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07.お世辞でも嬉しくなるわ
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母国で人気のあるふんわりしたスカートを選んだ。ところが着用してから失敗に気づく。中に骨を組むから、隣に並ぶ人に身長が必要なの。でも骨を抜いたら、裾がぺたりと落ちるわ。長くなって引きずってしまう。
「お待たせするけれど、着替えましょう」
「こうしてはいかがでしょう」
ラーラの機転で、骨を数本抜いた。スカートの膨らみがやや抑えられ、代わりに隣に人が立って近づくことが可能よ。デザインは変更になったけれど、それでもおかしくないし。何より軽くて動きやすいわ。
鏡の前でくるりと回り、問題ないと判断して微笑んだ。お礼を言って、化粧や髪飾りも頼む。手際よく準備するラーラの前に座り、宝飾品から指輪を拾い上げた。綺麗な黒真珠が中央に、その周囲を薄いピンクの珊瑚が飾る。
我が国の王族は、赤毛に金色かかった琥珀の瞳が特徴よ。ソールズベリー王国は黒髪が多く、青い瞳ばかり生まれる。この宝石の色は、両国の特徴を備えていると思うの。友好関係を築こうとするなら、歩み寄りの姿勢を見せることは大切よね。
同じデザインの首飾りも取り出し、準備しておいた。化粧が終わってからつけないと、粉が付いてしまうわ。手際よく化粧を行うラーラに任せ、目を閉じたり開いたり。あっという間に、それなりの美女が出来上がった。
お姉様のほうがお綺麗だから、すっごい美女ではないけれど。見苦しくなければいいわ。王侯貴族は、綺麗だったり美しかったりする人が、結びついて生まれる。当然、遺伝の法則として美男美女ばかりよ。もちろん、やや綺麗だったり、ものすごく美人だったり。多少の差は生じるけれど。
確認して、首飾りを当てた。ラーラが後ろの金具を留める。夜のドレスと違い、胸元が大きく開くデザインではない。お姉様は豊かに波打つ赤毛だけれど、私はやや色が金髪がかって明るい。オレンジに近い赤だった。ストレートの髪をくるりと巻いて、真珠の髪飾りで留めた。
「大丈夫かしら」
「とてもお綺麗です」
いつものやり取りね。クローゼットの中に身支度を整えるスペースがあり、助かったわ。ここなら外部の人に見られる心配がないもの。準備を終えて立ち上がり、困惑する。
「ねえ、あの狭い扉から出られるかしら」
書斎から繋がる扉は、細長かった。ドレスの幅が引っかかるのでは? 首を傾げる私に、ラーラが廊下側の壁を示す。よく見たら、扉があるじゃない。白っぽい壁紙に、白い木の扉だから気づかなかったわ。
大きく開く扉は、左右に開放された。荷物の運び込みも、ここから行ったのね。納得しながら廊下に出れば、すでに支度を終えたシリル様が手を差し伸べた。
「お待たせして申し訳ございません」
「お気になさらず。美しい女性の身支度を待つのも、男の楽しみですから。それにしてもお美しい。見せずに隠しておきたい気分です」
まあ、お世辞でも嬉しくなるわ。こういった口説き文句は、王族教育の一環? ご自分で考えたのなら凄いけれど、まだ十歳ですもの。どなたか、教師となった方の言葉を覚えていたのかも。
すっと手を重ね、歩幅を合わせて歩く。ソールズベリー王国の国王夫妻、義理のお兄様とお姉様になる方々に粗相のないよう、しっかりご挨拶しなくては。気合いを入れ、私は背筋を伸ばした。
「お待たせするけれど、着替えましょう」
「こうしてはいかがでしょう」
ラーラの機転で、骨を数本抜いた。スカートの膨らみがやや抑えられ、代わりに隣に人が立って近づくことが可能よ。デザインは変更になったけれど、それでもおかしくないし。何より軽くて動きやすいわ。
鏡の前でくるりと回り、問題ないと判断して微笑んだ。お礼を言って、化粧や髪飾りも頼む。手際よく準備するラーラの前に座り、宝飾品から指輪を拾い上げた。綺麗な黒真珠が中央に、その周囲を薄いピンクの珊瑚が飾る。
我が国の王族は、赤毛に金色かかった琥珀の瞳が特徴よ。ソールズベリー王国は黒髪が多く、青い瞳ばかり生まれる。この宝石の色は、両国の特徴を備えていると思うの。友好関係を築こうとするなら、歩み寄りの姿勢を見せることは大切よね。
同じデザインの首飾りも取り出し、準備しておいた。化粧が終わってからつけないと、粉が付いてしまうわ。手際よく化粧を行うラーラに任せ、目を閉じたり開いたり。あっという間に、それなりの美女が出来上がった。
お姉様のほうがお綺麗だから、すっごい美女ではないけれど。見苦しくなければいいわ。王侯貴族は、綺麗だったり美しかったりする人が、結びついて生まれる。当然、遺伝の法則として美男美女ばかりよ。もちろん、やや綺麗だったり、ものすごく美人だったり。多少の差は生じるけれど。
確認して、首飾りを当てた。ラーラが後ろの金具を留める。夜のドレスと違い、胸元が大きく開くデザインではない。お姉様は豊かに波打つ赤毛だけれど、私はやや色が金髪がかって明るい。オレンジに近い赤だった。ストレートの髪をくるりと巻いて、真珠の髪飾りで留めた。
「大丈夫かしら」
「とてもお綺麗です」
いつものやり取りね。クローゼットの中に身支度を整えるスペースがあり、助かったわ。ここなら外部の人に見られる心配がないもの。準備を終えて立ち上がり、困惑する。
「ねえ、あの狭い扉から出られるかしら」
書斎から繋がる扉は、細長かった。ドレスの幅が引っかかるのでは? 首を傾げる私に、ラーラが廊下側の壁を示す。よく見たら、扉があるじゃない。白っぽい壁紙に、白い木の扉だから気づかなかったわ。
大きく開く扉は、左右に開放された。荷物の運び込みも、ここから行ったのね。納得しながら廊下に出れば、すでに支度を終えたシリル様が手を差し伸べた。
「お待たせして申し訳ございません」
「お気になさらず。美しい女性の身支度を待つのも、男の楽しみですから。それにしてもお美しい。見せずに隠しておきたい気分です」
まあ、お世辞でも嬉しくなるわ。こういった口説き文句は、王族教育の一環? ご自分で考えたのなら凄いけれど、まだ十歳ですもの。どなたか、教師となった方の言葉を覚えていたのかも。
すっと手を重ね、歩幅を合わせて歩く。ソールズベリー王国の国王夫妻、義理のお兄様とお姉様になる方々に粗相のないよう、しっかりご挨拶しなくては。気合いを入れ、私は背筋を伸ばした。
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