【完結】後悔は再会の果てへ

関鷹親

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幼馴染

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「気がついた? 月くん大丈夫??」

 うっすらと意識が浮上したまま目を開くと、飛び込んできたのは意識を失う前に見た、かつての幼馴染である青柳晃成あおやぎこうせいだった。

「もうびっくりしたよ、月くんに似てる人がいるなーって見てたらフラってなるからさ。もしかしてあんまり寝れてないの?」

 大学を卒業してから意図的に疎遠にしていたせいで、この状況に若干の気まずさがある。
 だが目の前の晃成は、空いた時間など感じさせないくらい自然に、昔のまま接してきた。

 ——相変わらず、キラキラしてる。

 月人より幾分か高い身長にしっかりとした体格。整った顔立ちに優しげに垂れた目元と耳に心地いい声は、幼い頃から周りを惹きつけてきた。
 晃成自体も、内側から光り輝くかのようにキラキラした性格で、誰からも好かれる。そんな奴だ。

 月人はそれこそ、幼稚園の頃からそんな晃成の隣にいた。
 何をするにも常に一緒で、学校がある平日も休日すらもそばにいた。
 唯一無二の親友同士で、人気者の晃成の隣にいることをやっかまれたこともある。
 しかしそれすらも月人は嬉しかった。

 誰からも好かれ好意を寄せられる晃成だが、月人にだけは家族に甘えるように甘え、わがままを言ってくる。
 いつしか「しょうがねぇな」という言葉が月人の口癖になるくらい、晃成のわがままを聞き入れていた。
 そうすることで晃成の隣にずっと居られると思っていたし、その時に見せる晃成の心からの笑みが好きだったからだ。
 周りと違う立ち位置にいることへの愉悦と、頼られることへの満足感で月人は日々満たされていた。

 しかしそんな日々は、ある日唐突に終わりを迎えてしまったのだが——。

 スマホが震え、着信を知らせる。
 電話口に出ると、後輩から慌てながらも心配が滲む口調でまくし立てられた。

『先輩っ、倒れたって大丈夫っすか!!』
「え、なんで知って……」
『親切な人が電話でてくれたんですよ、それでこのあとなんですが、そのまま帰っていいぞって上が——』
「あっヤバい、時間!! 会社ッ」

 ぼんやりと受け答えをしていたが、ふと時計を見れば既にお昼前を指している。
 完全な遅刻だ。全身から一気に血の気が引いた月人は慌てて跳ね起きると、スマホから聞こえてくる声を無視して歩き出す。

「あ、月くん待って——」
「ごめん晃成、俺いかねぇと! 埋め合わせは今度するから!!」

 置かれていた鞄を引っ掴み、バタバタと足音を立てて駅員室から出る。
 人混みは既に解消されていて、一人慌てて走る月人の姿は目立っていた。
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