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3章
Part 156『例え力にはなれずとも』
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「勿論、主らは、客人じゃ。出来るだけ自由に過ごさせてやりたい。じゃが、犯罪者の元へ連れて行くほど儂は危機管理をおろそかにはしておらん。理解してくれ」
氷華さんは、サクヤにそう言って軽く頭を下げた。サクヤも自分自身がそんな危険な状態である事など知りもしなかったようで、かなり驚いた表情を浮かべた後、「分かりました。」と頷いた。
「感謝する。それから、ちと、峰と二人にしてくれんか。ちょっとばかし、話しておきたいことがあるのでな。」
氷華さんがそういうと、真冬さんは頷いてサクヤを連れて外へ出ていった。
二人が出ていくのを確認すると氷華さんは、こちらを見て言った。
「本当について来る気なのかの?」
確認するように氷華さんはそう言った。それは、餓狼衆の討伐に関しての話だろう。俺は、頷いて肯定すると氷華さんは、ため息を吐いた。そして、次の瞬間、机を隔てた距離にいたはずの氷華さんは、俺のすぐ目の前に移動しており、喉元に軽く爪を触れさせた。
「儂が止めなければ、この爪はおぬしの喉をえぐり絶命させる事も可能じゃった。これは、儂じゃからと言うわけでもない。ある程度、戦い慣れとる妖怪なら数秒でおぬしをひき肉に出来るものばかりじゃ。」
今、俺は生殺与奪を氷華さんに握られている。淡々と話をするその姿は、背中から嫌な汗が出るほどに恐ろしい。
「何のためについて来るんじゃ? 儂には理解しかねるんじゃが」
確かに無理をして行く理由がない。なんとなく、抵抗があるのだ。この感覚をどう説明すればいいのだろうか。
自分でもおかしなことを言ってるのは自覚がある。普通ならする必要のない危険だ。
けれど、自分が依頼を受けたのだ。それを全部他人に投げるのは違う気がする。
それにこれは、サクヤの呪いを解くための最後の依頼だ。
それを誰かに与えられるだけの結末で胸を張れるだろうか。分かってはいる。これは完全に自己満足の問題だ。だから、これは俺の自分本位な考えだ。
だが、無視するには、俺にとって重要過ぎる問題でもあった。
「俺は、ただ与えられるだけのものになりたくないんです。自分達のこれからを決める事に自分が関われないなんて嫌なんです。」
そう言うと少し考える素振りを見せてから、ゆっくりと元の場所へと座って俺を呆れたような表情で見た。
「・・・・・・出来る限りの守ってやる。じゃが、結局は、安全ではないんじゃ。最悪死ぬぞ? おぬし」
それは先ほどの脅しとは違って俺の事を心配するような言い方だった。
「はい。分かっています。」
俺がそう言うと氷華は、「分かった。確かにおぬしにとって大事な事なのかもしれんからな。もう、止めはせん。」と頭を掻いた。
「ありがとうございます。」と俺は、氷華さんに深く頭を下げたのだった。
氷華さんは、サクヤにそう言って軽く頭を下げた。サクヤも自分自身がそんな危険な状態である事など知りもしなかったようで、かなり驚いた表情を浮かべた後、「分かりました。」と頷いた。
「感謝する。それから、ちと、峰と二人にしてくれんか。ちょっとばかし、話しておきたいことがあるのでな。」
氷華さんがそういうと、真冬さんは頷いてサクヤを連れて外へ出ていった。
二人が出ていくのを確認すると氷華さんは、こちらを見て言った。
「本当について来る気なのかの?」
確認するように氷華さんはそう言った。それは、餓狼衆の討伐に関しての話だろう。俺は、頷いて肯定すると氷華さんは、ため息を吐いた。そして、次の瞬間、机を隔てた距離にいたはずの氷華さんは、俺のすぐ目の前に移動しており、喉元に軽く爪を触れさせた。
「儂が止めなければ、この爪はおぬしの喉をえぐり絶命させる事も可能じゃった。これは、儂じゃからと言うわけでもない。ある程度、戦い慣れとる妖怪なら数秒でおぬしをひき肉に出来るものばかりじゃ。」
今、俺は生殺与奪を氷華さんに握られている。淡々と話をするその姿は、背中から嫌な汗が出るほどに恐ろしい。
「何のためについて来るんじゃ? 儂には理解しかねるんじゃが」
確かに無理をして行く理由がない。なんとなく、抵抗があるのだ。この感覚をどう説明すればいいのだろうか。
自分でもおかしなことを言ってるのは自覚がある。普通ならする必要のない危険だ。
けれど、自分が依頼を受けたのだ。それを全部他人に投げるのは違う気がする。
それにこれは、サクヤの呪いを解くための最後の依頼だ。
それを誰かに与えられるだけの結末で胸を張れるだろうか。分かってはいる。これは完全に自己満足の問題だ。だから、これは俺の自分本位な考えだ。
だが、無視するには、俺にとって重要過ぎる問題でもあった。
「俺は、ただ与えられるだけのものになりたくないんです。自分達のこれからを決める事に自分が関われないなんて嫌なんです。」
そう言うと少し考える素振りを見せてから、ゆっくりと元の場所へと座って俺を呆れたような表情で見た。
「・・・・・・出来る限りの守ってやる。じゃが、結局は、安全ではないんじゃ。最悪死ぬぞ? おぬし」
それは先ほどの脅しとは違って俺の事を心配するような言い方だった。
「はい。分かっています。」
俺がそう言うと氷華は、「分かった。確かにおぬしにとって大事な事なのかもしれんからな。もう、止めはせん。」と頭を掻いた。
「ありがとうございます。」と俺は、氷華さんに深く頭を下げたのだった。
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