僕の番が怖すぎる。

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二章 あいつの存在が災厄

Ωは皆凄く具合が善いが?不思議なやつだ。

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 続きです。
 百合に初めての友達ができました。モンスターハズバンドが酷いです。
 ───────────

 
 オメガバースの作品などを知っているものは分かっているだろうが、
 Ωのフェロモンはα性のものやオスたちを誘う匂いがする。

 百合や義母は、番が出来ると通常は消えるといわれたこれが、まだ少しばかり強く残っていた。
 
 だから番のベッドルームに監禁されるような生活を送っていたともいえる。

 いや、あいつはそれも関係なく、滅茶苦茶体を貪るやつだったな…

 ともかく、私や義母は人前に出れば激しく誘う匂いがして、大変な騒動になりやすかった。


 ◇◇◇


「なんと美しい姫じゃ、是非とも我が妃に。」
「このような美姫見つけられたのは僥倖じゃ。」
「なんと!あの恐ろしい【赤鬼】の妾か!」
「あやつは多数のおなごもおのこも妾にして
飼って、犯して、喰らうと聞いた。」
「怒った顔も美しい…」
「姫の杞憂を余が取り除こう!」
「芳しい百合の薫りがするのう…」
「その銀の髪と瞳は本当に美しい、閨で侍らせ堪能したい。」

 などと言われ、人族のオス共に迫られた。
 ちょうど一緒に来ていた姉は姪っ子への土産を買うために、支払いに行っていたから、少しの間だけ一人になっていた。

 鬼族でお前らとは種族も違うと言っても、
 既に朱天の妃で身籠っていると言っても、
 お前たちは全然好みじゃないと言っても、
 それでも怯まない頭の湧いた奴らがうざかった。
 ヒヒ爺や醜い猿みたいなやつらというのも嫌になる。
 どことなく目が血走り、情慾のこもった視線が気色悪い。

 お前らうちの旦那はマジに怖いやつだから、本当に知らないぞ?
 簡単に殺すし、魂すらも【消去けす】し、嬉々として惨殺するぞ?
 鬼族の掟では番に手を出されたら何でもして良いんだぞ!
 あいつは僕やお義母様以外は平気で殺すんだぞ!!
 実際に兄姉たちを惨殺して、解体して、喰ったし、喰わせたからな!!!

 どうするか迷っていたが、突然手を引かれ連れ出された。

「少し、走るぞ。」

 暫く走り、路地裏に入り、やつは止まった。
 僕と違い少し息のあがったやつは言う。

「大丈夫か?こんなに、小さい女の子に、盛る、なんて…あいつらおかしいだろ?」

 僕より少し歳上の人族のオスのガキだった。

「僕は男だ。」

 失礼なことを言う、人族のガキに訂正を入れる。

「は?!マジに?ホントに?!
着ているものとか女っぽいけれど?なんでだ?
てか、腹もデカいみたいだけれど、なんで???」

 色々と混乱している、僕より少しくらい歳上らしい、人族のオスのガキに説明してやる。

「僕ら鬼族には男でも子を孕み、産むことが出来るΩという性がある。
里を出てこの市などに来るのは、α性のものばかりだから知らないのか?」

 女物を着ているわけではないが、あいつのの着物を最近は纏っているだけだ。

「初耳だし、マジかよ?!
そんなん知らねぇし、ここは平安時代とかじゃねーのかよ!」

 頭を抱えてなにか色々と不思議なことを言っている。
 まぁ…人族にしたらわりと見目も良い。
 黒髪に黒目とか地味だな。
 体格は僕より良いから、歳は二、三歳は上か?

「まぁ…僕一人でもなんとか出来たが、感謝する。」

 とりあえず、礼は言っておく。
 頭も悪い下等な人族のガキだがそれなりに助かった。

「お前、滅茶苦茶偉そうだなぁ…
てか、お前いくつだよ?その歳でガキ作って大丈夫なのか?
孕ますってことは旦那?だよな?そいつとかは一緒にいないのかよ?」

 あいつは現在は狩りで茨木イバラキと四童子を連れている。
 このあとで合流して、芸人の出し物でも観て帰る予定だ。

「僕は次の正月で十三になる。 
それから夫は今は狩りに行っていて、少し離れて行動しているが、姉が側にいた。」

 お前が連れ出したから、姉は探しているだろう。

「は?!十三!となるとかぞえだから…十一か、十ニ歳?!
いや、若すぎてヤバいだろう、幼すぎだろう、旦那はどんな鬼畜だ?」

 色々と失礼なやつだがあいつが鬼なのは間違いではない。

「夫も僕も鬼だぞ?」

「それもなんでだよ!妖怪とかいるし、鬼もいるとかわけ分からん!
こっちに生まれてから不思議なことだらけだ!」

 お前の方こそさっきから言動とかが不思議なんだがな?

「それより、僕に先に聞くよりも名前くらい名乗れよ人族のオス。」

「本当に偉そうなチビだなぁ…
どっかの若様とかか?いや、旦那がいるから嫁?に行っているのか?
あー!頭が混乱する!」

 やっぱり人族は頭の悪い生き物みたいだな。

「まぁ、とりあえず自己紹介な。おれはツナ
源綱ミナモトノツナ』だ。歳は今度十六になる。」

 氏持ちということはそれなりの身分があるのか。
 体も程々に鍛えているみたいで栄養状態も悪くない。

「僕は、『百合ユリ』。氏は今は持たない。」 

 嫁ぐ前は【青】であったけれど、今は無い。

 ◇◇◇

「そっか、姉ちゃんがいんのか。
お前の姉ちゃんなら吃驚するくらいの美人だろうな。」

 からっとした邪気のない笑いをして彼は答える。
 こういうところはあいつと似ているな。
 まっすぐ僕を見つめる目には情慾の色などが一切ないのも良い。

 少し話をしたら、人族のガキことを綱はわりと良いやつで、
 あの醜いヒヒ爺や猿どもに閉口していることを話してくれた。
 やつらは人族の貴人らしく、下手なことをすると危ないらしい。

 でもな、うちの旦那はそういったことは全く無視する。
 掟破りもままあり、スメラギ様からいつも折檻されている。

「お前も百合なんて名前してるから女みたいだよな?
綺麗な銀髪と銀目で色も吃驚するくらいに白いし、物凄い美人だもんなぁ。」

「鬼の名付けに基づいてしていることだから普通だ。
僕が持つ【華】は白百合だからな。
容色については褒められ慣れているからどうでも良い。」

 あいつみたいに中身が好ましいとか言うやつはいないのか?
 名前が女とか失礼すぎるぞ!

「なんだそりゃ?そういやお前の首とか手とかにも、青い薔薇の入れ墨みたいなのがあるな?」

 不思議そうにして僕の手に咲く、あいつの【華】を触ったりする。

【華】か、これは鬼のΩしか持たないからな。
 茨木も四童子も持っていないからな。

「夫の持つ【華】が青薔薇だからな。
鬼は番にそれを与えて愛を示す宣誓をする。」

 僕もそろそろ真剣にこれについて考えなくてはいけない。

「んじゃ、旦那は『薔薇ソウビ』やショウビとかか?」

「いや、朱点シュテンだが?」

「は?」

「夫は僕ら鬼族の皇子、朱点で僕はその妃だ。」

「いやいやいやいや『酒呑シュテン童子』なんてヤバ過ぎだろう!
おれも『渡辺 綱ワタナベ ツナ』だし、不味いな…」

 かなり顔色を悪くして、慌てているがなんだろうか?
「大江山」とか「童子切り」とか「毒酒が…」とか言っているがなんだろうか?
「茨木」や「腕」とかも言っているが、なんで彼女を知っているんだ?

「何を言っている?夫は酒呑童子なんて【名】は持っていないぞ?
それにお前はさっき、源 綱と言わなかったか?」

 本当に不思議なやつだなぁ?お前も【名】持ちなのか?
 人族には少ない筈だから珍しい。
 それにしてもお前の魂の色が………

「百合、探した。」

 姉が来た。
 
 「……………………」

 綱は黙って呆けている。

「お前の姉ちゃん、凄え美人だな。」

 お前はさっきからそればかりだな?容色ばかり褒めるのは良くないぞ。

「ふふっ、ありがとう、少年。私はこの子の姉のアケという。」

 嫣然と微笑む姉。

 そいつに媚びる必要なんてないよ姉様。

「…お姉さんみたいな方とお付き合いできたら幸せですね!」

 何言ってんだこいつ、図々しいな!

「残念ながら、私には伴侶もおり、娘もいるのでね。
けれど称賛はありがたく受け取るよ。
それから百合、お前の態度は良くないよ。
人族にも敬意を持ちなさい。人種差別はいけない。」

「でも、皆は人族は弱くて愚かで下等な生き物って言ってたよ?」

 教育係とかもそう言っていた。

「朱点様はそんな事は仰らないだろう?」

「…………………」

 確かにあいつはそうだけれど、そんなことをいきなり言われても難しい。
 僕は俯く。

 そんな僕を放り、姉は綱と話をしだす。

「なぁ少年、君は『彼方あちら』から来たもののようだ。
【青】由来の魂がえる。
出身は?私は関東の方だったんだが詳しく覚えていない。」

「な?!な、ななんで!お姉さんもなんですか?!
おれは京都なんで、今とあまり変わらないというか、時代を遡行して生まれ変わったのかと…」

 なんの話をしているんだろうか?
 姉は昔から時々不思議なことを教えてくれた。
 言葉やお話、色々な食べ物や習慣。
 色んなことを知っている、凄く自慢の姉だ。

「それは、違う。
似ているが全く違うから。
だから、時々おかしなことをするやつが出てくるんだ…」

 姉は額に手をやりため息を吐き、綱と会話を続ける。

「よし、少年。お姉さんがこの世界のことを教えてあげよう。
代わりにこの子の友達になって欲しい。」

「「なっ?!」」

「この生意気なチビと?!」「頭の悪い人族のオスのガキと?!」

 誰が生意気だよ!
 それに姉様も勝手に決めないでよ!

「ハイハイ、仲が良いみたいで良かったよ。
それじゃあ少年、この子の旦那様はそれはもう怖ろしい方だから、
私からプレゼントをあげよう。」

「はい?!いや、仲とか良くねーし、え?あ?」
 
 綱は慌てているが、姉は意に介さない。
 姉が綱の額に中指で何かを描き、口づけた。

「『エオル(保護)』の印を授けた。
新しく結ばれる友情にも良いだろう。」

 少しからかう様に笑う姉。

「な、ななんなんですか?」

 綱は真っ赤になって額を押さえている。

 お前、姉様から秘印ルーンを貰うなんて羨ましい!
 お義姉おねえ様に知られたら滅茶苦茶絡まれそうだが。

「もうすぐ怖ーい方が来るからその前にね。おまもり?かな。」


 不意に後ろから…

 とても怖ろしい、震えがくる、気配を感じた。
 とても良く知る、存在の匂いもする…


 だんだん、だんだんと


 近づいて、

「百合。」

 朱天が来た。

「!!!!!!!!!!」

 綱は真っ白になり絶句している。
 それが恐怖からなのか?
 それとも魅せられているのかはわからない。
 こいつを見るとその反応は色々と分かれる。

 僕の夫、朱天は色気の塊で、恐怖の存在だから困る。
 とんでもない美貌と溢れんばかりの【亜神】の力が恐ろしすぎるからだ。

「これはなんだフレイヤ?
百合にこんなを近づけるな。」

 あー…お前なぁ、ゴミは良くないぞ!

「朱点様、百合の友人です。」

 違います!姉様、勝手に決めないでよ!
 ほら、綱も漏らしそうになっているし、ぷるぷるしてるから!

「小僧、お前は百合に欲情したのか?こいつとヤリたいのか?」

 そしていきなり何聞いているんだよ!お前は!!
 相変わらず、卑猥なことをサラッと話すな!!!

「イヤイヤイヤイヤイヤおかしいでしょう?こんなチビのしかも男とか無理無理無理無理!!」

 物凄く慌てて首を振りながら早口で喋る。

 さっきからチビチビ煩い!
 それにしてもお前は本当にそういった目で僕の事を見ないんだな。
 ちょっと嬉しい。

「男でもΩはみな凄く具合が善いが?不思議なやつだ。」

 その言葉にこいつ以外が固まる。

「お前なぁ…ぶん殴るぞ!」

 思わず腕を振り上げるが、簡単に止められる。
 ニヤリというような笑いをしながらも話す。

「俺のお姫様はお転婆が過ぎる。
だが、こいつは【青】の中ではマシだ。
フレイヤの護りもついている。
百合に手を出さなければ良いだろう。」

 確かに魂の色は美しい清廉な青だ。

「若!急ぎ行かれるので困ります。」

 茨木も来た。

「………………………………」

 さっきまで恐怖に固まっていた、綱が真っ赤になっている。
 そして茨木のもとまで駆け寄り、
 跪き、手を取り

「俺と結婚してくださいお姉さん。
一応、おれもそれなりの良いとこの子なんで安心してください。」

 こんな事を言った。

「茨木、コレはお前とヤリたいらしい。」

 腕を組み面白そうにしながら朱天は話す。

 だからお前はなんでその方面でしか見ないんだよ!

「若、なんというかそういうのは外では話さないようにと何度も…」

「なんだ?それぐらいの歳ならヤリたい盛りになるだろう?
俺がお前に手を出したのは、百合の歳よりも前だったが、その頃はかなり欲求があったぞ?」

 今でもヤバいのにそれ以上って…
 それに求婚しているやつの前でなんでそんなことを話す。
 あまりのことに絶句しているぞ。

 しかも僕の!嫁の!!お前のお姫様の前で!!!
 あの頃のイライラと嫉妬が再燃してきた。

「朱点様は私にも声をかけたからな…勿論お断りしたが。」

 姉も話す。

 お前、本当にいい加減にしろよな!
 今は違っても嫁は怒るぞ!!

「それともわりと可愛い顔をしているから抱かれたい方か?
茨木はαだが、お前のようなやつが好みかはわからんな。
俺は抱ける。
今は百合がいるからせんがな。」

 だから、お前のそのとてつもなく広い範囲のそれは恐ろしすぎるわ!

 一応、『お前にしか勃たない。』は守ってくれているが、
 帰ったら、そのでっかいちんちんで滅茶苦茶可愛がらないと拗ねるぞ!
 このヤリちん、巨根、絶倫!

 あれ?なんか褒めている???

 それに…周りはまだ固まったままだ。

「百合…お前の旦那はなんというか猛烈に凄いな。
こんなにありえない美形からこんな発言が出るとか…
ギャップが酷すぎてキツいぞ…
あと、茨木さんがものすごく可哀想なんだけれど、
お前に聞くのは悪いが、未だに旦那と関係って持っていたりするの?」

 いち早く復帰した綱が、僕に聞く。

「恥ずかしいけれど…「今は毎日、百合が無理だと、止めろと言うまで抱いている。
殆どの時間を共にし、百合の望むまま起きてから寝るまでしている。」

 またまた絶句される。

百合これは俺の『でっかいちんちん』が大好きな『エロいお姫様だ』。」

 曇りの一切ない目をして言っているが、内容は本当に酷い。
 どことなく自慢げだしな。
 多分、俺が作り上げたと自慢したいんだろうか?
 お前な、本当にいい加減にしろよ!

 もう…本当に恥ずかしい。
 この卑猥物を作ったやつは出てきてほしい!!

「朱点様、【戦乙女ヴァルキュリヤ】にケツを刺されたいんですか?」
「若、お妃様が、とてもお気の毒です。」
「百合、本当にすまん…聞いたおれが悪かった。」

「もう…良いです。」


 ◇◇◇


《シュテンは、本当にモンスター………》

 絶句するよね?

 あいつはそのへんのこと関する価値観は壊れていたからな。
 異常な性欲から、当時は女も男Ωもαもどんなものでも、解消できたら良いと思っていたらしい。

 私が番になってからそれが私だけに集中したから大変だったが…
 ちゃんとそのへんの貞操は守るから不思議だよ。
 まぁ、それは凄く嬉しかったけれどね。


 ◇◇◇

 なんだかんだでとても同情され、なぜか仲良くなった。
 一つには茨木との繋がりも欲しいみたいだけれど。

「綱、お前が嫌でなければまた話してほしい。
この子が産まれる直前と直後は無理でも、また会いたい。
それで、色んなことを教えてくれ。」

「あー…お前の旦那サマがとても怖い顔をされているんですがね?」

「朱天…ダメか?」

「仕方がない。」

 こんな遣り取りがあり、とりあえず生まれて初めての友人が僕に出来た。

 朱天の被害者仲間のような気もしないでもない。

◇◇◇

 彼に会うのはまた暫くはお預けであるが、姉などを介して手紙の遣り取りなどがある。
 あいつは男を抱くとか、抱かれるとかそういう対象には絶対ならないからとか、仕切りにこいつに言って弁解していた。

 物凄い貞操の危機を感じたそうだ。
 うちの旦那が本当にすみません。

『おれは女の子の柔らかいのが良いんだよ!男とか無理無理無理無理!!』
『Ωは凄く具合が善い、αも壊れないから良いぞ?
残念ながら俺は抱かれたことはないが、みな悦び気をる』

 とかまた公衆の場で卑猥な事を言ったので、こいつにはまた拳骨をしました。
 今度は止められなかったし、拳も砕けませんでした。
 物凄く痛かったけれどね。


「おしるしも出たし、もうすぐ産まれると思うんだけれど…
ここのところ付き合えなくて悪いな。」

 そう…産み月になり、睦み合うのは禁止にされた。
 このことは朱天も僕も…苦しかった。

 こいつのでっかいちんちんと仲良くしていない…
 こいつに可愛がってもらっていない。

『若も百合様もこれぐらい辛抱なさいませ!』と茨木にも怒られたがこいつも僕もとても辛かった。

 物凄く欲求不満になっている。
 僕がこんなになったのは絶対にこいつのせいだ。
『俺好みのエロいお姫様』になってきている。

「構わん。産まれて落ち着いたらな。」

 相変わらず整いすぎた顔を、にこにこさせて笑っている。
 だが、少しばかり婀娜っぽい笑みでもある。

 うん、これはヤバい。
 ヤリ殺されるかもしれない未来に冷や汗が出てきた。

「その時は思う存分に俺のお姫様を堪能する。」

 掴んでいた僕の髪に口づけをして僕を見やるが、
 どこか情慾の混じった視線がとても怖い。

 でっかいちんちんは恋しいけれど、やっぱり…助けて姉様!
 人族と違って産んだらそんなに期間を空けず、そういうことが出来るようになるにしても、
 こいつと付き合うのはもう少し回復してからにして欲しい。
 出来るようになってすぐに、寝食を忘れて十日とかはだめだからな!


 あ…

「あら?なんか、産まれるみたいな感じ?」

 股ぐらから温いものが流れ、急に鋭いのと鈍い痛みがお腹を襲う。

「そうか。」

 お前は本当に動じないな、たけどそういうところは本当に心強い。
 姉やお義母様曰く、ここからが長いらしいから頑張らなきゃいけない。

「医師を呼んでくる。」

 朱天が【域】を解除し、部屋から出ていく。

「うん、頼む…」

 鬼は痛みとかに強いけれど、これはキツいぞ…
 デカい子が出てくるし、僕はまだ小さいからかなり辛いだろうなぁ…
 あいつと僕の子だからきっと凄い美人だろうし、滅茶苦茶強い子だろうな。
 どんな色の魂を持った子だろう?
 僕に似た【ムラサキ】?それともあいつに似た【アカ】かな?

 うん、こういったことを考えて、やり過ごそう
 それにしても…


 ほ ん と う に い た い … 姉 様 も お 義 母 様 も ほ ん と う に す ご い ……


 ◇◇◇


 私の初めての子はそれはそれは大きかった。
 夫がとても大柄だったのと、百合の家系も大きかったので仕方ないが。
 大きく育てすぎた。

 気をつけていたが、次の子らも大きかったうえに双子で死ぬ思いをしたが、出産後の多幸感は凄かったな。

《ツナとは何にもなかったのか?》

 ひとのことをなんだと思っているんだ!
 夫以外とはそんな関係になんか絶対になるのは御免だからな。

 今回の話は酷かったが、これからするのはあいつの愛の凄さに私は感動したんだからな。
 

 ───────────
 一応擁護すると、朱点は騒ぎを聞きつけて飛んてきたので、フェロモンに惑わされ無いかの確認をしました。
綱に百合に手を出すか?Ωに興味があるのか?などを彼なりに話したらこうなりました。
彼の場合は言葉が足りず、エロ方面に偏りすぎこうなるという感じです。
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