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後日談 お花畑思考達の末路
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ルカスとマリアンナが各々送られた修道院はそれぞれがたとえ肉親であっても、容易に面会が許されない厳格な神の家である。
一度そこへ送られた者はその修道院から親が亡くなっても、自身が死んでも出ることは許されない。洗礼を受けて世俗を捨て、その命が潰えるまで神への祈りを捧げる生活を送り続ける。
その2つの修道院の設立は両方とも古く、お互いが夫婦だった聖人が禁欲のために離婚し、ヴァレンヌ王国の両端でそれぞれの修道院の建設を許されたのが始まりと言われている。およそ千年前の実話らしい。
禁欲と清貧を主としたその唯一神を絶対的に崇拝する宗教は前世の某宗教によく似ている。
守るべきとされる戒律はルカスとマリアンナが送られる修道院では特に厳格に定められていて、完全自給自足の質素な生活を余儀なくされる。
贅沢に馴染んだ2人がその生活に慣れるのは茨の道だろう。
俗世から隔離された陸の孤島と海に浮かぶ孤島にあるそれぞれの修道院は異性立ち入り禁止で完全男女別。立ち入りが禁じられている異性が敷地に踏み入ったら高確率で死体となって放り出される。
女人禁制のロンメル修道院はヴァレンヌ王国の東の険しい山岳地帯。男子禁制のカサンドラ修道院はヴァレンヌ王国西の海の孤島にある。
熱狂的な狂信者達が管理するその2つの修道院は設立当時のヴァレンヌ国王との約定によって宗教側の永久的な王国の政治への不介入を約束する代わりに、送り込まれた罪人への布教の自由と修道院内での治外法権が許されている。
ヴァレンヌ王国だけでなく、この世界中の国々が罪深い貴族を表向き信仰への目醒めを理由にこの2つの修道院を利用している。
そのため、ロンメル修道院とカサンドラ修道院は貴族の重罪人が送られるこの世界の終身刑専門の刑務所もしくは監獄とも言える。
当然、生活に馴染めずに耐えきれずに今でもこの2つの修道院からの脱出を試みる者達が後を絶たないそうだ。
けれども、ロンメル、カサンドラ両修道院共に入って中から出てきた者はいない。
脱走者達は悔い改めて修道院に戻るか、追跡する審問官に捕まって戻されている。そのご程なくして病を患って御許へ召されている者も少なくないらしい。病とされているが、彼等彼女等にナニがあったかは想像に難くない。
今回のルカス達の処分は彼等の細かな罪状と共に徹底して、ルカス達がロザリア嬢に行った蛮行と冤罪を完全に上書きする勢いで公表された。
この後、ルカスとマリアンナは表向き、ロザリア嬢に対して行った無礼に対する罪の意識で自主的に有名な2つの修道院で二度と道が交わることのない余生を送ることを決意したことになっている。
一方、ルカス達が王都から護送された翌日、ロザリア嬢を害そうとして無礼をはたらいた第1騎士団団長の息子のアフォンは王家直下の施薬院に送られた。
丁度、先日臨床新薬実験用の犯罪奴隷がいなくなってしまったので、人員補充の嘆願が施薬院からきていた。
健康体そのもののアフォンは施薬院に送られたときの利き腕を潰されて落ち込んだ姿を最後に、以後その姿を見た者はいない。
また、ルカスの従者の1人だったボンヘッド侯爵傘下貴族の子弟2人。アフォンと同レベルの脳筋、バカス・ギル子爵令息と女性関係の悪評で有名なロイ・グイル子爵令息。この2人も犯罪奴隷になった。けれども、各々の顛末は異なる。
バカスは平民落ちと同時に実家に勘当された後、多くの一般的な犯罪奴隷と同じく、強制労働で王国一過酷な国営鉱山に送られた。
そこで強制労働を義務付けられた奴隷達の頭をやっている犯罪奴隷と対立。盛大な殴り合いの末、なぜかその頭と男の友情が芽生え、仲間として受け入れられたそうだ。
しかし、ある時起こった落盤事故でアフォンは頭と共に逃げ遅れ、落石の下敷きになって死亡したのが確認されている。何故、2人が逃げ遅れた理由は貴腐人と腐女子が喜ぶ内容である。
一方でロイも平民落ちの上、実家に勘当されて犯罪奴隷となったが、文官としての手腕を買われて知識奴隷として、キナ臭い辺境の街へ送られた。
しかし、その道中、ロイの護送馬車が襲撃にあった。負傷者を出したが、馬車の護衛達は賊の撃退に成功。しかし、混戦のドサクサでロイの姿は護送馬車から消えていた。
ロイの就業予定だった辺境の街には別の知識奴隷が急遽送られて、その街は以前よりも安定し、ロイの行方不明は人々の頭からすぐに忘れ去られた。
結局のところ、失踪したロイの足取りははっきりせず、いくつもの憶測を生んだ。
逃走中に因縁にある貴族令嬢達に刺し殺されたという説を皮切りに、衰弱して野犬に食い殺された、放浪しているところを奴隷商人に捕まって男娼として王都の専門店で働いているなどなど。
現在の最有力説は有能だが、男色趣味の西のラフォア辺境伯のお気に入りの愛玩奴隷としてロイと生き写しの人物が辺境伯邸で囲われているらしい。あるとき、使者として屋敷を訪れた文官がロイの姿を目撃したと証言している。
最後に元凶のルカスとマリアンナ。
まず、マリアンナは卒業記念パーティー会場からフーリッシュ男爵邸へ第一騎士団に連行されて自室にて謹慎。
マリアンナは学園に入学する直前に、なにもないところで滑って転んで頭を打ちつけてから、おかしな言動をするようになっていたらしい。
頭を打つ前は信じられない位、謙虚でまともな性格だったらしく、しかも勤勉で両親を気遣ういい娘だったらしい。
けれども、頭を打ってからは爵位の低い両親を蔑ろにする言動だけでなく、馬鹿にし、贅沢をして浪費するようになっていた。
王命の謹慎処分に関しても不服だったようで、屋敷を脱走しようとしていたところ、王命で監視についていた者達に捕縛されて自室に送り返されたそうだ。それも一度や二度ではないそうで、最終的に簀巻きにされてベッドの上で拘束されてようやくマリアンナが脱走を諦めた報告が上がっていた。
マリアンナが平民に落とされ、カサンドラ修道院へ送られることが下知されると、男爵夫妻は陛下に謁見を求め、マリアンナの処罰に対し感謝して、マリアンナの失態の責任を取るため、爵位の返上を奏上した。
男爵の領政は不備がなく、よく治めていることから陛下は男爵の爵位返上を認めず、流行病で両親を失った別の男爵家の次男を養子にし、後継者として育てるように命じた。
他方、マリアンナは修道院へ護送される際も激しく暴れたため睡眠魔術で眠らされ厳重に拘束された状態で男子禁制のカサンドラ修道院へ運ばれた。
マリアンナは目醒めてすぐにまた暴れたらしいが、荒事に慣れた修道女によって取り押さえられて、お仕置きされたそうだ。
その後、マリアンナは院内の脱走仲間を集めて集団でカサンドラ修道院からの脱走を計画。事前に発覚して一網打尽にされて、その心が折れるまで説教されたそうだ。
説教後のマリアンナは人が変わった様に、自分のこれまでの行いを悔い改めて、脱走を企てることはなくなった。
神に祈る敬虔な修道女として生涯を神に捧げ、修道院内で高い地位に推す声をやんわりと断り、修道院に入って20年目の春に眠る様にその生を終えていたそうだ。
そして、元第1王子のルカス。謁見の間で王籍剥奪後から地下牢に繋がれるも、反省は見られず、地下牢でも喚き散らして牢番に迷惑をかけていた。
牢に入れられた2日後にルカスは薬で深い眠りに落ちたところで拘束され、女人禁制のロンメル修道院へ厳重に護送された。
ルカスもマリアンナ同様、送られたロンメル修道院からの脱走を画策し、失敗を繰り返す。
失敗を繰り返す度に修道院独自の洗脳じみた肉体的精神的拷問を受けるのだが、ルカスはマリアンナとは違い、全く懲りず、脱走を諦めなかったそうだ。
捕まってしばらくは修道院で定められた生活を再度送るものの、小休憩など自由に動ける僅かな時間を最大限に活用して共犯者を募り、情報を集め、計画を練って実行していたそうだ。
回を増す毎にその手口は洗練されて巧妙化し、90回を超える辺りになると捕縛側がルカス達に出し抜かれそうになる事態が出てきたらしい。しかし、ルカスの脱走は成らず。
修道院内では懲りないルカスに対し、過去の脱走を試みた者に行われたその両足の腱を切断して自由を奪う罰を与えるべきだという過激な意見も出たそうだ。
しかし、ルカス達が脱走するときに捕縛側の修道士達を目眩しなど非致死性の罠などで足止めし、死人はおろか重傷者も出していないかったこと、過去に両足の腱を切断された脱走未遂者は多くの死人を出したことを理由に腱を切断する罰が与えられていたことから、ルカスは両足の腱の切断を免れた。
そして、101回目の脱走を試みて失敗して捕まった日の翌日にルカスは病死し、修道院で丁重に葬った報せが王城に届いた。
運命の悪戯か、ルカスの死亡した日はマリアンナが死ぬ前日だった。だが、そのことを知るのは王族の極一部だけだった。
一度そこへ送られた者はその修道院から親が亡くなっても、自身が死んでも出ることは許されない。洗礼を受けて世俗を捨て、その命が潰えるまで神への祈りを捧げる生活を送り続ける。
その2つの修道院の設立は両方とも古く、お互いが夫婦だった聖人が禁欲のために離婚し、ヴァレンヌ王国の両端でそれぞれの修道院の建設を許されたのが始まりと言われている。およそ千年前の実話らしい。
禁欲と清貧を主としたその唯一神を絶対的に崇拝する宗教は前世の某宗教によく似ている。
守るべきとされる戒律はルカスとマリアンナが送られる修道院では特に厳格に定められていて、完全自給自足の質素な生活を余儀なくされる。
贅沢に馴染んだ2人がその生活に慣れるのは茨の道だろう。
俗世から隔離された陸の孤島と海に浮かぶ孤島にあるそれぞれの修道院は異性立ち入り禁止で完全男女別。立ち入りが禁じられている異性が敷地に踏み入ったら高確率で死体となって放り出される。
女人禁制のロンメル修道院はヴァレンヌ王国の東の険しい山岳地帯。男子禁制のカサンドラ修道院はヴァレンヌ王国西の海の孤島にある。
熱狂的な狂信者達が管理するその2つの修道院は設立当時のヴァレンヌ国王との約定によって宗教側の永久的な王国の政治への不介入を約束する代わりに、送り込まれた罪人への布教の自由と修道院内での治外法権が許されている。
ヴァレンヌ王国だけでなく、この世界中の国々が罪深い貴族を表向き信仰への目醒めを理由にこの2つの修道院を利用している。
そのため、ロンメル修道院とカサンドラ修道院は貴族の重罪人が送られるこの世界の終身刑専門の刑務所もしくは監獄とも言える。
当然、生活に馴染めずに耐えきれずに今でもこの2つの修道院からの脱出を試みる者達が後を絶たないそうだ。
けれども、ロンメル、カサンドラ両修道院共に入って中から出てきた者はいない。
脱走者達は悔い改めて修道院に戻るか、追跡する審問官に捕まって戻されている。そのご程なくして病を患って御許へ召されている者も少なくないらしい。病とされているが、彼等彼女等にナニがあったかは想像に難くない。
今回のルカス達の処分は彼等の細かな罪状と共に徹底して、ルカス達がロザリア嬢に行った蛮行と冤罪を完全に上書きする勢いで公表された。
この後、ルカスとマリアンナは表向き、ロザリア嬢に対して行った無礼に対する罪の意識で自主的に有名な2つの修道院で二度と道が交わることのない余生を送ることを決意したことになっている。
一方、ルカス達が王都から護送された翌日、ロザリア嬢を害そうとして無礼をはたらいた第1騎士団団長の息子のアフォンは王家直下の施薬院に送られた。
丁度、先日臨床新薬実験用の犯罪奴隷がいなくなってしまったので、人員補充の嘆願が施薬院からきていた。
健康体そのもののアフォンは施薬院に送られたときの利き腕を潰されて落ち込んだ姿を最後に、以後その姿を見た者はいない。
また、ルカスの従者の1人だったボンヘッド侯爵傘下貴族の子弟2人。アフォンと同レベルの脳筋、バカス・ギル子爵令息と女性関係の悪評で有名なロイ・グイル子爵令息。この2人も犯罪奴隷になった。けれども、各々の顛末は異なる。
バカスは平民落ちと同時に実家に勘当された後、多くの一般的な犯罪奴隷と同じく、強制労働で王国一過酷な国営鉱山に送られた。
そこで強制労働を義務付けられた奴隷達の頭をやっている犯罪奴隷と対立。盛大な殴り合いの末、なぜかその頭と男の友情が芽生え、仲間として受け入れられたそうだ。
しかし、ある時起こった落盤事故でアフォンは頭と共に逃げ遅れ、落石の下敷きになって死亡したのが確認されている。何故、2人が逃げ遅れた理由は貴腐人と腐女子が喜ぶ内容である。
一方でロイも平民落ちの上、実家に勘当されて犯罪奴隷となったが、文官としての手腕を買われて知識奴隷として、キナ臭い辺境の街へ送られた。
しかし、その道中、ロイの護送馬車が襲撃にあった。負傷者を出したが、馬車の護衛達は賊の撃退に成功。しかし、混戦のドサクサでロイの姿は護送馬車から消えていた。
ロイの就業予定だった辺境の街には別の知識奴隷が急遽送られて、その街は以前よりも安定し、ロイの行方不明は人々の頭からすぐに忘れ去られた。
結局のところ、失踪したロイの足取りははっきりせず、いくつもの憶測を生んだ。
逃走中に因縁にある貴族令嬢達に刺し殺されたという説を皮切りに、衰弱して野犬に食い殺された、放浪しているところを奴隷商人に捕まって男娼として王都の専門店で働いているなどなど。
現在の最有力説は有能だが、男色趣味の西のラフォア辺境伯のお気に入りの愛玩奴隷としてロイと生き写しの人物が辺境伯邸で囲われているらしい。あるとき、使者として屋敷を訪れた文官がロイの姿を目撃したと証言している。
最後に元凶のルカスとマリアンナ。
まず、マリアンナは卒業記念パーティー会場からフーリッシュ男爵邸へ第一騎士団に連行されて自室にて謹慎。
マリアンナは学園に入学する直前に、なにもないところで滑って転んで頭を打ちつけてから、おかしな言動をするようになっていたらしい。
頭を打つ前は信じられない位、謙虚でまともな性格だったらしく、しかも勤勉で両親を気遣ういい娘だったらしい。
けれども、頭を打ってからは爵位の低い両親を蔑ろにする言動だけでなく、馬鹿にし、贅沢をして浪費するようになっていた。
王命の謹慎処分に関しても不服だったようで、屋敷を脱走しようとしていたところ、王命で監視についていた者達に捕縛されて自室に送り返されたそうだ。それも一度や二度ではないそうで、最終的に簀巻きにされてベッドの上で拘束されてようやくマリアンナが脱走を諦めた報告が上がっていた。
マリアンナが平民に落とされ、カサンドラ修道院へ送られることが下知されると、男爵夫妻は陛下に謁見を求め、マリアンナの処罰に対し感謝して、マリアンナの失態の責任を取るため、爵位の返上を奏上した。
男爵の領政は不備がなく、よく治めていることから陛下は男爵の爵位返上を認めず、流行病で両親を失った別の男爵家の次男を養子にし、後継者として育てるように命じた。
他方、マリアンナは修道院へ護送される際も激しく暴れたため睡眠魔術で眠らされ厳重に拘束された状態で男子禁制のカサンドラ修道院へ運ばれた。
マリアンナは目醒めてすぐにまた暴れたらしいが、荒事に慣れた修道女によって取り押さえられて、お仕置きされたそうだ。
その後、マリアンナは院内の脱走仲間を集めて集団でカサンドラ修道院からの脱走を計画。事前に発覚して一網打尽にされて、その心が折れるまで説教されたそうだ。
説教後のマリアンナは人が変わった様に、自分のこれまでの行いを悔い改めて、脱走を企てることはなくなった。
神に祈る敬虔な修道女として生涯を神に捧げ、修道院内で高い地位に推す声をやんわりと断り、修道院に入って20年目の春に眠る様にその生を終えていたそうだ。
そして、元第1王子のルカス。謁見の間で王籍剥奪後から地下牢に繋がれるも、反省は見られず、地下牢でも喚き散らして牢番に迷惑をかけていた。
牢に入れられた2日後にルカスは薬で深い眠りに落ちたところで拘束され、女人禁制のロンメル修道院へ厳重に護送された。
ルカスもマリアンナ同様、送られたロンメル修道院からの脱走を画策し、失敗を繰り返す。
失敗を繰り返す度に修道院独自の洗脳じみた肉体的精神的拷問を受けるのだが、ルカスはマリアンナとは違い、全く懲りず、脱走を諦めなかったそうだ。
捕まってしばらくは修道院で定められた生活を再度送るものの、小休憩など自由に動ける僅かな時間を最大限に活用して共犯者を募り、情報を集め、計画を練って実行していたそうだ。
回を増す毎にその手口は洗練されて巧妙化し、90回を超える辺りになると捕縛側がルカス達に出し抜かれそうになる事態が出てきたらしい。しかし、ルカスの脱走は成らず。
修道院内では懲りないルカスに対し、過去の脱走を試みた者に行われたその両足の腱を切断して自由を奪う罰を与えるべきだという過激な意見も出たそうだ。
しかし、ルカス達が脱走するときに捕縛側の修道士達を目眩しなど非致死性の罠などで足止めし、死人はおろか重傷者も出していないかったこと、過去に両足の腱を切断された脱走未遂者は多くの死人を出したことを理由に腱を切断する罰が与えられていたことから、ルカスは両足の腱の切断を免れた。
そして、101回目の脱走を試みて失敗して捕まった日の翌日にルカスは病死し、修道院で丁重に葬った報せが王城に届いた。
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