101 / 352
2.5章
Part 101 『絶叫フルコース』
しおりを挟む
実際に体験してみると想像の数倍、振り回された。目が回ると言うよりは、内臓をぐるぐると回されるような感覚だ。
「なんか、やつれました? 峰さん」
サクヤが俺の顔を覗き込みながらそう尋ねてくる。サクヤはこういう乗り物は平気なタイプなようでキャーキャー言いながら体を振り回していた。
「え? 別に全然、余裕だけど? ああ、楽しすぎてもう一回乗りたいぐらいだ。」
なんとなく、サクヤが平気そうなのに自分だけダメージを負っているのが悔しくてついつい強がりが口に出た。
「あ、そうなんですか!? じゃあ、もう一回乗ります!?」
こいつ・・・実は分かってて言ってるんじゃないだろうな・・・
「いや、他にもアトラクションはあるし・・・次、行こうぜ・・・」
そう言って歩き出そうとすると後ろから、凛が俺の肩を軽く叩いた。
「日向が乗りたいならもう一回乗っても良い」
笑顔でそう言ってくる。やめて、そういう方向の優しさはいらないの・・・
「私も大丈夫です!」
ユキはかなり楽しかったようで、少し普段よりも元気にそう言った。
だめだ。このままだと、内臓を全て吐き出して死ぬかもしれない。いや、どんな拷問されたらそんな死に方するんだ。
コンに助けを求める視線を送ると「しゃーないっすね」とやれやれと言った表情を浮かべ「さすがにもう一回一席確保するのは、難しいっすね・・・残念っすけど、次のアトラクション行きましょうっす。」と3人に声をかけてくれた。
そういうと流石の3人も諦めたらしく、次のアトラクションに向かって歩き始めた。
「貸しっすからね。」
歩き出す女性陣達の後ろを歩く俺にコンが声をかけてくる。
「ああ、ソフトクリームでもなんでも奢るよ・・・」
「ていうか、なんであんな無意味な嘘を吐いたんっすか・・・」
「なんか、俺だけきついとかなんか悔しいだろ・・・」
「男の子っすね~」
茶化すように笑うコンに少しムッとして「いや、お前も男子だろ・・・」と返すと「まあ、気持ちはわかるっすけどね。」とフォローを入れた。
「でも、峰さんは、そういう見栄とかとは無縁だと思ってたっすよ。」
「好きな子の前ぐらいちょっとは無理してでも見栄はるよ。」
「サクヤさんっすか」
コンがハッキリとそう言うので少し面を食らってしまった。そうハッキリと言われると少し照れるものがある。
「そんな、あからさまに照れないでくださいっす。」
「いや、最近、意識し始めたから、なんか改めて言われると恥ずかしくってさ・・・」
「難しいと思うっすよ。人間と妖怪は有りようが違うっす・・・特にサクヤさんは」
真面目な表情を浮かべてコンは俺にそう言う。サクヤは、普通の人には姿が見えない。人間の体を持っているコン達とは根本から違う。けれど、そんな事は分かっている。
「大丈夫だよ。姿が見えないって言ったって俺は見えるし触れるんだから・・・」
そう言うとコンは何故か驚いた表情を浮かべたかと思うとすぐに「ああ、なるほど・・・」と何かに納得したようにそう呟いた。
「なんだよ。」
「峰さん・・・いや・・・本気で好きなんだなと思っただけっすよ。頑張ってくださいっす。応援してるっすよ!」
そう言ってコンは俺を茶化すように言った。
「ただ、峰さん、さっき見たんっすけど、これから、多分、4個ぐらい連続でかなりの絶叫系っす・・・」
目の前に見えるいくつもアトラクションに思わず涙が出そうになる。しかし、一度、吐いた唾は飲み込めない。
「ワー・・・タノシソウダナー」
まるで自分の声じゃないように魂の抜けた声が出た。
「なんか、やつれました? 峰さん」
サクヤが俺の顔を覗き込みながらそう尋ねてくる。サクヤはこういう乗り物は平気なタイプなようでキャーキャー言いながら体を振り回していた。
「え? 別に全然、余裕だけど? ああ、楽しすぎてもう一回乗りたいぐらいだ。」
なんとなく、サクヤが平気そうなのに自分だけダメージを負っているのが悔しくてついつい強がりが口に出た。
「あ、そうなんですか!? じゃあ、もう一回乗ります!?」
こいつ・・・実は分かってて言ってるんじゃないだろうな・・・
「いや、他にもアトラクションはあるし・・・次、行こうぜ・・・」
そう言って歩き出そうとすると後ろから、凛が俺の肩を軽く叩いた。
「日向が乗りたいならもう一回乗っても良い」
笑顔でそう言ってくる。やめて、そういう方向の優しさはいらないの・・・
「私も大丈夫です!」
ユキはかなり楽しかったようで、少し普段よりも元気にそう言った。
だめだ。このままだと、内臓を全て吐き出して死ぬかもしれない。いや、どんな拷問されたらそんな死に方するんだ。
コンに助けを求める視線を送ると「しゃーないっすね」とやれやれと言った表情を浮かべ「さすがにもう一回一席確保するのは、難しいっすね・・・残念っすけど、次のアトラクション行きましょうっす。」と3人に声をかけてくれた。
そういうと流石の3人も諦めたらしく、次のアトラクションに向かって歩き始めた。
「貸しっすからね。」
歩き出す女性陣達の後ろを歩く俺にコンが声をかけてくる。
「ああ、ソフトクリームでもなんでも奢るよ・・・」
「ていうか、なんであんな無意味な嘘を吐いたんっすか・・・」
「なんか、俺だけきついとかなんか悔しいだろ・・・」
「男の子っすね~」
茶化すように笑うコンに少しムッとして「いや、お前も男子だろ・・・」と返すと「まあ、気持ちはわかるっすけどね。」とフォローを入れた。
「でも、峰さんは、そういう見栄とかとは無縁だと思ってたっすよ。」
「好きな子の前ぐらいちょっとは無理してでも見栄はるよ。」
「サクヤさんっすか」
コンがハッキリとそう言うので少し面を食らってしまった。そうハッキリと言われると少し照れるものがある。
「そんな、あからさまに照れないでくださいっす。」
「いや、最近、意識し始めたから、なんか改めて言われると恥ずかしくってさ・・・」
「難しいと思うっすよ。人間と妖怪は有りようが違うっす・・・特にサクヤさんは」
真面目な表情を浮かべてコンは俺にそう言う。サクヤは、普通の人には姿が見えない。人間の体を持っているコン達とは根本から違う。けれど、そんな事は分かっている。
「大丈夫だよ。姿が見えないって言ったって俺は見えるし触れるんだから・・・」
そう言うとコンは何故か驚いた表情を浮かべたかと思うとすぐに「ああ、なるほど・・・」と何かに納得したようにそう呟いた。
「なんだよ。」
「峰さん・・・いや・・・本気で好きなんだなと思っただけっすよ。頑張ってくださいっす。応援してるっすよ!」
そう言ってコンは俺を茶化すように言った。
「ただ、峰さん、さっき見たんっすけど、これから、多分、4個ぐらい連続でかなりの絶叫系っす・・・」
目の前に見えるいくつもアトラクションに思わず涙が出そうになる。しかし、一度、吐いた唾は飲み込めない。
「ワー・・・タノシソウダナー」
まるで自分の声じゃないように魂の抜けた声が出た。
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
視える僕らのシェアハウス
橘しづき
ホラー
安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。
電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。
ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。
『月乃庭 管理人 竜崎奏多』
不思議なルームシェアが、始まる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる