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~幕間3~
第90話 私室用暖房器具試作中の件(後編)
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工房に戻って、俺はこの世界で至高の暖房器具の1つ、こたつを再現すべく、まずはどのタイプにするかを考えることにした。
火鉢などを使った火事や一酸化炭素中毒になりうる物は当然、却下。検討の末、自室に設置するのは、多少部屋をいじる必要があるが、堀こたつにする。
設置するこたつは電気こたつの基本構造を流用し、電気が一般的にないこちらの世界に合わせた仕様にする必要がある。
電源の代わりになりうる物。こちらの世界にあって向こうの世界にない物、魔石。
しかし、この魔石も魔石と一括りにされているものの、その性質は属性もあれば等級によって大きく異なる。
下級の魔物の魔石はマンガン電池の様に完全に使い捨て。ただし、保有している力はマンガン電池よりも低い。
逆に上位の魔物の魔石、例えば、クロエの様な竜種のものになると、大型トラックや飛行機のものに匹敵する以上の出力が出る。しかも、魔力を流すことで充填可能で、繰り返し使用ができる。
また、人造石兵作製に必須の人造石兵核を作るのにも魔石は必要な素材でもある。
以前、大量に狩った豚鬼の魔石は無属性で、ジェネラル種以上からようやく暖房器具に使える品質になる。
豚鬼将軍の魔石は、冒険者ギルドで高額買い取りされているが、お金に困っていない俺達は売却せずに確保している。
いくつかは緊急時の売却用、残りは今回の様に魔導具製作のためにとっておいた。
そして、魔導具作製に必要なの技術の1つ【刻印魔術】。
魔術と名についているものの、魔法陣の様な文様の"刻印"に魔力を流すことで、
魔術師でなくとも、【魔術】とほぼ同じ現象を発生させることができる技術だ。
【刻印魔術】はメルキオールの技師ギルドを中心に広まっている技術。
オディオ王国では【錬金術】と同じく、蔑視されている。俺達の座学のときには名前すら出ていなかった。
王国禁書庫にあった先代国王の手記には【刻印魔術】を導入する様、彼が動いていたが保守派貴族の妨害の所為で失敗に終わったと書いてあった。つくづくあの国は多くの特権階級がどうしようもない国でもある。
あの国のことを考えると、俺の精神衛生上よろしくないので、やめよう。それよりもこたつの製作だ。
熱源部分は先程【鑑定】でみた、この屋敷の壊れた暖房器具にあった刻印から、判別できて利用できる部分を抽出。幸い、熱操作の部分の刻印は壊れていなかったので、取捨選択して使用する魔石と基盤となる金属板に刻む。
電気こたつと同じ位置に取り付けるコレは直接触って、火傷しない様に金網で、この部分は覆う。
テーブルの脚の部分はまだできていないけれども、熱源部分は完成したので、魔力を流して、動作確認……よし、成功だ。
魔力の補充はテーブル面を取り外して、天板の一部に触れて魔力を流すことでできるようにしている。これも動作確認済み。
脚も完成して、大きさとしては4人用として妥当な大きさのこたつが上手にできた!
しまった。こたつ布団がない。仕方がない、【異世界電子通販】で売っているから、サイズが合ったものを即買い。これでよし。
堀こたつではないから、複数人で使うと、足がぶつかり合う恐れがあるが仕方ない。
それを避けるためにきちんと掘りごたつにしよう。
俺は【空間収納】に試作こたつを収納して、屋敷の自室に試しに設置するため、戻ることにした。
■
自室と言っても、元の世界の自宅が丸まる入る程広く、多くの部屋を専用に割り当ててもらった。
通路入ってすぐの場所に工房と同じく、靴をスリップなどに履き替える下駄箱のある入り口とダイニングにもなる大部屋。
ここから、寝室と倉庫、机のある部屋、書庫兼趣味部屋に繋がっている。
【空間収納】があるから、倉庫は不用に思えるかもしれない。しかし、【空間収納】では物を鑑賞することには適していないので、鑑賞用になる物はここに飾る様にしている。
机のある部屋は主に書類作成などをするaために使う場所だ。執務室と言いたいが、俺がする執務なんてない。有能過ぎるベル達がいるから、書類仕事はほとんどあってない様なものだ……orz
書庫兼趣味部屋も倉庫に似た役割の部屋だ。ただ、高レベルになった【空間収納】が優秀過ぎて、収納した書籍はページソート、単語検索はもとより、印刷用の紙さえ【空間収納】に入っていれば、任意の頁を印刷できるという破格機能が付いた。
だから、ここでは閲覧用の印刷した本が置いてある。
この世界に来る前に俺が有明の戦場で確保した戦利品の写本も置いてある。
まぁ、俺も男だから、当然その中には飛鳥達には見せられない薄い本もあるわけで……。
ここの扉は俺以外の侵入者を入れない様にしてある。使用人が入れない代わりに保守と掃除は複数の水妖と人造石兵に任せ、普段は扉を壁に【偽装】している。
閑話休題、大部屋の邪魔にならない位置に試作こたつを仮設置。
飛鳥が作ってくれたクッションを下に敷いて、こたつに入る。ああ温い……座椅子が欲しいな。
さっき【異世界電子通販】であったから……。俺はリクライニング機能付きの座椅子を4つ購入して、1つに座る。
ぬっ、少し暑くなってきたな。ここのダイヤルで……よし、ちゃんと温度が下がった。こっちも問題ない。
俺はルシィ達が夕食の準備ができて呼びにくるまで、久しぶりのこたつを満喫した。
火鉢などを使った火事や一酸化炭素中毒になりうる物は当然、却下。検討の末、自室に設置するのは、多少部屋をいじる必要があるが、堀こたつにする。
設置するこたつは電気こたつの基本構造を流用し、電気が一般的にないこちらの世界に合わせた仕様にする必要がある。
電源の代わりになりうる物。こちらの世界にあって向こうの世界にない物、魔石。
しかし、この魔石も魔石と一括りにされているものの、その性質は属性もあれば等級によって大きく異なる。
下級の魔物の魔石はマンガン電池の様に完全に使い捨て。ただし、保有している力はマンガン電池よりも低い。
逆に上位の魔物の魔石、例えば、クロエの様な竜種のものになると、大型トラックや飛行機のものに匹敵する以上の出力が出る。しかも、魔力を流すことで充填可能で、繰り返し使用ができる。
また、人造石兵作製に必須の人造石兵核を作るのにも魔石は必要な素材でもある。
以前、大量に狩った豚鬼の魔石は無属性で、ジェネラル種以上からようやく暖房器具に使える品質になる。
豚鬼将軍の魔石は、冒険者ギルドで高額買い取りされているが、お金に困っていない俺達は売却せずに確保している。
いくつかは緊急時の売却用、残りは今回の様に魔導具製作のためにとっておいた。
そして、魔導具作製に必要なの技術の1つ【刻印魔術】。
魔術と名についているものの、魔法陣の様な文様の"刻印"に魔力を流すことで、
魔術師でなくとも、【魔術】とほぼ同じ現象を発生させることができる技術だ。
【刻印魔術】はメルキオールの技師ギルドを中心に広まっている技術。
オディオ王国では【錬金術】と同じく、蔑視されている。俺達の座学のときには名前すら出ていなかった。
王国禁書庫にあった先代国王の手記には【刻印魔術】を導入する様、彼が動いていたが保守派貴族の妨害の所為で失敗に終わったと書いてあった。つくづくあの国は多くの特権階級がどうしようもない国でもある。
あの国のことを考えると、俺の精神衛生上よろしくないので、やめよう。それよりもこたつの製作だ。
熱源部分は先程【鑑定】でみた、この屋敷の壊れた暖房器具にあった刻印から、判別できて利用できる部分を抽出。幸い、熱操作の部分の刻印は壊れていなかったので、取捨選択して使用する魔石と基盤となる金属板に刻む。
電気こたつと同じ位置に取り付けるコレは直接触って、火傷しない様に金網で、この部分は覆う。
テーブルの脚の部分はまだできていないけれども、熱源部分は完成したので、魔力を流して、動作確認……よし、成功だ。
魔力の補充はテーブル面を取り外して、天板の一部に触れて魔力を流すことでできるようにしている。これも動作確認済み。
脚も完成して、大きさとしては4人用として妥当な大きさのこたつが上手にできた!
しまった。こたつ布団がない。仕方がない、【異世界電子通販】で売っているから、サイズが合ったものを即買い。これでよし。
堀こたつではないから、複数人で使うと、足がぶつかり合う恐れがあるが仕方ない。
それを避けるためにきちんと掘りごたつにしよう。
俺は【空間収納】に試作こたつを収納して、屋敷の自室に試しに設置するため、戻ることにした。
■
自室と言っても、元の世界の自宅が丸まる入る程広く、多くの部屋を専用に割り当ててもらった。
通路入ってすぐの場所に工房と同じく、靴をスリップなどに履き替える下駄箱のある入り口とダイニングにもなる大部屋。
ここから、寝室と倉庫、机のある部屋、書庫兼趣味部屋に繋がっている。
【空間収納】があるから、倉庫は不用に思えるかもしれない。しかし、【空間収納】では物を鑑賞することには適していないので、鑑賞用になる物はここに飾る様にしている。
机のある部屋は主に書類作成などをするaために使う場所だ。執務室と言いたいが、俺がする執務なんてない。有能過ぎるベル達がいるから、書類仕事はほとんどあってない様なものだ……orz
書庫兼趣味部屋も倉庫に似た役割の部屋だ。ただ、高レベルになった【空間収納】が優秀過ぎて、収納した書籍はページソート、単語検索はもとより、印刷用の紙さえ【空間収納】に入っていれば、任意の頁を印刷できるという破格機能が付いた。
だから、ここでは閲覧用の印刷した本が置いてある。
この世界に来る前に俺が有明の戦場で確保した戦利品の写本も置いてある。
まぁ、俺も男だから、当然その中には飛鳥達には見せられない薄い本もあるわけで……。
ここの扉は俺以外の侵入者を入れない様にしてある。使用人が入れない代わりに保守と掃除は複数の水妖と人造石兵に任せ、普段は扉を壁に【偽装】している。
閑話休題、大部屋の邪魔にならない位置に試作こたつを仮設置。
飛鳥が作ってくれたクッションを下に敷いて、こたつに入る。ああ温い……座椅子が欲しいな。
さっき【異世界電子通販】であったから……。俺はリクライニング機能付きの座椅子を4つ購入して、1つに座る。
ぬっ、少し暑くなってきたな。ここのダイヤルで……よし、ちゃんと温度が下がった。こっちも問題ない。
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