♂入れ替わりゆうしゃさま♀

シュテ

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第16話 どうしてこうなった

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「ミスアリス。噂はかねがね。気高く美しいお姿は実に噂通りですな」
「ふふふ、ありがとうございます」


煌びやかな照明に照らされて主役である彼女の純白のドレスが煌めく。何処からか美しい旋律が鳴り響く広いホール。綺麗に並べられた豪華な食事。
そんな空間の中で一際存在感を発している彼女。
周りにはお近付きになろうと集まる貴族にそれを遠巻きに見詰める参加者達。このパーティ、社交界の中心は紛れもなく彼女だ。
見た目こそ歳若い少女だがその立ち振る舞いから仕草1つ1つが洗練され美しくそして見た目にそぐわない艶めいた雰囲気に周りは完全に呑まれていた。彼女が動けば皆彼女を注視しそしてその魅力に魅了される。その行動1つ1つに妖艶な雰囲気すら感じさせる彼女は正しくこの場を完全に支配していた。
元から亜里朱は可愛らしく美しい。
しかし今は普段は纏められていない髪を横髪を一房だけ残しまとめ上げ真っ白なうなじをこれでもかとさらしそこに女性らしいアクセサリーも際立って色っぽく女を感じさせる。

(どうしてこうなった)

しかしこう思わずにはいられなかった。
亜里朱は亜里朱なのだが今の亜里朱の中身はシンである。
男の自分がなぜこんな事をしなければならないのか。いや言い出しっぺなのだから責任を持つのは当たり前なのかも知れないがそれでもだ。

(本当にっ!どうしてっ!こうなったっ!?)

シンは泣いていた。
いや実際には泣いていないが心はもうバケツを引っくり返したような雨並に泣いていた。もうプライドもへったくれもなかった。
そんな歩けば男を魅了する女の中身が男だと知れば周りの取り巻きは一体どう思うのだろうか。
半ばやけになりつつあるシンは今日何故こうなったのかを思い出していた。





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