BEST TIME

第5話

仕事が終わり、待ち合わせ場所に向かう。

既にいる、あの子が百合子。

「百合子、お久しぶり」

「１週間ぶりね、鈴」

と、顔を合わせ笑った。




そしてすこし歩いた所にあるファミレスに入り

席に座ると、百合子が不思議そうな顔をして

「なによ、話したくてうずうずした顔して。なにか報告でもあるの？」

「わかる？すごいことが起きたの。ふふ」

「焦らさなくていいって。なに？」





私は、一息ついて、
「青川優って百合子知ってる？」

「うん、よくテレビとか出てる。鈴が好きな歌手だよね。」

「私の会社の社長、青川さんと仲良くてね 社長達と食事した時、私 連絡先を交換したの！」

すると、鳩が豆鉄砲くらったような顔をして、

「青川優と？」

「そう！」


「はぁ。えっ、それで？連絡来たの？」

「うん、今日飲み会に誘われたんだけど予定あるって断ったの。」

「なんで断っちゃったの？私いいのに。」

「いいわけないよ。だって約束だったし会いたかったし。」




百合子はため息をつくと、

「あのね、私はいつでも会えるけど 青川優にはなかなか会えないよ。しかもまた呼んでもらえるとは限らない。それに鈴はいままでドタキャンしことないから1回くらい許されるもんよ。」

一気に言ってしまうと百合子は微笑んだ

「なに、百合子 優しいじゃない。」

「惜しいことしたわね。」

「期待してみるわ。」

「また何かあったら教えてちょうだい。」

そうして、夜が更けるまで話した。

青川さんは、有名人だから周りに女性の

呼ぶ人なんて、沢山いるだろうし

私ともっと話したいと言っていたけれど

口説き文句のようなものなのだろう。



そう 諦めにも似た笑みを浮かべ、夜空を見上げた。