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第3章 自由連合同盟都市国家メルキオール 地方城塞都市カイロス編
第70話 後手に回らざるを得ないので、その時に備えて情報収集だけは怠らない。そして、カイロスの名物料理の件
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メガネに厄介な死に戻りスキルが覚醒して、暗躍しているのは分かった。
しかし、分かっている情報が断片的かつ少な過ぎて、メガネ達が具体的に何を目的として暗躍しているのか全く読めない状況だ。
期待していたメガネ達から離反してきた脳筋とロリっ子にメガネ達は重要な情報を共有していなかったことから、この2人もいづれメガネ達は使い捨てるつもりだったのが分かる。
「バルタザール騎士王国へカイロスは早馬は出しているのかね?」
ヘリオスギルド総長がディナダンギルド長に尋ねた。
「はい。賊に西門を突破された旨の注意喚起の知らせの早馬を騎士王国に出し、冒険者に街道沿いの村、街への警備依頼を出しています」
ディナダンギルド長が即答した。昨夜の時点の情報での対応としては充分だと思われる。
「よくやってくれた。追加で先ほど分かった情報をまとめたものをバルタザール騎士王国の騎士王宛に私名義の親書で出すから、早馬を手配してもらえないかな?」
「ギルド総長名義の早馬を出されるのですか?」
ディナダンギルド長が驚くのも無理はない。
ギルド総長名義の早馬は言わずもがな、最優先で目的地に到達するため、危険な夜間行軍も行える高ランクかつ高レベルの【騎乗】持ちの遂行可能な最速の衛兵もしくは冒険者がすぐさま選抜されて、親書の準備が出来次第出発する。
同盟国の首脳間でホットラインがないのが俺は不思議に思った。後でそれとなくヘリオスさんに聞いてみるか。
「ああ、相手は勇者とは名ばかりの得体の知れないスキルを持った存在だ。騎士王国にも被害がでかねないし、彼等が目指しているのはどうやらバルタザールだからね。情報は鮮度が大切だ。カイロスの門を突破したとき、彼等は騎馬に騎乗していなかったのだろう?」
「はい。報告では騎乗していなかったとあります」
「だが、死に戻りの効果で以って馬を確保しているとも限らないからね。念には念を入れてだよ。それにこの件は下手な手を打つとあちらとの外交問題になるからね」
そう言って、ヘリオスさんは嘆息した。
たしかにメガネ達の目的と動向は気になるものの、既に個人の好奇心で首を突っ込んでいいレベルを逸脱しているので、俺は関わるつもりはない。厄介事にしかならないから関わりたくない。もちろん、飛鳥達も関わらせるつもりはない。
とはいえ、身内に降りかかる火の粉ならば全力で振り払うまで。そのときに備えて、情報収集は怠るべきではないな。
「ベル、バルタザールはもとより、その更に西の地方の情報。具体的には魔物や勇者関連についてをこれから定期的に集めるようにしてくれないか?」
「かしこまりました」
俺が頼むとベルは周囲を魅了する笑顔を浮かべて応えてくれた。
■
「彼等と話さなくてよかったのかね?」
六連団の関連の報奨金をもらって、冒険者ギルドを後にした俺にヘリオスさんが問いかけてきた。
「ええ、あの2人と俺と飛鳥はオディオ王国で別々の道を行くことを選んでいます。その原因は向こうにありました。俺はそれを今の所、許すつもりはないので、飛鳥の生存もあの2人に教える気はありません。あの2人と同郷の人間だからという理由で優しく、親しくする理由は俺にはないですよ」
俺はそう応えた。
「……そうか、ならば私から言うことはなにもないよ。っと、ここだよ。カイロスでお勧めの名物料理が美味しい私のいきつけのお店は」
思うところがあるようだったヘリオスさんに案内してもらったのはカイロス名物であるパスタ料理の美味しい食堂。そこの個室をとって、飛鳥達と合流することになっている。
飛鳥達は宿で一休みしてから、飛鳥とクロエは錬金術師ギルドへ行き、ヴァルカさんとヘファイスさんは技師ギルドに顔を出しに行った。
その後、この食堂で合流することになっており、既に4人は到着している。
俺達は結構遅くなったので、4人には先に料理を頼んで食べ始めてもらっている。
ちなみに、食事の必要のないケイロンは【空間収納】の専用スペースで待機している。
■
個室の前に来たので、マナーのノックをベルが代行してくれた。
「どうぞ」
中から飛鳥に声がしたので、俺に視線を向けるベルに頷いて扉を開けてもらった。
『んま、んまんま……くううううっ! この”みーとぼーる入りみーとそーすすぱげってぃ”は癖になるのじゃ!!』
メイド服を着た幼女駄竜がまるでハムスターの様に両頬を膨らませながら、ご満悦の表情で、唇を真っ赤なトマトソースで染めて、10人前用と思しき大皿に入った超特大盛りスパゲティを1人で貪り食っていた。
パタンッ
俺は思わずドアノブをベルから取って扉を閉めてしまった。
「ご主人様?」
「どうしたのかな?」
2人にはあの愉快な大怪獣の勇姿(笑)は見えなかった様だ。
「すまない、あまりに現実離れした光景が目に入ってしまったので……」
そう言って、俺は両眼に目薬を点眼して、今度は自分で再び扉を開いた。
「お疲れ様です、ヘリオスさん、優さん、ベル。お先にいただいています」
飛鳥がクロエに対する苦笑いの混じった笑みで俺達を労って迎えてくれた。
「おう? 来たか旦那!」
「お先にいただいています」
クロエが食べている料理と同じパスタ料理を食べているヴァルカさんとへファイスさんのおしどり夫婦は一皿に盛られた2人前の量のスパゲッティをそれぞれのフォークで、お互いに食べさせ合って、桃色結界を作っていた。
……無糖紅茶か無糖のコーヒーが欲しくなるな。
「ご主人様、どうぞ」
スッとベルがいつの間にか出したティーセットで紅茶を淹れてくれていた。
「ありがとう。ベル」
礼をベルに述べて、俺はティーソーサーごとティーカップを受け取り、一口。砂糖を入れていないはずなのに、口の中の紅茶は甘かった。
『んぉ? ふぉお! んくんく……ようやく来たかご主人! ここの店の”みーとそーす入りみーとぼーるすぱげってぃ”は絶品なのじゃ! ヘリオスが推すのも納得できるのじゃ!! さあ、ご主人も食べるのじゃ!!!」
俺が入室に気がついたクロエが、両目を輝かせて、ヒートアップして、目の前の料理を勧めてきた。
クロエさん、興奮し過ぎて料理名がアベコベになって間違ってますよ。
しかし、分かっている情報が断片的かつ少な過ぎて、メガネ達が具体的に何を目的として暗躍しているのか全く読めない状況だ。
期待していたメガネ達から離反してきた脳筋とロリっ子にメガネ達は重要な情報を共有していなかったことから、この2人もいづれメガネ達は使い捨てるつもりだったのが分かる。
「バルタザール騎士王国へカイロスは早馬は出しているのかね?」
ヘリオスギルド総長がディナダンギルド長に尋ねた。
「はい。賊に西門を突破された旨の注意喚起の知らせの早馬を騎士王国に出し、冒険者に街道沿いの村、街への警備依頼を出しています」
ディナダンギルド長が即答した。昨夜の時点の情報での対応としては充分だと思われる。
「よくやってくれた。追加で先ほど分かった情報をまとめたものをバルタザール騎士王国の騎士王宛に私名義の親書で出すから、早馬を手配してもらえないかな?」
「ギルド総長名義の早馬を出されるのですか?」
ディナダンギルド長が驚くのも無理はない。
ギルド総長名義の早馬は言わずもがな、最優先で目的地に到達するため、危険な夜間行軍も行える高ランクかつ高レベルの【騎乗】持ちの遂行可能な最速の衛兵もしくは冒険者がすぐさま選抜されて、親書の準備が出来次第出発する。
同盟国の首脳間でホットラインがないのが俺は不思議に思った。後でそれとなくヘリオスさんに聞いてみるか。
「ああ、相手は勇者とは名ばかりの得体の知れないスキルを持った存在だ。騎士王国にも被害がでかねないし、彼等が目指しているのはどうやらバルタザールだからね。情報は鮮度が大切だ。カイロスの門を突破したとき、彼等は騎馬に騎乗していなかったのだろう?」
「はい。報告では騎乗していなかったとあります」
「だが、死に戻りの効果で以って馬を確保しているとも限らないからね。念には念を入れてだよ。それにこの件は下手な手を打つとあちらとの外交問題になるからね」
そう言って、ヘリオスさんは嘆息した。
たしかにメガネ達の目的と動向は気になるものの、既に個人の好奇心で首を突っ込んでいいレベルを逸脱しているので、俺は関わるつもりはない。厄介事にしかならないから関わりたくない。もちろん、飛鳥達も関わらせるつもりはない。
とはいえ、身内に降りかかる火の粉ならば全力で振り払うまで。そのときに備えて、情報収集は怠るべきではないな。
「ベル、バルタザールはもとより、その更に西の地方の情報。具体的には魔物や勇者関連についてをこれから定期的に集めるようにしてくれないか?」
「かしこまりました」
俺が頼むとベルは周囲を魅了する笑顔を浮かべて応えてくれた。
■
「彼等と話さなくてよかったのかね?」
六連団の関連の報奨金をもらって、冒険者ギルドを後にした俺にヘリオスさんが問いかけてきた。
「ええ、あの2人と俺と飛鳥はオディオ王国で別々の道を行くことを選んでいます。その原因は向こうにありました。俺はそれを今の所、許すつもりはないので、飛鳥の生存もあの2人に教える気はありません。あの2人と同郷の人間だからという理由で優しく、親しくする理由は俺にはないですよ」
俺はそう応えた。
「……そうか、ならば私から言うことはなにもないよ。っと、ここだよ。カイロスでお勧めの名物料理が美味しい私のいきつけのお店は」
思うところがあるようだったヘリオスさんに案内してもらったのはカイロス名物であるパスタ料理の美味しい食堂。そこの個室をとって、飛鳥達と合流することになっている。
飛鳥達は宿で一休みしてから、飛鳥とクロエは錬金術師ギルドへ行き、ヴァルカさんとヘファイスさんは技師ギルドに顔を出しに行った。
その後、この食堂で合流することになっており、既に4人は到着している。
俺達は結構遅くなったので、4人には先に料理を頼んで食べ始めてもらっている。
ちなみに、食事の必要のないケイロンは【空間収納】の専用スペースで待機している。
■
個室の前に来たので、マナーのノックをベルが代行してくれた。
「どうぞ」
中から飛鳥に声がしたので、俺に視線を向けるベルに頷いて扉を開けてもらった。
『んま、んまんま……くううううっ! この”みーとぼーる入りみーとそーすすぱげってぃ”は癖になるのじゃ!!』
メイド服を着た幼女駄竜がまるでハムスターの様に両頬を膨らませながら、ご満悦の表情で、唇を真っ赤なトマトソースで染めて、10人前用と思しき大皿に入った超特大盛りスパゲティを1人で貪り食っていた。
パタンッ
俺は思わずドアノブをベルから取って扉を閉めてしまった。
「ご主人様?」
「どうしたのかな?」
2人にはあの愉快な大怪獣の勇姿(笑)は見えなかった様だ。
「すまない、あまりに現実離れした光景が目に入ってしまったので……」
そう言って、俺は両眼に目薬を点眼して、今度は自分で再び扉を開いた。
「お疲れ様です、ヘリオスさん、優さん、ベル。お先にいただいています」
飛鳥がクロエに対する苦笑いの混じった笑みで俺達を労って迎えてくれた。
「おう? 来たか旦那!」
「お先にいただいています」
クロエが食べている料理と同じパスタ料理を食べているヴァルカさんとへファイスさんのおしどり夫婦は一皿に盛られた2人前の量のスパゲッティをそれぞれのフォークで、お互いに食べさせ合って、桃色結界を作っていた。
……無糖紅茶か無糖のコーヒーが欲しくなるな。
「ご主人様、どうぞ」
スッとベルがいつの間にか出したティーセットで紅茶を淹れてくれていた。
「ありがとう。ベル」
礼をベルに述べて、俺はティーソーサーごとティーカップを受け取り、一口。砂糖を入れていないはずなのに、口の中の紅茶は甘かった。
『んぉ? ふぉお! んくんく……ようやく来たかご主人! ここの店の”みーとそーす入りみーとぼーるすぱげってぃ”は絶品なのじゃ! ヘリオスが推すのも納得できるのじゃ!! さあ、ご主人も食べるのじゃ!!!」
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