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「ほんっとーに申し訳ございませんでした!」
美百合と摩睺羅伽が明星陽太という男に会ったその日。二人は招集に応じた。彼を戯人族の間に連れて。
初手でスライディング土下座をかました摩睺羅伽だが、誰もが陽太に注目していた。
顔を合わせることが叶わない相手だと諦めていた男。
落ち着いた雰囲気の持ち主だが明るくて、誰よりも構われがちな彼。人間と結ばれ子を成すという、突拍子もないことをしでかしたヤツでもある。
「まさか朱雀様の生まれ変わりだなんて……」
緊急招集には学校にいる夜叉をのぞいた、ほとんどの戯人族が応じた。
その中には鬼子母神と毘沙門天も含まれている。特に鬼子母神の初恋相手は朱雀なので涙さえ浮かべていた。
「俺は朱雀、という名前だったのか……」
陽太改め朱雀は、かつての名前や仲間のことを覚えていなかった。しかし、青龍の以前の名前を知っていることが何よりの証拠だ。
「びっくり……。全く気付かなかったよ」
この場にはハルモニアも訪れていた。白い手袋をつけた彼女の手にはタブレット。
天界のこども園を管理する彼女がこの場に降りることは滅多にない。
「履歴も残ってないなぁ……」
「そんなことがあるのか?」
白虎がのぞきこむのでハルモニアは腰をかがめた。
「朝来も夜叉ちゃん……朱里もそうだったでしょ。魔王は自分で年齢も見た目も操作できる……。今世で最後にするって言ってたけど」
「いずれも我々の仲間、ないし元仲間か……。我らのほとんどが戯人族に生まれ変わってから死んだことがない。検証のしようがないな」
「んー……考えられるとしたら現実世界で転生してる、かな……。悪魔君パターン」
「……なんだ。その悪魔君パターンって」
「あれ、知らない?」
ハルモニアだけが分かっている流れに一同が沈黙した。美百合が熱い紅茶をすする音だけが響く。
「朱雀様……? すー様!?」
部屋の出入口に現れたのは舞花だった。
普段、落ち着き払った様子しか見せない彼女が肩で息をしている。着物の裾の端が伸びていた。
彼女は紅にまとわりついた髪を耳にかけた。艶やかな様子だが唇は震えている。襟元を整えると朱雀に駆け寄った。
「うぉっ!?」
陽太はとっさに華奢な体を受け止めた。顔を赤らめる様子は女性に慣れていなようで。鬼子母神は”かわいっ……!”と新たな扉を開きかけている。
「待ちなさい、舞花どの。今の彼は……」
青龍が肩に手をかけるが、舞花は朱雀にしがみついたまま。彼のジャケットには次第に染みができた。
朱雀は客間に通され、スマホを取り出した。
残念ながら圏外だ。不思議な空間を撮影しようとカメラを向けるが、なぜかシャッターボタンを押せなかった。
「ここは撮影禁止よ」
麗しい声に振り向くと、白髪の少女が立っていた。
「君は……歌手だったね」
「えぇ。歌うことが好きなの」
「聴いたことあるよ。会社の同僚にも君を好きな人がたくさんい……」
「どうしたの?」
朱雀はスマホを取り落とすと頭を抱えた。
美百合と話していると、記憶にない情景が浮かんできた。
忍び装束をまとって野山を駆けた。
里が火に覆われ、妹と命からがら逃げだした。
新たな地で仲間ができた。
隣村からの襲撃で幸せな日常は閉ざされた。
生き残り、不思議な力と永遠の命を手に入れた。
宿敵と妹が結ばれ、妹は人知れず命を絶った。
人間と恋に落ち、娘が生まれた。
(俺はなんてことを……!)
あんなに愛した妻と娘はおろか、長年共に歩んだ仲間すら忘れてしまっていた。唯一の肉親でさえも。
脳裏に映し出される情景は激しい頭痛が伴う。後悔も相まって。
「舞花……夜叉……すまない……」
「陽太?」
美百合の小さな声音に現実に引き戻された。ような気がした。
朱雀は眉間を揉むと、ソファから立ち上がった。
「全て思い出したよ……。頭領たちの元へ行かないとな」
今の朱雀は舞花とほぼ同じ色を持っている。赤い髪に橙色の瞳。
「それにしても面影がそのまんま……」
朱雀の部屋に集まったのは、現在の部屋の主である舞花と頭領たち。
舞花は人目もはばからず朱雀の頬をなでた。
「そうかな? でも……お前と同じ要素を持って再び出会えて、何か運命めいたものを感じるよ」
「……おっほん」
わざとらしい咳払いをしたのは青龍だった。白虎と玄武は気まずそうに視線を外している。
名残惜しそうな顔をして離れた二人だが、手をつないだままだ。
「俺は……俺たちは、人を愛することで火を放ってしまう性質を持っていた。それは先祖代々続いてたんだ……。だが、俺たちは忍びの里を出ることになった。朱里はそのことをよく知らずに生きてしまった。俺もまた、いつしか忘れてしまっていた……」
「お前の死因は鬼子母神が調べ当てたよ。まさかとは思ったが本当だったんだな」
「あぁ。俺が発する火が誰かを巻き込まないよう、暁……朝来に介錯を頼んだ……。あいつには酷なことをしてしまった」
その火で妻の命を奪ったことも知ったのだろう。二人がつなぐ手に力が加わった。
「麒麟……いや、朱里はそれが耐えられなかったのだろう。朝来のことを二度と思い出さぬよう、自己暗示をかけて自害したんじゃないかな……。あるいは誰にも知られない場所で、俺のように燃え消えてしまったとか……」
「夜叉もその血を引いている……ということでありんすか」
全員が息をのんだ。朱雀によって放たれた炎は江戸の町を覆った。二日間かけて。頭領たちにとってその記憶は新しい。
しかし、朱雀の力強い声が最悪の未来を払拭させた。
「あぁ。だが、舞花の血も引いている。薄まっているんじゃないかな。……それを祈りたいところだ」
「ようござんした……。まひるを産んでも何もないのはそういうことでありんしたか」
「そうか。もうそんな歳なのか……」
まだ娘と顔を合わせていない朱雀は突然、父親の顔を見せた。
「……高校生でござんす」
舞花は口元を袖で押さえると、初めて朱雀から視線を外した。
「は?」
口を開けたまま固まる朱雀は、部屋の隅で小さくなっている朝来に視線を移した。
久しぶりの再会だというのに喜ぶどころか、気まずそうにしていることが妙に気になった。
他の頭領たちも床や天井を見つめて押し黙っている。
「舞花、そういう話は追々……」
「朝来。義理の父上にあいさつしなんし。いくら親友のような間柄であったとしてもケジメは……」
「あさきぃぃぃ!」
その瞬間、朱雀は朝来に飛びつき、肩を掴んだ。ガクガクと首を揺らして”よくも娘を……!”と凄んでいる。
しかし、舞花だけは冷静だった。それまで朱雀族の少女にあやされていた孫を抱き、朱雀に顔を見せた。
「でも……孫は可愛いでしょう? すー様も抱いてあげなんし」
「あ……俺は……」
赤子に顔を綻ばせた彼だが、遠慮がちに一歩退いた。
「もしかして結婚してるのかい? 恋人とか……」
「いや、独身だ。彼女もいない。今は明星陽太であってこの子のじーさんでは……」
「魂は朱雀だろ」
肩を解放された朝来は、彼の広い背中をバシンと叩いた。まひるがその音に驚いたようだが、朱雀に向かって手を伸ばし始めた。
「夜叉も直に帰ってきんす。最近は文化祭の準備で忙しいようで」
「そうか、そんな時期か! 青春だな」
「きっと彼女にとって、最後の地上での思い出だから……」
「どういうことだ?」
美百合と摩睺羅伽が明星陽太という男に会ったその日。二人は招集に応じた。彼を戯人族の間に連れて。
初手でスライディング土下座をかました摩睺羅伽だが、誰もが陽太に注目していた。
顔を合わせることが叶わない相手だと諦めていた男。
落ち着いた雰囲気の持ち主だが明るくて、誰よりも構われがちな彼。人間と結ばれ子を成すという、突拍子もないことをしでかしたヤツでもある。
「まさか朱雀様の生まれ変わりだなんて……」
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その中には鬼子母神と毘沙門天も含まれている。特に鬼子母神の初恋相手は朱雀なので涙さえ浮かべていた。
「俺は朱雀、という名前だったのか……」
陽太改め朱雀は、かつての名前や仲間のことを覚えていなかった。しかし、青龍の以前の名前を知っていることが何よりの証拠だ。
「びっくり……。全く気付かなかったよ」
この場にはハルモニアも訪れていた。白い手袋をつけた彼女の手にはタブレット。
天界のこども園を管理する彼女がこの場に降りることは滅多にない。
「履歴も残ってないなぁ……」
「そんなことがあるのか?」
白虎がのぞきこむのでハルモニアは腰をかがめた。
「朝来も夜叉ちゃん……朱里もそうだったでしょ。魔王は自分で年齢も見た目も操作できる……。今世で最後にするって言ってたけど」
「いずれも我々の仲間、ないし元仲間か……。我らのほとんどが戯人族に生まれ変わってから死んだことがない。検証のしようがないな」
「んー……考えられるとしたら現実世界で転生してる、かな……。悪魔君パターン」
「……なんだ。その悪魔君パターンって」
「あれ、知らない?」
ハルモニアだけが分かっている流れに一同が沈黙した。美百合が熱い紅茶をすする音だけが響く。
「朱雀様……? すー様!?」
部屋の出入口に現れたのは舞花だった。
普段、落ち着き払った様子しか見せない彼女が肩で息をしている。着物の裾の端が伸びていた。
彼女は紅にまとわりついた髪を耳にかけた。艶やかな様子だが唇は震えている。襟元を整えると朱雀に駆け寄った。
「うぉっ!?」
陽太はとっさに華奢な体を受け止めた。顔を赤らめる様子は女性に慣れていなようで。鬼子母神は”かわいっ……!”と新たな扉を開きかけている。
「待ちなさい、舞花どの。今の彼は……」
青龍が肩に手をかけるが、舞花は朱雀にしがみついたまま。彼のジャケットには次第に染みができた。
朱雀は客間に通され、スマホを取り出した。
残念ながら圏外だ。不思議な空間を撮影しようとカメラを向けるが、なぜかシャッターボタンを押せなかった。
「ここは撮影禁止よ」
麗しい声に振り向くと、白髪の少女が立っていた。
「君は……歌手だったね」
「えぇ。歌うことが好きなの」
「聴いたことあるよ。会社の同僚にも君を好きな人がたくさんい……」
「どうしたの?」
朱雀はスマホを取り落とすと頭を抱えた。
美百合と話していると、記憶にない情景が浮かんできた。
忍び装束をまとって野山を駆けた。
里が火に覆われ、妹と命からがら逃げだした。
新たな地で仲間ができた。
隣村からの襲撃で幸せな日常は閉ざされた。
生き残り、不思議な力と永遠の命を手に入れた。
宿敵と妹が結ばれ、妹は人知れず命を絶った。
人間と恋に落ち、娘が生まれた。
(俺はなんてことを……!)
あんなに愛した妻と娘はおろか、長年共に歩んだ仲間すら忘れてしまっていた。唯一の肉親でさえも。
脳裏に映し出される情景は激しい頭痛が伴う。後悔も相まって。
「舞花……夜叉……すまない……」
「陽太?」
美百合の小さな声音に現実に引き戻された。ような気がした。
朱雀は眉間を揉むと、ソファから立ち上がった。
「全て思い出したよ……。頭領たちの元へ行かないとな」
今の朱雀は舞花とほぼ同じ色を持っている。赤い髪に橙色の瞳。
「それにしても面影がそのまんま……」
朱雀の部屋に集まったのは、現在の部屋の主である舞花と頭領たち。
舞花は人目もはばからず朱雀の頬をなでた。
「そうかな? でも……お前と同じ要素を持って再び出会えて、何か運命めいたものを感じるよ」
「……おっほん」
わざとらしい咳払いをしたのは青龍だった。白虎と玄武は気まずそうに視線を外している。
名残惜しそうな顔をして離れた二人だが、手をつないだままだ。
「俺は……俺たちは、人を愛することで火を放ってしまう性質を持っていた。それは先祖代々続いてたんだ……。だが、俺たちは忍びの里を出ることになった。朱里はそのことをよく知らずに生きてしまった。俺もまた、いつしか忘れてしまっていた……」
「お前の死因は鬼子母神が調べ当てたよ。まさかとは思ったが本当だったんだな」
「あぁ。俺が発する火が誰かを巻き込まないよう、暁……朝来に介錯を頼んだ……。あいつには酷なことをしてしまった」
その火で妻の命を奪ったことも知ったのだろう。二人がつなぐ手に力が加わった。
「麒麟……いや、朱里はそれが耐えられなかったのだろう。朝来のことを二度と思い出さぬよう、自己暗示をかけて自害したんじゃないかな……。あるいは誰にも知られない場所で、俺のように燃え消えてしまったとか……」
「夜叉もその血を引いている……ということでありんすか」
全員が息をのんだ。朱雀によって放たれた炎は江戸の町を覆った。二日間かけて。頭領たちにとってその記憶は新しい。
しかし、朱雀の力強い声が最悪の未来を払拭させた。
「あぁ。だが、舞花の血も引いている。薄まっているんじゃないかな。……それを祈りたいところだ」
「ようござんした……。まひるを産んでも何もないのはそういうことでありんしたか」
「そうか。もうそんな歳なのか……」
まだ娘と顔を合わせていない朱雀は突然、父親の顔を見せた。
「……高校生でござんす」
舞花は口元を袖で押さえると、初めて朱雀から視線を外した。
「は?」
口を開けたまま固まる朱雀は、部屋の隅で小さくなっている朝来に視線を移した。
久しぶりの再会だというのに喜ぶどころか、気まずそうにしていることが妙に気になった。
他の頭領たちも床や天井を見つめて押し黙っている。
「舞花、そういう話は追々……」
「朝来。義理の父上にあいさつしなんし。いくら親友のような間柄であったとしてもケジメは……」
「あさきぃぃぃ!」
その瞬間、朱雀は朝来に飛びつき、肩を掴んだ。ガクガクと首を揺らして”よくも娘を……!”と凄んでいる。
しかし、舞花だけは冷静だった。それまで朱雀族の少女にあやされていた孫を抱き、朱雀に顔を見せた。
「でも……孫は可愛いでしょう? すー様も抱いてあげなんし」
「あ……俺は……」
赤子に顔を綻ばせた彼だが、遠慮がちに一歩退いた。
「もしかして結婚してるのかい? 恋人とか……」
「いや、独身だ。彼女もいない。今は明星陽太であってこの子のじーさんでは……」
「魂は朱雀だろ」
肩を解放された朝来は、彼の広い背中をバシンと叩いた。まひるがその音に驚いたようだが、朱雀に向かって手を伸ばし始めた。
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