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第1章 笑顔のないエガオ
笑顔のないエガオ(8)
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公園の中の空気が変わっている。
先程までフレンチトーストのように気持ちよく柔らかかかったのに触れたら裂けるように痛くなる。
これは・・・戦場の空気だ!
私は、自分の目が鋭く、身体の奥の筋肉に激しく血が流れ出すのを感じる。
「いやああああ!」
悲鳴を上げているのは制服を着た眼鏡を掛けた女の子だった。
彼女だけではない。
その友人達も、老夫婦も、母子も恐怖に震え、悲鳴を上げている。
その原因は、彼らに襲い掛かっている黒い覆面を被った2人の男であった。
奴らは、手に剣、ナイフと言った凶器を振り回しながら彼らに襲いかかっている。
ナイフを持った男が眼鏡の女の子にナイフを振り下ろそうとする。
私は、地面を蹴り上げ、一瞬で距離を詰めると男の顔を思い切り殴りつける。
覆面の男の顔からクジャっと潰れる音が聞こえる。
覆面が赤黒く染まり、ナイフを落としてその場に崩れ落ちる。
眼鏡の女の子が怯えた目で私を見る。
しかし、私は声をかける暇はない。
私の存在に気づいた他の覆面の男達が襲いかかってきた。
ナイフが2人、鎖が1人、剣が1人。
私は、目を細め、背中の大鉈の柄を握り、留め金を外す。
革の鞘が地面に落ち、コの字に曲がった柄が連結して真っ直ぐ伸びる。
私の大鉈を見た瞬間、彼らの動きが止まる。
目元と凶器を持った手が震える。
ただのチンピラか。
私は、そう判断するや否や足を一歩踏み出し、大鉈を振る。
大鉈の先端が曲線を描いて凶器にぶつかり、粉々に破壊する。
しかし、彼らにも、周りの人にも残像すら見えなかったことだろう。
手に持った凶器が砕け散ったことに男達は驚愕する。
私は、大鉈を彼らに向ける。
「大人しくして下さい。そうすれば何もしません」
私は、自分でも感じるほどの冷たい声で言う。
そしてそれは充分な効果を発した。
彼らは、震え上がりながら両手を上げる。
戦う意志は、完全に消えていた。
「もう大丈夫ですよ」
私は、周りの人に聞こえるように言う。
しかし、彼らは、答えない。
恐怖に満ちた目で私を見る。
まるで襲ってきたのが私かのように。
私は、目を閉じる。
何をショックを受けてるの?
私は、笑顔のないエガオ。
嫉妬だろうと、恐怖だろうと、化け物扱いだろうと慣れたものでしょう?
だってそれが私なんだから。
空気が張り付く。
殺意と怒りが私を突き刺す。
「何でテメエがここにいる?」
私は、目を開けて殺意のある方に向く。
そこにいたのは上半身を包帯で覆われ、衛兵が使う細長い槍を持った金髪を刈り上げた大男であった。
その姿に、顔に見覚えがあった。
「貴方は・・確か帝国の?」
「覚えていてくれたか?」
彼は、槍の刃先で肩を叩いて下卑た笑みを浮かべる。
間違いない。あの時の帝国の騎士だ。
私は、彼に向き直り、大鉈を向ける。
「生きてたのですね」
「この通りな」
彼は、包帯に包まれた胸を叩く。
「小娘の一撃くらいで俺が死ぬか」
無様に倒れた癖に。そう思ったが口には出さなかった。
「何故、ここにいるのですか?」
「あの後、厄介なことに病院という名の牢獄に拘束された」
彼は、苦々しく言葉を吐き出す。
「本国に送還されて処刑される前に部下を連れて脱獄したのよ」
「・・・そう」
確かに帝国が自分達を不利にするかもしれない懸念材料を残す訳がないか。
「この公園には金持ってそうな奴らがいっぱいいるからよ。逃走資金と人質に一緒においで願おうと思ったのさ」
私は、心の奥に怒りが灯るのを感じた。
そんなことの為にこの人達を?
私は、彼を心の底から侮蔑し、睨みつける。
しかし、彼はそんな私を見て興味深げに顎を摩り、笑う。
「そんな顔もするんだな。あん時は綺麗なだけのお人形さんと思ったが・・」
「言いたいことはそれだけですか?」
私は、大鉈を前に突き出す。
「今度も助かるといいですね」
彼の顔から笑みが消える。
彼は、槍を投げ捨てると両手を合わせる。
包帯に覆われた彼の身体に波を打つような青い刺青が浮かび上がる。
私は、水色の目を大きく開く。
これは・・魔印?
そう思ったが瞬間、彼の身体が炎の渦に包まれる。
周りから悲鳴が上がる。
女の子達は、お互いの身体を抱きしめ合い、女の子は母親の胸で泣き叫び、夫は妻を守ろうと前に出る。
「死ぬのはお前だよ」
炎の中で男は、下卑た笑いを浮かべる。
本当に不快だ。
「その切り札・・あの時見せなかったですね」
私は、鼻で笑う。
「まあ、出す余裕もなかったですよね。貴方如きじゃ」
私は、馬鹿にしたように彼を見下す。
炎の隙間から怒り狂う彼の顔が見える。
これで標的は私だけになった。
私は、足に力を込め、大鉈を水平に構える。
「お前を殺してその獲物をもらう」
彼は、合わせた両手を解き、前に突き出す。
「燃えカスになれ!」
彼が叫んだ瞬間、炎の渦が私に向かって放たれる。
私の身体は、魚に狙われた虫のように炎に飲み込まれる。
周りから悲鳴が上がる。
彼の下卑た笑いが響き渡る。
・・・本当に不快。
私は、炎の中で身体を大きく捻り、大鉈の切先を限界まで後ろに引く。
そして息を吐くと同時に捻り上げた身体を解放する。
その瞬間、大鉈の刃が弾かれるように旋回し、炎を横薙する。
炎が風圧と剣圧に舞い上がり、真っ二つに裂け、その奥にいる彼の胸板を切り裂いた。
彼の口から苦鳴が、胸から赤い血が迸り出る。
「・・・浅い」
炎が吸い込まれるように彼の身体の中に消える。
彼の身体は、黒い消し炭のようになり、そのまま腹ばいに倒れ込む。
私は、大鉈に張り付くように残った炎を回転させて消し去る。
私は、小さく息を吐き、周りを見回す。
女の子達にも、母子にも老夫婦にも火の粉の一つも飛んでいない。
黒ずくめ達は、いつの間にかいなくなっていた。
早く追わないと。
彼は、魔法が跳ね返ったことで消し炭のようになったにも関わらず息があり、お腹が微かに動いている。
まだ生きてる。
私は、ゆっくりと彼に近寄る。
彼は、動くこともままならず呻き声を上げる。
「辛いですか?」
私は、彼に訊く。
しかし、彼は答えず、息だけが漏れる。
「楽にしてあげます」
私は、大鉈を振り上げる。
そして彼の首に向けて振り下ろす。
「ダメだ」
大鉈を持つ私の手に優しい温もりが触れる。
大鉈が彼の首に触れる寸前に止まる。
「ここは戦場じゃない。ダメだ」
背後から声が聞こえる。
ぶっきらぼうな、しかし、優しい声。
振り返るとそこにいたのは鳥の巣のような黒髪の男、カゲロウだ。
カゲロウは、大鉈を握る私の手に優しく自分の手を添え、もう一つの手で私を優しく抱きしめた。
「ここは戦場じゃない。お前がこんな奴の為に自分の魂を痛めつける必要なんてない」
彼は、ぎゅっと優しく私を抱きしめる。
優しい温もりが私の身体を包み込む。
「でも、こいつはみんなを、それに逃げ出した奴らも捕まえないと」
「それはもう大丈夫だ」
そう言って彼は、私を抱きしめたまま指差す。
そこには赤い目と六本足の巨大な馬、スレイプニルことスーやんとその足元には黒ずくめの男達が菓子袋のように捨てられていた。
「見てみな」
彼は、さらに指先を動かす。
そこにいるのは女の子達と、母子と老夫婦。
その顔に浮かんでるのは恐怖・・ではなく、輝くような笑顔だ。
「みんなお前に感謝してる。お前はみんなの笑顔を守ったんだ」
心臓が大きく高鳴る。
守った?
私が?
みんなの笑顔を?
私は、大鉈を地面に落とす。そしてそのまま膝から崩れ落ちる。
守った。
私が。
みんなの笑顔を。
頬が濡れる。
涙が溢れて止まらない。
守った。
私が。
ただただ言われるがままに戦ってきた私が。
笑顔のない私が。
気がついたら私は大声で泣いていた。
子どものように大声で泣いていた。
カゲロウは、そんな私を優しく抱きしめていた。
先程までフレンチトーストのように気持ちよく柔らかかかったのに触れたら裂けるように痛くなる。
これは・・・戦場の空気だ!
私は、自分の目が鋭く、身体の奥の筋肉に激しく血が流れ出すのを感じる。
「いやああああ!」
悲鳴を上げているのは制服を着た眼鏡を掛けた女の子だった。
彼女だけではない。
その友人達も、老夫婦も、母子も恐怖に震え、悲鳴を上げている。
その原因は、彼らに襲い掛かっている黒い覆面を被った2人の男であった。
奴らは、手に剣、ナイフと言った凶器を振り回しながら彼らに襲いかかっている。
ナイフを持った男が眼鏡の女の子にナイフを振り下ろそうとする。
私は、地面を蹴り上げ、一瞬で距離を詰めると男の顔を思い切り殴りつける。
覆面の男の顔からクジャっと潰れる音が聞こえる。
覆面が赤黒く染まり、ナイフを落としてその場に崩れ落ちる。
眼鏡の女の子が怯えた目で私を見る。
しかし、私は声をかける暇はない。
私の存在に気づいた他の覆面の男達が襲いかかってきた。
ナイフが2人、鎖が1人、剣が1人。
私は、目を細め、背中の大鉈の柄を握り、留め金を外す。
革の鞘が地面に落ち、コの字に曲がった柄が連結して真っ直ぐ伸びる。
私の大鉈を見た瞬間、彼らの動きが止まる。
目元と凶器を持った手が震える。
ただのチンピラか。
私は、そう判断するや否や足を一歩踏み出し、大鉈を振る。
大鉈の先端が曲線を描いて凶器にぶつかり、粉々に破壊する。
しかし、彼らにも、周りの人にも残像すら見えなかったことだろう。
手に持った凶器が砕け散ったことに男達は驚愕する。
私は、大鉈を彼らに向ける。
「大人しくして下さい。そうすれば何もしません」
私は、自分でも感じるほどの冷たい声で言う。
そしてそれは充分な効果を発した。
彼らは、震え上がりながら両手を上げる。
戦う意志は、完全に消えていた。
「もう大丈夫ですよ」
私は、周りの人に聞こえるように言う。
しかし、彼らは、答えない。
恐怖に満ちた目で私を見る。
まるで襲ってきたのが私かのように。
私は、目を閉じる。
何をショックを受けてるの?
私は、笑顔のないエガオ。
嫉妬だろうと、恐怖だろうと、化け物扱いだろうと慣れたものでしょう?
だってそれが私なんだから。
空気が張り付く。
殺意と怒りが私を突き刺す。
「何でテメエがここにいる?」
私は、目を開けて殺意のある方に向く。
そこにいたのは上半身を包帯で覆われ、衛兵が使う細長い槍を持った金髪を刈り上げた大男であった。
その姿に、顔に見覚えがあった。
「貴方は・・確か帝国の?」
「覚えていてくれたか?」
彼は、槍の刃先で肩を叩いて下卑た笑みを浮かべる。
間違いない。あの時の帝国の騎士だ。
私は、彼に向き直り、大鉈を向ける。
「生きてたのですね」
「この通りな」
彼は、包帯に包まれた胸を叩く。
「小娘の一撃くらいで俺が死ぬか」
無様に倒れた癖に。そう思ったが口には出さなかった。
「何故、ここにいるのですか?」
「あの後、厄介なことに病院という名の牢獄に拘束された」
彼は、苦々しく言葉を吐き出す。
「本国に送還されて処刑される前に部下を連れて脱獄したのよ」
「・・・そう」
確かに帝国が自分達を不利にするかもしれない懸念材料を残す訳がないか。
「この公園には金持ってそうな奴らがいっぱいいるからよ。逃走資金と人質に一緒においで願おうと思ったのさ」
私は、心の奥に怒りが灯るのを感じた。
そんなことの為にこの人達を?
私は、彼を心の底から侮蔑し、睨みつける。
しかし、彼はそんな私を見て興味深げに顎を摩り、笑う。
「そんな顔もするんだな。あん時は綺麗なだけのお人形さんと思ったが・・」
「言いたいことはそれだけですか?」
私は、大鉈を前に突き出す。
「今度も助かるといいですね」
彼の顔から笑みが消える。
彼は、槍を投げ捨てると両手を合わせる。
包帯に覆われた彼の身体に波を打つような青い刺青が浮かび上がる。
私は、水色の目を大きく開く。
これは・・魔印?
そう思ったが瞬間、彼の身体が炎の渦に包まれる。
周りから悲鳴が上がる。
女の子達は、お互いの身体を抱きしめ合い、女の子は母親の胸で泣き叫び、夫は妻を守ろうと前に出る。
「死ぬのはお前だよ」
炎の中で男は、下卑た笑いを浮かべる。
本当に不快だ。
「その切り札・・あの時見せなかったですね」
私は、鼻で笑う。
「まあ、出す余裕もなかったですよね。貴方如きじゃ」
私は、馬鹿にしたように彼を見下す。
炎の隙間から怒り狂う彼の顔が見える。
これで標的は私だけになった。
私は、足に力を込め、大鉈を水平に構える。
「お前を殺してその獲物をもらう」
彼は、合わせた両手を解き、前に突き出す。
「燃えカスになれ!」
彼が叫んだ瞬間、炎の渦が私に向かって放たれる。
私の身体は、魚に狙われた虫のように炎に飲み込まれる。
周りから悲鳴が上がる。
彼の下卑た笑いが響き渡る。
・・・本当に不快。
私は、炎の中で身体を大きく捻り、大鉈の切先を限界まで後ろに引く。
そして息を吐くと同時に捻り上げた身体を解放する。
その瞬間、大鉈の刃が弾かれるように旋回し、炎を横薙する。
炎が風圧と剣圧に舞い上がり、真っ二つに裂け、その奥にいる彼の胸板を切り裂いた。
彼の口から苦鳴が、胸から赤い血が迸り出る。
「・・・浅い」
炎が吸い込まれるように彼の身体の中に消える。
彼の身体は、黒い消し炭のようになり、そのまま腹ばいに倒れ込む。
私は、大鉈に張り付くように残った炎を回転させて消し去る。
私は、小さく息を吐き、周りを見回す。
女の子達にも、母子にも老夫婦にも火の粉の一つも飛んでいない。
黒ずくめ達は、いつの間にかいなくなっていた。
早く追わないと。
彼は、魔法が跳ね返ったことで消し炭のようになったにも関わらず息があり、お腹が微かに動いている。
まだ生きてる。
私は、ゆっくりと彼に近寄る。
彼は、動くこともままならず呻き声を上げる。
「辛いですか?」
私は、彼に訊く。
しかし、彼は答えず、息だけが漏れる。
「楽にしてあげます」
私は、大鉈を振り上げる。
そして彼の首に向けて振り下ろす。
「ダメだ」
大鉈を持つ私の手に優しい温もりが触れる。
大鉈が彼の首に触れる寸前に止まる。
「ここは戦場じゃない。ダメだ」
背後から声が聞こえる。
ぶっきらぼうな、しかし、優しい声。
振り返るとそこにいたのは鳥の巣のような黒髪の男、カゲロウだ。
カゲロウは、大鉈を握る私の手に優しく自分の手を添え、もう一つの手で私を優しく抱きしめた。
「ここは戦場じゃない。お前がこんな奴の為に自分の魂を痛めつける必要なんてない」
彼は、ぎゅっと優しく私を抱きしめる。
優しい温もりが私の身体を包み込む。
「でも、こいつはみんなを、それに逃げ出した奴らも捕まえないと」
「それはもう大丈夫だ」
そう言って彼は、私を抱きしめたまま指差す。
そこには赤い目と六本足の巨大な馬、スレイプニルことスーやんとその足元には黒ずくめの男達が菓子袋のように捨てられていた。
「見てみな」
彼は、さらに指先を動かす。
そこにいるのは女の子達と、母子と老夫婦。
その顔に浮かんでるのは恐怖・・ではなく、輝くような笑顔だ。
「みんなお前に感謝してる。お前はみんなの笑顔を守ったんだ」
心臓が大きく高鳴る。
守った?
私が?
みんなの笑顔を?
私は、大鉈を地面に落とす。そしてそのまま膝から崩れ落ちる。
守った。
私が。
みんなの笑顔を。
頬が濡れる。
涙が溢れて止まらない。
守った。
私が。
ただただ言われるがままに戦ってきた私が。
笑顔のない私が。
気がついたら私は大声で泣いていた。
子どものように大声で泣いていた。
カゲロウは、そんな私を優しく抱きしめていた。
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