに震える身体を制御できず、彼のシャツと繋いだままの手を強く握り締めて、その快感をやり過ごすことしかできない。
漸く弛緩した身体をぐったりとベッドに預けていると、悠一は上半身を起こして、着ていた上着を脱ぎ捨てた。
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