咲かない桜

御伽 白

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2.5章

Part 99 『あれ? それだけで終わり?』

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 「あのなぁ、楽しみなのは分かるけど、あんまり動き回ってると逸れるんだから」

 遊園地の中に入ってすぐにサクヤを叱る。この妖精、俺よりも年上とか言ってたけど、精神年齢は、俺よりもずいぶん幼いのだ。

 いや、たまに達観したりしてるけど、基本的には無邪気なままなのだ。

 「あはは、すみません。初の遊園地にテンション上がっちゃって・・・」

 頭を軽く掻きながら笑って誤魔化そうとするサクヤの頬を引っ張りながら「次、勝手にどっか行ったらデコピンな。」そう言って指を離す。

 「痛いです。」と頬をさすりながら恨めしそうな声をするサクヤを無視する。

 「お兄さん、あの・・・」

 ユキが遠慮がちに俺に声をかけてくる。もしかしたら、頬を引っ張ったの怖いやつだと思われたのかと一瞬、不安になったが、どうやら違うようで言葉を続けた。

 「凛お姉さんがあの、ちょっと、遠くでこっちを見てるんですけど・・・」

 「はい?」

 そう言って、ユキの視線の先のかなり離れた場所でこちらをじっと見ている凛の姿が・・・

 いや、なんでそんな遠くにいるの!? 

 「ていうか、凛はダメだから、一回はぐれたらほんとに会えなくなっちゃうから!」

 俺は、慌てて凛に駆け寄る。あの才能とも言える迷子が発動したらもうどうしようもなくなってしまう。

 「なんで、勝手に移動するんだ。凛まで・・・」

 「ごめん。反省してる。」

 軽く頭を下げる凛の姿を見てなんだか楽しそうにしているのを邪魔したような気持ちになる。

 「まあ、反省してるなら良いけどさ・・・次からは気をつけてくれよな」

 コクコクと頷いて凛はじっとこちらを見つめている。何故か顔を差し出すように近ずけているような・・・

 「・・・なに? え、どうしたの? 亀みたいに顔を伸ばして・・・」

 「・・・・・・」

 俺がそう尋ねると凛はとんでもなく不満そうな顔をして、俺に手を伸ばして頬をつねった。しかも、手加減抜きの本気だ。頬がちぎれるんじゃないかと思うほど強くつねられて俺は慌てて凛の腕を引き剥がす。

 「痛い、痛い! え? なんで!? なんで? 俺つねられたの?」

 「行こう。みんな待ってる。」

 そう言って凛は、俺を置いて皆の元へ戻っていった。な、何がしたかったと言うのか・・・

 頬をさすりながら俺もみんなの元へ戻るとコンが「モテるのも辛いっすね~ただ、同情はしないっすよ~」と笑っているのに目が全然笑っていない不自然な笑顔を浮かべてそんなことを言うのでちょっとだけ怖かった。
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