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2.5章
Part 103『異次元へと続く胃袋』
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人間には、食べれる限界というものが存在する。その原因というのが、胃袋の存在である。袋には袋の入る限界があり、それが満タンになれば要するに満腹になる訳なのだ。
では、ここでシンプルな疑問なのだが、妖精の、つまりは実態のない妖怪の胃袋はどこにあるのだろうか。見えてない人間からすれば、食べ物が突然虚無空間に消えて消滅した様に見える。では、その物体は一体どこにあるのだろうか。
そんなことを考えてしまうほどにサクヤの食欲は旺盛だった。食べ方は、箸の持ち方が上手くなった事もあって非常に行儀の良い食べ方をしているのだが、ペースが落ちない。一定の間隔を刻みながら口へと食べ物を運んで行くその姿は、機械じみている。
そうこうしていると、むしろ、俺たちの方が満腹になって次々とリタイアしていった。
「あれ? 皆さん、食べないんですか?」
不思議そうな顔をして俺達に尋ねてくるサクヤはまだ余裕がありそうだった。
「お前の胃袋は異次元にでも繋がってるのか?」
「・・・・・・え、そうなんですか!?」
「いや、知らないけど・・・」
「私もご飯を食べるようになったの最近なので一体どこに行ってるのか分からないんですよね。」
そう言われてみれば、俺と出会うまでは、サクヤは食事をとることはなかったので知らないのも当然である。
俺もさわりとして自分の体のことを教えられて知っているだけで、詳しく知っているわけではない。
自分の体の仕組みなど、教えられなければ普通は知らないものなのだ。
「まあ、買っちまってるし、全部食ってくれていいよ。俺達は、もう満腹だ。」
「そうっすね。サクヤさんが美味しそうに食べるんで釣られて自分も食べ過ぎたっす・・・」
そう、腹八分目と考えながら食べていてもサクヤが心底美味しそうにご飯を口に運ぶので、ついつい、こちらも食べ過ぎてしまう。
俺もかなり食べ過ぎてしまった。もう箸を動かすのもつらい。
「・・・食べ過ぎました。」
「私も・・・もう、無理・・・」
ユキも凛も女子にしてはかなり食べた方だと思うが、やはり限界がきたようだった。
サクヤにご飯を奢る時は、量を決めとかないと永遠に食べ続けるな・・・そんなことを考えながら、俺は、サクヤの食べ終わるのを待ちながら皆と適当に雑談する事にした。
「私、次、これに乗りたいです。」
そう言ってユキは、遊園地の地図のアトラクションを指差す。
そこには、コーヒーカップと書かれており、今いる場所からもそう離れていないようだった。
しかし、正直なところ、限界まで食べてしまった今の状態でコーヒーカップは確実に辛すぎる。ユキは、やはり若いせいなのか、お腹いっぱい食べても遊べるタイプのようだった。
「ちょっと、食べ過ぎて休憩したいから、4人で行って来なよ。俺は待ってるし・・・」
「お兄さん大丈夫ですか?」とユキが少し心配そうに言うので「単純にただの食べ過ぎだから休めば治るよ」と頭を撫でる。
「じゃあ、俺達、4人で乗るっすか?」
「ごめん。私もちょっと休憩したい。」
凛もどうやら、満腹であまり動きたくないようでユキに軽く謝って辞退した。
「凛お姉さん大丈夫ですか? みんなで休憩しますか?」
「うん。ありがと。でも、大丈夫。他にもアトラクションあるし、時間勿体無いから」
「わかりました。」
「安心して欲しいっすよ。俺はいけるっすから思う存分回すっすよ! ベーゴマより早くっすよ!」
「まあ・・・ほどほどにな。」
そうして雑談をしているとサクヤもご飯を食べ終えたようで「ご馳走様でした。」と両手を合わせる。
「ゴミとかは俺が処理しとくから行ってくるといい」
俺がそう言うとユキは「ありがとうございます! お兄さん、それじゃあ、行ってきます。」と頭を下げてサクヤとコンを連れてコーヒーカップへと向かっていった。
では、ここでシンプルな疑問なのだが、妖精の、つまりは実態のない妖怪の胃袋はどこにあるのだろうか。見えてない人間からすれば、食べ物が突然虚無空間に消えて消滅した様に見える。では、その物体は一体どこにあるのだろうか。
そんなことを考えてしまうほどにサクヤの食欲は旺盛だった。食べ方は、箸の持ち方が上手くなった事もあって非常に行儀の良い食べ方をしているのだが、ペースが落ちない。一定の間隔を刻みながら口へと食べ物を運んで行くその姿は、機械じみている。
そうこうしていると、むしろ、俺たちの方が満腹になって次々とリタイアしていった。
「あれ? 皆さん、食べないんですか?」
不思議そうな顔をして俺達に尋ねてくるサクヤはまだ余裕がありそうだった。
「お前の胃袋は異次元にでも繋がってるのか?」
「・・・・・・え、そうなんですか!?」
「いや、知らないけど・・・」
「私もご飯を食べるようになったの最近なので一体どこに行ってるのか分からないんですよね。」
そう言われてみれば、俺と出会うまでは、サクヤは食事をとることはなかったので知らないのも当然である。
俺もさわりとして自分の体のことを教えられて知っているだけで、詳しく知っているわけではない。
自分の体の仕組みなど、教えられなければ普通は知らないものなのだ。
「まあ、買っちまってるし、全部食ってくれていいよ。俺達は、もう満腹だ。」
「そうっすね。サクヤさんが美味しそうに食べるんで釣られて自分も食べ過ぎたっす・・・」
そう、腹八分目と考えながら食べていてもサクヤが心底美味しそうにご飯を口に運ぶので、ついつい、こちらも食べ過ぎてしまう。
俺もかなり食べ過ぎてしまった。もう箸を動かすのもつらい。
「・・・食べ過ぎました。」
「私も・・・もう、無理・・・」
ユキも凛も女子にしてはかなり食べた方だと思うが、やはり限界がきたようだった。
サクヤにご飯を奢る時は、量を決めとかないと永遠に食べ続けるな・・・そんなことを考えながら、俺は、サクヤの食べ終わるのを待ちながら皆と適当に雑談する事にした。
「私、次、これに乗りたいです。」
そう言ってユキは、遊園地の地図のアトラクションを指差す。
そこには、コーヒーカップと書かれており、今いる場所からもそう離れていないようだった。
しかし、正直なところ、限界まで食べてしまった今の状態でコーヒーカップは確実に辛すぎる。ユキは、やはり若いせいなのか、お腹いっぱい食べても遊べるタイプのようだった。
「ちょっと、食べ過ぎて休憩したいから、4人で行って来なよ。俺は待ってるし・・・」
「お兄さん大丈夫ですか?」とユキが少し心配そうに言うので「単純にただの食べ過ぎだから休めば治るよ」と頭を撫でる。
「じゃあ、俺達、4人で乗るっすか?」
「ごめん。私もちょっと休憩したい。」
凛もどうやら、満腹であまり動きたくないようでユキに軽く謝って辞退した。
「凛お姉さん大丈夫ですか? みんなで休憩しますか?」
「うん。ありがと。でも、大丈夫。他にもアトラクションあるし、時間勿体無いから」
「わかりました。」
「安心して欲しいっすよ。俺はいけるっすから思う存分回すっすよ! ベーゴマより早くっすよ!」
「まあ・・・ほどほどにな。」
そうして雑談をしているとサクヤもご飯を食べ終えたようで「ご馳走様でした。」と両手を合わせる。
「ゴミとかは俺が処理しとくから行ってくるといい」
俺がそう言うとユキは「ありがとうございます! お兄さん、それじゃあ、行ってきます。」と頭を下げてサクヤとコンを連れてコーヒーカップへと向かっていった。
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