婚約破棄を喜んで受け入れてみた結果

宵闇 月

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私リリアナ・バレンシアには家同士の契約に基づく婚約者がいる。

だけどその婚約者はなかなかの女好きであちらの花こちらの花と飛び回る蝶のよう。

ああ、こういうと蝶に失礼かもしれないが見た目だけはそれなりに美しいのでそう表現している。

そんな婚約者イヴァン・マクドネル公爵令息だが実は私にだけは全く興味がないようだ。

まあ、私に興味のない女好きだからあちこち飛び回るのだろうが。

それでも昨日までは義務は果たしていたと思う。

昨日までは。

何故昨日までかというと今開かれている王家主催の夜会のエスコートを断ってきておきながら現在男爵家のご令嬢をエスコートしているからだ。

ああ、お父様がご立腹してるわ。

私は半ば他人事のようにお父様を見る。

普通王家主催の夜会で契約とはいえ婚約者の両親も参加しているのにこれはない。

だけどイヴァン様はなかなか普通の物差しでは測れない方なので私は今更気にしないが。

というかむしろ嫌いなのでどうでもいい。

イヴァン様との夜会は毎回苦痛でしかなかったし。

イヴァン様は夜会の度に私のドレスや宝飾品、髪型から酷い時はメイクにまで苦言を呈してくる。

誰がそんな人にエスコートされたいと思うだろうか?

誰しも嫌なはずだ。

そしてイヴァン様は私以外は必ず褒める。

そんな人到底好きになれる訳はなかった。

だから婚約も家同士の契約でなければさっさと解消…いや、そもそも何もなければ最初から婚約なんてしなかっただろう。

たまたま我が家が金銭的に余裕がありマクドネル公爵家が少々財政難だっただけ。

それに家格の問題があってまとまった婚約というだけだ。

それでも格下の私が格上のイヴァン様に何かを言う訳にもいかず今日も無言を貫いていた。

それがこんなことになるなんて…
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