7 / 34
第7話
しおりを挟む「ごめん 鈴ちゃん。 全然話せなかった。」
店を出ると青川さんは唐突につぶやいた。
「気を遣ってくれてありがとうございます。
いいんですよ、私は。誘われたこともご一緒出来たことも本当に嬉しかったです。」
そう微笑むと 彼も微笑した。
「ほんと、いい子だね。でもね、俺は 君と話したかったから呼んだんだよ。気になることがあるんだ。そうだ。なぁ、次は話そう。来週の土曜にバーベキューをやるんだ。おいでよ。」
「バーベキュー!楽しみです…ふふ。」
「あっ、今 毎週毎週、暇な奴だなと思っただろう。」
図星だったので顔を見合わせお腹を抱えて笑った。
「あはは、いいお肉楽しみにしていますね。」
「ちゃっかりしてるなぁ、はは」
心を許したようなその笑顔に私はとても優しさが溢れた。
なんだろう。この満ち足りた気持ちは。
私の中にこんなに美しい感情があったのかと
幸せな気分になった。
「また、詳しいことは連絡するね。」
そう言ってまたぶんぶんと手を振り
踵を返すと振り返りもせず真っ直ぐに行ってしまった。
多分、街の中の人たちはスーツ姿の彼に気付きは
しないのだろう。
だけど、私にはどこにいたってキラキラ輝く彼を神様が彼はここにいるよ、と囁きかけてくれるように
いつまでもいつまでも 見失わなかった。
本当に見えなくなってしまったら
私も踵を返した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる