とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~

剣伎 竜星

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~幕間1~

第18話 18禁G画像(クロノエクソス)と飛鳥のMyPhoneの件

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幼竜形態のクロエに与える”魔力球”作成に熱中していた飛鳥を呼び戻して、俺達は話を再開した。

次の話題は俺とクロエの出会いに関してなのだが、クロエ本人も両目を抉られてわからなかった当時の自分がどんな状態だったか興味津々だったため、飛鳥と共に俺がMyPhoneで撮影した写真の開示を要求してきた。

俺は予めグロ画像である警告とリバース対策のエチケット袋を用意することを条件に了承した。決して、2人に押し付けられた胸の感触に屈した訳ではない。そして、

「う…え…」

『うがあああああっ! なんじゃあこりゃあああああああ!!』

案の定、飛鳥はグロさに堪えきれずにエチケット袋の中に胃の中のものをリバース。その背中を俺は優しく摩る。

一方、被写体だった当クロエは激昂して某ジ○パン殉職者の名(迷)台詞を吠えた。

流石に何度も実際に目にして耐性がついている俺はリバースするほどのダメージは受けなかったが、やはり見ていて気持ちのいいものではない。実物はこれがリアルに脈打って蠢いている上にんだぜ……。

2人の惨状に俺は嘆息するとともに、この画像を残しておいたことを後悔した。今後のことも考えて、飛鳥が落ち着いたのを見計らって、彼女の背中を摩るのを止めて、俺はこの画像群を削除することにした。

順調にMyPhoneの画面をタップしていくのだが、最後の最終確認画面で、先ほどまで初代オディオ国王ユーイチに恨み節をブツブツと呟いていて、ダークサイドに堕ちていたクロエにガシッとタップする腕をコアラが木に掴るように掴まれてしまった。

『なにをしておるのじゃ、ご主人?』

「なにって、この惨状の元凶の画像を消そうとしているのだが?」

『それを消すなんてとんでもない!?』

タップしようにも完全にクロエにホールドされているため最後の一押しができない。

『嫌じゃ、後生じゃ、過去の我の記録を消さないでたもう!』

激しく最後のタップをさせまいとクロエは抵抗する。

「過去のクロエの画像を残して、なにに使うのさ?」

『我にあのような仕打ちをした初代オディオ国王腐れ外道への復讐心を忘れえぬために!』

「ああ、報復なら俺が昨日してきたから、今ごろ城下町含めて王城は酷いことになっているし、もう王国の威信はボロボロのはずだ」

『ぬぬ。とは言っても我は……』

更に言い募ろうとするクロエ。別段、削除に拘る必要もないかと思い始めたそのとき、横から伸ばされた指が『キャンセル』をタップした。タップしたのは画像を見てグロッキー状態になった飛鳥だった。

「私のこの醜態が原因であるのなら、お気になさらずクロエの希望に沿うようにお願いします」

未だにその顔は青いが回復してきてはいるようだ。なんだかなぁと思いつつ、もうすぐ昼時だったので、一先ず話し合いは一時中断となって、クロエが昼食の準備に入った。



昼食は業務○ーパーで買っていた生のうどんとめんつゆ、薬味に葱、生しょうがを使ったざるうどんだった。うどん玉は20玉買っていたのでお代わり可能だ。

流石にあのグロ画像を見て肉を食べる気にはなれなかったので丁度よかった。

「優さん、これどうしたんですか?」

そういえば飛鳥には俺のバックパックなど向こうの世界から持ち込んだ物に関する話はしていなかったっけ。

「俺が転移する前に購入していた食材の一部だ。自宅の食糧を補充するために買い込んでいたから後少し残っているくらいだ」

そう告げて、俺達はざるうどんを堪能した。かつおとしいたけの出汁が効いたつけ汁の旨味が堪らず、俺はうどんをつけてすする。つゆは薄めずにそのまま使えるタイプと薄めて使うタイプを買っていた。今回使ったのはそのまま使えるタイプ。理由は計量カップは流石に携行していなかったからだ。いや、500mlのペットボトルがあるからそれを使えばできなくはないが、荷物を減らすためにそのまま使えるタイプを今回消費した。

「……」

飛鳥もうどんをすすっているのだけだが、背筋がきちんと伸びた綺麗な姿勢で割り箸を使って静かに食べているから、すごく映える。正しい姿勢で食べる見本と言われて万人が納得するレベルだ。頬がほころんでいるところを見るに、味に問題はないようだ。

「あむ……うまいのう♪」

クロエは流石に箸を扱うことがまだできないためフォークにうどんを絡めて食べている。そのご満悦な様子からこちらも問題ないようだ。

ざるうどんを堪能して再び食休み。飛鳥は手伝いを申し出たが、クロエが数が少ないからと固辞した。


魔改造牢屋生活でも食材はかなり消費してしまったので、残りは少なくなっている。調味料も大丈夫と思えるかもしれないが、これが一番消費している。加工食品はもうほとんど残っていない。

こうなると、本来ならば使い尽くす未来しか見えないのだが、大丈夫だ、問題ない。俺には【想技創造スキルクリエイト】という前代未聞もバグチートスキルがある。このスキルで既にスキルは作成済みだ。そろそろ俺のスキルについても飛鳥に教えないといけないのだが、その前に、

「飛鳥はスマホ持ってる?」

「はい。電池切れて電源が入らなくなってしまっていますが、肌身離さず持っています」

「OSはMyOS? それともBotroid?」

「MyOSです。家族が全員MyPhone使っていますので、その流れで私もMyPhoneです。最も、他家に比べて厳格なところがあるので、なかなか私が携帯電話をもつことが許されず、機種も古いものでMyPhone6sです。私以外の勇太達はBotroidの最新スマートホンでした……」

しょんぼりしながら、飛鳥はローズゴールドの薄型スマホを取り出した。

仕事柄どちらも触ったことがある俺としては、使いやすい方を使うのが一番。それで、俺は直感的に使いやすかったMyPhoneを使っている。閑話休題。

「その機種だったら、これが接続できるから貸してあげよう」

俺はそう言って、専用のケーブルが付いたブツを【空間収納】を偽装した袋から取り出して、飛鳥に渡した。

「あの、これは?」

ソーラパネルが付いているそれを渡された飛鳥は首を傾げて尋ねてきた。

「ソーラーバッテリー付きバッテリーチャージャー。MyPhoneに対応している充電しながら使える優れものだ。MyPhoneの内蔵バッテリーが満タンになったら返してくれよ」

俺がそういうや否や、飛鳥はバッテリーチャージャー専用ケーブルを自分のMyPhoneに接続して、数十秒後、電源ボタンを長押しした。すると、背景が真っ白で中央にメーカーロゴの画面が表示され、次いでパスコード入力画面が出た。

真剣な表情で軽快に飛鳥がパスコードをタップ入力を終えると、四角いアイコンが並んだMyPhoneのホーム画面が表示された。

「よかった。本当によかった……」

写真のアイコンをタップして撮影したのであろう子猫などの小動物の写真を涙を浮かべながら飛鳥は閲覧し始めたので、俺は彼女にハンカチを渡して、その場をしばらく離れることにした。
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