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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
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「───────というわけで、ごめん、ミドクさん。暫くはウグイブの砦に来られないと思う」
「そっか……………そんなことが」
ミドクはレクスの言葉に少し考える素振りを見せながら、そう呟く。一国の皇女が拐われたとなれば大事になる。そして、いずれそれがハイエルフの方にも押し寄せて来るかもしれない。まあ、なんとかして助けてあげたいという感情面を抜きにしても、ここは絶対に助けるべきだろう。ミドクはそう判断した。
「レクス…………それ、私達にも手伝わせてくれない?」
「え、でも……………ウグイブの砦の方はいいの?」
レクスは困惑したようにそう問う。ウグイブの砦の方も今は状況的に危ない。こっちの対処に回っても大丈夫なのだろうか。
「うん、ウグイブの砦なら、今は拡大も止まってるし、それに、ある程度ポータルも駆除できたしね。暫くは放置しても大丈夫だと思うよ」
ミドクはそう言った。事実、暫くは持つだろう。まあ、後で完全に取り除かなければならないわけだが。
「それに…………私達も結構レクスに手伝ってもらっちゃったからね。是非とも私達にも手伝わせて欲しいな」
後ろではフウシとワチもミドクの言葉に頷いていた。同じ意見らしい。
ウグイブの砦では、大分レクスに手伝ってもらった。そのお礼も兼ねているのだ。
「……………ありがとうございます」
レクスは感謝の言葉を口にして頭を下げた。
「そんなに感謝することないって。それに……………なんだか嫌な予感がするんだよね」
「嫌な予感…………ですか?」
「うん…………なんというか、その…………うまく言えないんだけど、やばい気がするんだよね」
うまく言えなかったので、ミドク苦笑していた。
「レ、レクス! それ、私にも手伝わせてくれない!?」
イルミがレクスにそう言った。今日は、何もなければ本来このままウグイブの砦まで行く予定だったので、イルミもこの場にいる。
「イルミ…………その、危ないよ? 多分、ウグイブの砦よりも危険だと思うし、イルミにとって、辛いことだってあるかもしれない。悪いことは言わないから、やめておいた方が……………」
「私はやめないよ! それに、自国のことだもん! 黙って静観するだけなんて、そんなの私はやだ。それに……………私のように、辛い思いをする人を少しでも減らしたいから……………」
イルミはそう言った。イルミの言葉に、レクスは大体を察したような表情になった。恐らく『封印』のことではない、別のことだろう。イルミの瞳には迷いのない色が浮かんでいるように見えた。
「…………分かった。でも、無理はしちゃ駄目だよ」
レクスは少したしなめるようにそう言う。一瞬の油断が命取りになることも十分にありうるからだ。
「うん、大丈夫。無理はしないから」
イルミはそう言った。レクスは、それならいいけど……………と心配気味に呟きながら頷いた。それから、すぐにレクスは切り替えるようにうつむき気味だった顔を上げると。
「じゃあ、ミドクさん、ワチさん、フウシさん。僕の仲間の所へ来てもらえませんか? 合流して、これからのことを話し合いましょう。イルミも一緒に」
レクスはミドク達にそう言った。ミドク達はその言葉に頷くと、レクスの案内の下、エレナ達の元へと向かうのだった。
「そっか……………そんなことが」
ミドクはレクスの言葉に少し考える素振りを見せながら、そう呟く。一国の皇女が拐われたとなれば大事になる。そして、いずれそれがハイエルフの方にも押し寄せて来るかもしれない。まあ、なんとかして助けてあげたいという感情面を抜きにしても、ここは絶対に助けるべきだろう。ミドクはそう判断した。
「レクス…………それ、私達にも手伝わせてくれない?」
「え、でも……………ウグイブの砦の方はいいの?」
レクスは困惑したようにそう問う。ウグイブの砦の方も今は状況的に危ない。こっちの対処に回っても大丈夫なのだろうか。
「うん、ウグイブの砦なら、今は拡大も止まってるし、それに、ある程度ポータルも駆除できたしね。暫くは放置しても大丈夫だと思うよ」
ミドクはそう言った。事実、暫くは持つだろう。まあ、後で完全に取り除かなければならないわけだが。
「それに…………私達も結構レクスに手伝ってもらっちゃったからね。是非とも私達にも手伝わせて欲しいな」
後ろではフウシとワチもミドクの言葉に頷いていた。同じ意見らしい。
ウグイブの砦では、大分レクスに手伝ってもらった。そのお礼も兼ねているのだ。
「……………ありがとうございます」
レクスは感謝の言葉を口にして頭を下げた。
「そんなに感謝することないって。それに……………なんだか嫌な予感がするんだよね」
「嫌な予感…………ですか?」
「うん…………なんというか、その…………うまく言えないんだけど、やばい気がするんだよね」
うまく言えなかったので、ミドク苦笑していた。
「レ、レクス! それ、私にも手伝わせてくれない!?」
イルミがレクスにそう言った。今日は、何もなければ本来このままウグイブの砦まで行く予定だったので、イルミもこの場にいる。
「イルミ…………その、危ないよ? 多分、ウグイブの砦よりも危険だと思うし、イルミにとって、辛いことだってあるかもしれない。悪いことは言わないから、やめておいた方が……………」
「私はやめないよ! それに、自国のことだもん! 黙って静観するだけなんて、そんなの私はやだ。それに……………私のように、辛い思いをする人を少しでも減らしたいから……………」
イルミはそう言った。イルミの言葉に、レクスは大体を察したような表情になった。恐らく『封印』のことではない、別のことだろう。イルミの瞳には迷いのない色が浮かんでいるように見えた。
「…………分かった。でも、無理はしちゃ駄目だよ」
レクスは少したしなめるようにそう言う。一瞬の油断が命取りになることも十分にありうるからだ。
「うん、大丈夫。無理はしないから」
イルミはそう言った。レクスは、それならいいけど……………と心配気味に呟きながら頷いた。それから、すぐにレクスは切り替えるようにうつむき気味だった顔を上げると。
「じゃあ、ミドクさん、ワチさん、フウシさん。僕の仲間の所へ来てもらえませんか? 合流して、これからのことを話し合いましょう。イルミも一緒に」
レクスはミドク達にそう言った。ミドク達はその言葉に頷くと、レクスの案内の下、エレナ達の元へと向かうのだった。
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