映画をむさぼり、しゃぶる獣達――カルト映画と幻のコレクション

来住野つかさ

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085 待ち伏せ②

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●隠れキリシタンの一人が男の素性を調べた。あの男の父は姉妹の家の事業を意図的に潰したらしい。それがなければ両親も生きていたかもしれない。復讐に燃える姉妹に隠れキリシタンは言う。君達が幸福になる術を知っている。次の満月の夜に男を連れて来い。男を誘うために化粧を覚えさせると、姉妹はどちらも妖艶な女になった。優しいだけの男はそれでも姉妹の擦れた心を癒やす。会っていると笑い、離れると泣き、思い返すと怒る。感情を揺り動かされる姉妹は男を愛し始め、またそれに二人とも気付いた。男の向ける笑顔が愛かは分からない。どちらかの思いが成就してもどちらかの思いは潰える。終わりにしようと満月の夜に男を呼び出すと、礼拝堂はいつもと様相を変え、禍々しい心臓の文様が掘られた石や、逆さの十字架、怪しげな魔法陣に、気味の悪い供え物といった、おどろおどろしい祭壇を設えた邪教集団の黒ミサとなっていた。

●姉妹が勧めた酒で男は酩酊した。男を祭壇に上げ大鋏で男を二つに切り、大悪魔を呼び出そうとする邪教集団。殺すまでは望んでいないと儀式を止めようとする姉妹。満月の夜に瑞々しい心臓を捧げるとそれが黄金に輝き、大悪魔が伴侶を選びに来る。心臓はお前達のでもいいのだから予備として見ていろ、と高笑いする邪教徒。「大悪魔様、古の儀式に則り申し上げる。闇にあっても輝く伴侶を選び給え!!」。彼らに捕縛される前に、美千代は祭壇の炎に薬を入れる。母を苦しませずに送るために髪と引き換えに手に入れたものだ。もうもうと煙が立つ中、炎が強くなったと思ったらあちこちで悲鳴が起こる。祭壇を見ると悪魔となった男が邪教集団の体を切り刻み、黒い翼を靡かせて立っていた。

●「花嫁はどちらだ?」愛しい男の顔のままの悪魔は聞く。姉妹はそれぞれ相手を助けるために、「あなたの花嫁は自分ではない」と答える。悪魔は笑って二人を抱き寄せ、それぞれに口づける。すると二人の体が業火に焼かれ、続けて悪魔の口から吹き付ける風が止むと、そこには姉妹によく似た一人の女が現れる。「花嫁はお前だ。初めから決まっていたことだ」と言って悪魔は女を抱いて闇夜を飛んで行く。姉妹が合体して一人になったのか、別の人間なのか、あの男が悪魔になったのか、初めから悪魔だったのかは何も説明されない。夜空を飛びながら悪魔も女も笑っていた。

そこで映画は終わる。

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