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3章
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翼がキッチンに入ると、アヤトは今までの態度とは一変して睦月に笑いかけた。
「お前は高校生なのに自分を持っているんだな」
「急になんだよ……。チャラ男に言われても嬉しくねー……」
「素直に受け取れよ。それと俺のことはアヤトさんと呼べ」
「悪かったよ……」
その”悪かった”にはいろんな意味が含まれているのだろう。睦月はここに来てから一番おとなしい表情でつぶやいた。
「今までも葉月ちゃんにやめとけって言ってきたのか?」
「言ったよ。でもアイツは相手にしてくれねーんだ。俺が子どもだからまだ何も分からないんだって言われちまう」
「それはもったいないな……。彼女にはこうも考えてくれる男がいるのにな」
「アヤト……さんたちは、他の大人とは違うんだな」
「まぁ魔女と魔女の手下だからね。悩める子羊たちの味方さ」
キッチンから戻ってきた翼が苦笑いをした。ここに何人も相談者が来たが、魔女と直接呼んだのは睦月が初めてだからだろう。
「ウチのじーちゃんとばーちゃんが言ってた。この家には昔魔女がいて、最近戻ってきたって」
正確には魔女の孫だが、細かいことは説明しなくてもいいだろう。翼は二人が対峙してないことに胸をなで下ろし、どら焼きを手に取った。
「葉月さんのことをよく知ってるようだから話すけど、確かに昨日来たよ。でもこちらからは特に何も言わなかった……し、何も言えなかった。不倫相手に入れ込んでるようで、こちらの言うことに耳を貸してくれなかった」
睦月は”そうか……”と息を吐きながら目を伏せた。
「子どもじゃ何もできないんだな……」
そう嘆息する横顔は子どもらしくない憂いを帯びていた。
アヤトは足を組むと膝を手で押さえ、睦月の自嘲に首を振った。
「子どもだからこそできることがあるんじゃないか? 大人だったら躊躇して言えないこともあるけど、お前ならなんでも葉月ちゃんに言える。やってみないか?」
睦月の顔がパァッと明るくなった。さっきまでの表情が嘘みたいだ。表情がくるくると変わる無邪気さはやはり高校生。暗い表情よりずっといい、と翼は安心してほほえんだ。
「それでどうすればいいんだ?」
「お前を大人にする。葉月ちゃんがホレちまうくらいのイケた男にな」
「はぁ……?」
固まった睦月に、アヤトはウインクして頬杖をついた。
「ここにいるのは魔女と手下だぜ? 出来ないことは無いさ」
「アヤトあんた……それ以上は言わない方が……」
睦月が話についていけていない間に耳打ちすると、アヤトは翼の耳に唇を寄せた。
「……子どもには夢を与えるくらいの話がちょうどいいんだよ」
翼が眉をひそめると、睦月は頬を爪でかきながら視線をそらした。
「よく分からんけど……とりあえず葉月ちゃんってのやめろよ」
「え、いいじゃん」
「俺はお前よりもアイツのことを知ってるんだ。馴れ馴れしく呼ぶな」
「おー怖。嫉妬か?」
「うるさい!」
真っ赤な顔で頬を膨らませた睦月の顔は可愛い。翼がこらえきれずに吹き出すと、彼は後ろ手で頭をかきながらうつむいた。葉月と同じ大人の女性には強く出ることができないらしい。
「あのさ……やっぱり俺、自分でなんとかするよ」
「大丈夫なの……?」
もしかしてアヤトがいじめ過ぎて嫌になったのだろうか。それともアヤトの提案にこの家はヤバいと危険を察知したのか……。しかし、翼の不安を拭い去るように睦月は鼻の下をかいて笑った。
「うん。魔女の力で俺が大人になれたとしてもそれは、俺が頑張ったことにはならん気がするから」
「お前がそれでいいなら俺らは無理に引き止めないよ。頑張れとだけ言っておく」
「ありがとう。話を聞いてくれただけでも助かったから……もう大丈夫」
睦月は少しだけ笑うと、立ち上がって翼に手を合わせた。
「ごちそうさま。……急に来てごめん」
「ううん。こっちは慣れてるから気にしないで」
「そっか。お茶もありがとう。魔女が淹れたのは一味違うんだな」
「そう……? あ、ありがと」
睦月がこの家を出た後、翼はテーブルの上を片付けていた。トレーにマグカップやお菓子用の小さなカゴを載せる。
「睦月君、大丈夫かな……」
「大丈夫だろ。態度は生意気だけどしっかりしてる」
「意外と高く買ってるじゃない……。最初から優しくしてあげたらよかったのに」
「優しさは君が与えるだろ」
「何それ」
アヤトは”別にー?”とはぐらかし、”もうすぐ出勤するね”とだけ言い残して自室へ引っ込んだ。
「あ、ちょっと! もう……」
消えた彼の背中を追うように階段を見つめたが、テーブルを拭き始めた。アヤトが時々イタいことを言う悪魔なのは、今に始まったことではない。
翼自身も睦月のことはあまり心配していない。タメ口だが思いやりのある高校生だと思う。人の悩みに親身になれるというか。
むしろ心配なのは葉月の方だが、彼女が再びここに来ることは無いだろう。きっと睦月がなんとかする。
翼とアヤトが揉め事に巻き込まれる心配はなさそうだ……なんて薄情なことは考えてはいないが、睦月の方がうまく立ち回れるのではないかと思えた。
しばらくするとアヤトが二階から下りてきたので、玄関まで見送ることにした。
「ねぇ、最近思ったんだけど」
「何? 俺のカッコよさに気づいてホレそう、とか?」
「違うわバーカ」
アヤトは革靴に足を滑り入れ、振り向いて翼に向かって片目を閉じた。しかし彼女は半目で悪態をつく。
「あんたの出勤スタイル。たまに早く出てくよね。なんで?」
「あれ、翼ちゃん詳しいね。もしかして俺の店のこと調べてくれたの?」
「前に自分で言ってたじゃない」
「あぁ、もしかして早くに俺が出発して寂しかった?」
「なんでそういうことばっか……」
翼が呆れていると、アヤトは立ち上がった。ジャケットのシワを伸ばしながら。
「夕方の慌ただしい街を散歩するのが好きなんだよ。サラリーマンとかOLがやっと仕事が終わった~呑みに行くぞ~さっさと帰るぞ~って、気が抜けてる顔を見るのが楽しい」
「人の顔を見て楽しいとか変なヤツだな……」
「いやいや。翼ちゃんが考えてるような失礼なことは思ってないよ! なんかいいじゃん、一生懸命仕事した後に笑いながら帰ってる人って」
「ふーん……」
せわしない生活とは縁がないからこその言葉なのか。アヤトの考えていることは未だに理解が追いつかない。
彼は今日も、田舎だと目立つであろうスリーピース。ジャケットの襟を引っ張って整えた後、翼の頬をつついて笑いかけた。
「でも俺、翼ちゃんはキッツい仕事をした後よりも、人助けをしてお礼の手紙呼んでる時の顔が好き」
「え────?」
「それじゃあ今度こそ行ってくるよ。戸締りはしっかりね」
赤い顔で惚けている翼にそれだけ言い残し、アヤトはドアの向こうへ消えた。
翼は頭をブンブンと振って照れを追い払い、足音を響かせてキッチンへ戻った。
(アイツはホストだからあぁいうのは口をついて出るんだろうな……。私はただの同居人で、昔願いを叶えた女性の孫……)
自分でも驚くほど、彼にほだされ狼狽えさせられてしまった。自分は彼の中で”特別”になっているのではないかと勘違いしかけるほどに。
翼は両手でぴしゃりと頬を叩き、キッチンへ戻った。顔のいい男に甘い言葉を言われたくらいで揺らいではいけない。彼は悪魔でありホスト。恋愛対象にしてはいけない相手だ。
彼女は顔をキリッと引き締め気持ちを落ち着け、流し台に置いたマグカップを洗い始めた。
「お前は高校生なのに自分を持っているんだな」
「急になんだよ……。チャラ男に言われても嬉しくねー……」
「素直に受け取れよ。それと俺のことはアヤトさんと呼べ」
「悪かったよ……」
その”悪かった”にはいろんな意味が含まれているのだろう。睦月はここに来てから一番おとなしい表情でつぶやいた。
「今までも葉月ちゃんにやめとけって言ってきたのか?」
「言ったよ。でもアイツは相手にしてくれねーんだ。俺が子どもだからまだ何も分からないんだって言われちまう」
「それはもったいないな……。彼女にはこうも考えてくれる男がいるのにな」
「アヤト……さんたちは、他の大人とは違うんだな」
「まぁ魔女と魔女の手下だからね。悩める子羊たちの味方さ」
キッチンから戻ってきた翼が苦笑いをした。ここに何人も相談者が来たが、魔女と直接呼んだのは睦月が初めてだからだろう。
「ウチのじーちゃんとばーちゃんが言ってた。この家には昔魔女がいて、最近戻ってきたって」
正確には魔女の孫だが、細かいことは説明しなくてもいいだろう。翼は二人が対峙してないことに胸をなで下ろし、どら焼きを手に取った。
「葉月さんのことをよく知ってるようだから話すけど、確かに昨日来たよ。でもこちらからは特に何も言わなかった……し、何も言えなかった。不倫相手に入れ込んでるようで、こちらの言うことに耳を貸してくれなかった」
睦月は”そうか……”と息を吐きながら目を伏せた。
「子どもじゃ何もできないんだな……」
そう嘆息する横顔は子どもらしくない憂いを帯びていた。
アヤトは足を組むと膝を手で押さえ、睦月の自嘲に首を振った。
「子どもだからこそできることがあるんじゃないか? 大人だったら躊躇して言えないこともあるけど、お前ならなんでも葉月ちゃんに言える。やってみないか?」
睦月の顔がパァッと明るくなった。さっきまでの表情が嘘みたいだ。表情がくるくると変わる無邪気さはやはり高校生。暗い表情よりずっといい、と翼は安心してほほえんだ。
「それでどうすればいいんだ?」
「お前を大人にする。葉月ちゃんがホレちまうくらいのイケた男にな」
「はぁ……?」
固まった睦月に、アヤトはウインクして頬杖をついた。
「ここにいるのは魔女と手下だぜ? 出来ないことは無いさ」
「アヤトあんた……それ以上は言わない方が……」
睦月が話についていけていない間に耳打ちすると、アヤトは翼の耳に唇を寄せた。
「……子どもには夢を与えるくらいの話がちょうどいいんだよ」
翼が眉をひそめると、睦月は頬を爪でかきながら視線をそらした。
「よく分からんけど……とりあえず葉月ちゃんってのやめろよ」
「え、いいじゃん」
「俺はお前よりもアイツのことを知ってるんだ。馴れ馴れしく呼ぶな」
「おー怖。嫉妬か?」
「うるさい!」
真っ赤な顔で頬を膨らませた睦月の顔は可愛い。翼がこらえきれずに吹き出すと、彼は後ろ手で頭をかきながらうつむいた。葉月と同じ大人の女性には強く出ることができないらしい。
「あのさ……やっぱり俺、自分でなんとかするよ」
「大丈夫なの……?」
もしかしてアヤトがいじめ過ぎて嫌になったのだろうか。それともアヤトの提案にこの家はヤバいと危険を察知したのか……。しかし、翼の不安を拭い去るように睦月は鼻の下をかいて笑った。
「うん。魔女の力で俺が大人になれたとしてもそれは、俺が頑張ったことにはならん気がするから」
「お前がそれでいいなら俺らは無理に引き止めないよ。頑張れとだけ言っておく」
「ありがとう。話を聞いてくれただけでも助かったから……もう大丈夫」
睦月は少しだけ笑うと、立ち上がって翼に手を合わせた。
「ごちそうさま。……急に来てごめん」
「ううん。こっちは慣れてるから気にしないで」
「そっか。お茶もありがとう。魔女が淹れたのは一味違うんだな」
「そう……? あ、ありがと」
睦月がこの家を出た後、翼はテーブルの上を片付けていた。トレーにマグカップやお菓子用の小さなカゴを載せる。
「睦月君、大丈夫かな……」
「大丈夫だろ。態度は生意気だけどしっかりしてる」
「意外と高く買ってるじゃない……。最初から優しくしてあげたらよかったのに」
「優しさは君が与えるだろ」
「何それ」
アヤトは”別にー?”とはぐらかし、”もうすぐ出勤するね”とだけ言い残して自室へ引っ込んだ。
「あ、ちょっと! もう……」
消えた彼の背中を追うように階段を見つめたが、テーブルを拭き始めた。アヤトが時々イタいことを言う悪魔なのは、今に始まったことではない。
翼自身も睦月のことはあまり心配していない。タメ口だが思いやりのある高校生だと思う。人の悩みに親身になれるというか。
むしろ心配なのは葉月の方だが、彼女が再びここに来ることは無いだろう。きっと睦月がなんとかする。
翼とアヤトが揉め事に巻き込まれる心配はなさそうだ……なんて薄情なことは考えてはいないが、睦月の方がうまく立ち回れるのではないかと思えた。
しばらくするとアヤトが二階から下りてきたので、玄関まで見送ることにした。
「ねぇ、最近思ったんだけど」
「何? 俺のカッコよさに気づいてホレそう、とか?」
「違うわバーカ」
アヤトは革靴に足を滑り入れ、振り向いて翼に向かって片目を閉じた。しかし彼女は半目で悪態をつく。
「あんたの出勤スタイル。たまに早く出てくよね。なんで?」
「あれ、翼ちゃん詳しいね。もしかして俺の店のこと調べてくれたの?」
「前に自分で言ってたじゃない」
「あぁ、もしかして早くに俺が出発して寂しかった?」
「なんでそういうことばっか……」
翼が呆れていると、アヤトは立ち上がった。ジャケットのシワを伸ばしながら。
「夕方の慌ただしい街を散歩するのが好きなんだよ。サラリーマンとかOLがやっと仕事が終わった~呑みに行くぞ~さっさと帰るぞ~って、気が抜けてる顔を見るのが楽しい」
「人の顔を見て楽しいとか変なヤツだな……」
「いやいや。翼ちゃんが考えてるような失礼なことは思ってないよ! なんかいいじゃん、一生懸命仕事した後に笑いながら帰ってる人って」
「ふーん……」
せわしない生活とは縁がないからこその言葉なのか。アヤトの考えていることは未だに理解が追いつかない。
彼は今日も、田舎だと目立つであろうスリーピース。ジャケットの襟を引っ張って整えた後、翼の頬をつついて笑いかけた。
「でも俺、翼ちゃんはキッツい仕事をした後よりも、人助けをしてお礼の手紙呼んでる時の顔が好き」
「え────?」
「それじゃあ今度こそ行ってくるよ。戸締りはしっかりね」
赤い顔で惚けている翼にそれだけ言い残し、アヤトはドアの向こうへ消えた。
翼は頭をブンブンと振って照れを追い払い、足音を響かせてキッチンへ戻った。
(アイツはホストだからあぁいうのは口をついて出るんだろうな……。私はただの同居人で、昔願いを叶えた女性の孫……)
自分でも驚くほど、彼にほだされ狼狽えさせられてしまった。自分は彼の中で”特別”になっているのではないかと勘違いしかけるほどに。
翼は両手でぴしゃりと頬を叩き、キッチンへ戻った。顔のいい男に甘い言葉を言われたくらいで揺らいではいけない。彼は悪魔でありホスト。恋愛対象にしてはいけない相手だ。
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