85 / 131
085 待ち伏せ②
しおりを挟む
●隠れキリシタンの一人が男の素性を調べた。あの男の父は姉妹の家の事業を意図的に潰したらしい。それがなければ両親も生きていたかもしれない。復讐に燃える姉妹に隠れキリシタンは言う。君達が幸福になる術を知っている。次の満月の夜に男を連れて来い。男を誘うために化粧を覚えさせると、姉妹はどちらも妖艶な女になった。優しいだけの男はそれでも姉妹の擦れた心を癒やす。会っていると笑い、離れると泣き、思い返すと怒る。感情を揺り動かされる姉妹は男を愛し始め、またそれに二人とも気付いた。男の向ける笑顔が愛かは分からない。どちらかの思いが成就してもどちらかの思いは潰える。終わりにしようと満月の夜に男を呼び出すと、礼拝堂はいつもと様相を変え、禍々しい心臓の文様が掘られた石や、逆さの十字架、怪しげな魔法陣に、気味の悪い供え物といった、おどろおどろしい祭壇を設えた邪教集団の黒ミサとなっていた。
●姉妹が勧めた酒で男は酩酊した。男を祭壇に上げ大鋏で男を二つに切り、大悪魔を呼び出そうとする邪教集団。殺すまでは望んでいないと儀式を止めようとする姉妹。満月の夜に瑞々しい心臓を捧げるとそれが黄金に輝き、大悪魔が伴侶を選びに来る。心臓はお前達のでもいいのだから予備として見ていろ、と高笑いする邪教徒。「大悪魔様、古の儀式に則り申し上げる。闇にあっても輝く伴侶を選び給え!!」。彼らに捕縛される前に、美千代は祭壇の炎に薬を入れる。母を苦しませずに送るために髪と引き換えに手に入れたものだ。もうもうと煙が立つ中、炎が強くなったと思ったらあちこちで悲鳴が起こる。祭壇を見ると悪魔となった男が邪教集団の体を切り刻み、黒い翼を靡かせて立っていた。
●「花嫁はどちらだ?」愛しい男の顔のままの悪魔は聞く。姉妹はそれぞれ相手を助けるために、「あなたの花嫁は自分ではない」と答える。悪魔は笑って二人を抱き寄せ、それぞれに口づける。すると二人の体が業火に焼かれ、続けて悪魔の口から吹き付ける風が止むと、そこには姉妹によく似た一人の女が現れる。「花嫁はお前だ。初めから決まっていたことだ」と言って悪魔は女を抱いて闇夜を飛んで行く。姉妹が合体して一人になったのか、別の人間なのか、あの男が悪魔になったのか、初めから悪魔だったのかは何も説明されない。夜空を飛びながら悪魔も女も笑っていた。
そこで映画は終わる。
――――――――――
●姉妹が勧めた酒で男は酩酊した。男を祭壇に上げ大鋏で男を二つに切り、大悪魔を呼び出そうとする邪教集団。殺すまでは望んでいないと儀式を止めようとする姉妹。満月の夜に瑞々しい心臓を捧げるとそれが黄金に輝き、大悪魔が伴侶を選びに来る。心臓はお前達のでもいいのだから予備として見ていろ、と高笑いする邪教徒。「大悪魔様、古の儀式に則り申し上げる。闇にあっても輝く伴侶を選び給え!!」。彼らに捕縛される前に、美千代は祭壇の炎に薬を入れる。母を苦しませずに送るために髪と引き換えに手に入れたものだ。もうもうと煙が立つ中、炎が強くなったと思ったらあちこちで悲鳴が起こる。祭壇を見ると悪魔となった男が邪教集団の体を切り刻み、黒い翼を靡かせて立っていた。
●「花嫁はどちらだ?」愛しい男の顔のままの悪魔は聞く。姉妹はそれぞれ相手を助けるために、「あなたの花嫁は自分ではない」と答える。悪魔は笑って二人を抱き寄せ、それぞれに口づける。すると二人の体が業火に焼かれ、続けて悪魔の口から吹き付ける風が止むと、そこには姉妹によく似た一人の女が現れる。「花嫁はお前だ。初めから決まっていたことだ」と言って悪魔は女を抱いて闇夜を飛んで行く。姉妹が合体して一人になったのか、別の人間なのか、あの男が悪魔になったのか、初めから悪魔だったのかは何も説明されない。夜空を飛びながら悪魔も女も笑っていた。
そこで映画は終わる。
――――――――――
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる