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4章 枷と自由
50 あたたかな夜
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斜陽の刻。
数多の宝石の精霊と、わずかな人の子らの住まう学術都市に、夕暮れの長い赤光があかあかと伸ばされた。
青かった空も緑の木々も、オレンジの屋根も白いベランダも。みな、一様に茜色を帯びてしずかに輝いている。
それは、街外れに建つスイの家も例外ではなかった。ふと、庭の中央で空気が揺らぐ。
「……来たかな」
ささやかな菜園の側。
設えられた木のベンチにちょこん、と腰掛けて微睡んでいた青年は、そっと目をひらいた。
かれ自身の名前そのままの、柔らかな黒の双眸がじぃ……っと、眼前の一点に向けて据えられる。
きん、と前触れなく訪れた耳鳴りに、青年は優しげな眉をつかの間、ひそめた。
一点。
そこを中心に、ふわ……と光の粉が大きな球状を象り、上からほどけてゆく。
蒼く散る紗幕のような光は、夕刻の茜色にも染まらぬ異質なもの。その硬質な輝きがすっかり消え去さるとーーー球体のあった場所に、慕わしい女性と三名の客人が現れた。
同時に耳鳴りが治まる。
ふぅ……と、かれは無意識に詰めていた息を逃がした。
“ありがとうね、門の子”
「わ! ここ、お家? あんな深い層からひとっ飛び!? すごいね師匠!」
「家を出たのは朝でしたけど……もう夕方ですか。セディオさん、頑張りましたよね? 僕達」
「あぁ……うん。そうだな。ちょっとした旅から帰った気分だよな。何てぇか、濃かった」
「……」
たいそう賑やかだ。
ふ、と微笑んだ青年は、突如現れた四名のうち、まずはただ一人に声を掛ける。
「おかえり、スイ」
「あ。ただいま黒真珠。ありがとう、待っててくれた?」
にこり、と。
最初から青年がそこにいる、とわかっていたかのような口ぶりだった。
(……ぜったい、人の子とは言えない力と感応力の持ち主だと思うんだけど……認めないんだよなぁ、スイ)
困り眉の黒真珠は、やんわりと言い募る。
「そりゃ、昨日きみからお願いされてたもの。相談事、あるんだろう?」
「えぇ。ーー……でもまぁ、とりあえず入って。すぐ夕食にするから、よかったら一緒に食べよう? 話はその時にするよ」
待たせたことを一切悪びれず、さらに誘うという荒業じみたおおらかさは、さすが元・長の紫水晶と言うべきか。
黒真珠は破顔した。
「……わかった。じゃあご相伴に預かるとして……きみ達?」
「?」
スッと立ち上がった黒真珠は、ゆっくりと歩を進める。やがて、スイ以外の三名の前で立ち止まるとーーーごく自然な仕草で礼をとった。まるで由緒ある王宮の一角のような、優雅な所作で。
さらり、と艶のある黒銀の髪が、伏せた目許のこめかみの辺りで揺れる。
「人の子の細工師と魔術師見習い、それに新たな翠の子。……改めて、ようこそ学術都市へ。無事の帰還ならびに三体の力の司の加護の取得、おめでとう」
「! お、おう……」
「はい、ありがとうございます」
「うん! これからは仲良くしてね、黒真珠さん。遠慮なくエメルダって呼んで!」
面食らったような青年と、一瞬の驚きのあと、くすぐったそうに笑みこぼして挨拶を返す少年と少女。
家主である魔術師は、その様をにこにこと見守りーー
「ふふっ。さ、皆。入って入って」
機嫌よく、一行を家の中へと招いた。
* * *
「で? 相談って何?」
急きょ拵えられた香草と腸詰め肉のパスタスープに、カチャ、とスプーンを入れつつ黒真珠は訊ねた。なんとなく予想はつくけど。
案の定、申し訳なさそうな表情のスイと目が合う。
「あの、ね。ーーちょっと、買い物に行きたいんだ。嵩張りそうなものばかりだから一緒に来てほしい。それと、当面は」
ちら、と黒紫の視線をセディオへと流す。
「……寝台の数が足りなくて」
「あぁ」
『なるほど』ーーーと、続きそうになった言葉を、黒真珠はスプーンで掬ったスープと一緒に喉の奥へと流し込んだ。
人の子の食事は摂る必要はないけど、料理した者の心や使われた食材の命、そのものが味わい深いと思う。
スイの手料理は、黒真珠の好むところだった。
なお、その合間にも小豆色の髪の青年は何事か反論しようとしていたが、魔術師の女性は悉く、それを眼差しや片手を上げることで制した。
「実際、よくないと思うの。私がいつもエメルダの寝台にお邪魔するのは申し訳ないし」
「大歓迎よ? スイ、ふわっとしてるしいい匂いだし」
「エメルダ、『師匠』だよ。……って、きみ昨夜はお師匠さまと寝たの?」
こくり、と蕪の甘煮を口にした少女は、それをごくんと嚥下して満足そうに頷いた。
「すごく、よく眠れたわ」
「そう……」
キリクは学術都市に訪れる前、細工師の工房兼自宅で世話になったとき、いつの間にか似た目に遭っていたことを思い出した。
つい赤面する。あれは不可抗力だった。
「なんでお前が赤くなるんだよ」
セディオはしかめ面だ。
スイは、くすくすと笑っている。
ーー……なるほど。
四名の間に、親密に張り巡らされた力関係のようなものに気づいた黒真珠は、ほんの少し意地悪そうに口の端をあげた。
「スイ、うちにおいでよ。僕の寝台大きいから」
「却下だろ。何いってんだこいつ」
「セディオ、『こいつ』じゃない。黒真珠だよ。……って、ごめんね。お誘いは有り難いんだけど」
どうどう、と右隣に座る青年の肩を片手で押さえつつ、スイは小首を傾げてさらっと告げた。
「たぶん。今後、私がすすんで添い寝をするとしたら、相手はここにいる細工師どのだと思うんだ」
「!!」
「……」
「うわぁ……師匠。それ、宣言しちゃうの……?!」
「あぁ、うん。そうじゃないかな? とは思った。頑張ったねぇスイ。あの力の司達、全員説き伏せたの?」
予想通りの反応だったのか、黒真珠はまったく動じない。なかなかの強者ぶりだ。
スイはうんうん……と、今日一日を顧みるように何度か頷く。
「それはもう。今回に限って言えば、石探しはおまけのようなものだった。祝福にかこつけて、サラマンディアはセディオに口づけするし」
「くちづ」
絵面を想像して、ぴた、と固まる黒真珠。
一転、慌てた形相の青年は肩に添えられていたスイの手をパシッと右手で払いがてら、さりげなく掴んだ。離さない。
「ーーいや、待てスイ。どうしてそう、あんたは誤解を招くような言い種を……」
スイもそれを振り払わない。にこ、と邪気なく微笑む。
「ふふ、すまない。何というか……これが、人の子の『焼きもち』って奴なのかなと。厄介だよねこれ。でも悪くない。嫌いじゃないよ、こういう面倒な気持ち」
「めんどう……」
「フ……フフフっ!」
呆気にとられる細工師と、二人の様が可笑しくてならないと身を二つに折って笑う、黒真珠の精霊。ーー……一同の視線は、しぜん、後者に集まった。
「成る程。たしかにーー今のきみは人の子らしいや、うん。それに、とっても幸せそうだ。
きみが、その姿になって初めて……よかったのかな、と思える。他の皆にとっても救いだと思う。せめてもの」
す、と黒真珠はセディオに身体を向け、姿勢を正した。
「ありがとう人の子の若き細工師。……僕も、きみをセディオと呼んでいい?」
「あぁ、もちろんーー」
しばらく、きょとんとしていた青年は、ふと何かに気づいたかのように唇の片方のみ、にやっと上げた。
それは、ひどく不敵に映るが不思議とかれらしいと思える笑みだった。好青年じみたものより、ずっと。
「いいですよ。黒真珠さん。……『さん』でいいでしょう? どうせあなたも、中身は俺よりずっと年上でしょうから」
「おや」
ぱち、と涼しげな黒瞳を瞬いた黒真珠の外見は、せいぜい二十代前半。だが確かに。世に稀な大粒の黒真珠として生を受けたのがいつだったかは、残念ながら記憶にない。
困ったように、精霊の青年は苦笑した。
「まぁ……そうかもね。でも普通に『黒真珠』でいいよ。きみ、妙に迫力あるから。敬語とか尊称を使われると、むずむずして落ち着かない」
「わかります。やたらと柄が悪いんですよね。素材の持ち腐れっていうか」
「黙れ、くそガキ」
「これですもん」
しれっと間に入るキリクは既に食べ終えたようで、食後の紅茶の準備に取り掛かっている。
スイは微笑を湛えたまま「手伝うよ」と席を立ち、自らの食器を洗い場に運び始めた。
談笑、からかい、軽口の応酬ーーー
夜が更けて月が昇り、どこからか梟の声が長閑に響くなか。魔術師の家の灯りは小さくとも温かく、ほのぼのと異界の街の片隅を彩った。
数多の宝石の精霊と、わずかな人の子らの住まう学術都市に、夕暮れの長い赤光があかあかと伸ばされた。
青かった空も緑の木々も、オレンジの屋根も白いベランダも。みな、一様に茜色を帯びてしずかに輝いている。
それは、街外れに建つスイの家も例外ではなかった。ふと、庭の中央で空気が揺らぐ。
「……来たかな」
ささやかな菜園の側。
設えられた木のベンチにちょこん、と腰掛けて微睡んでいた青年は、そっと目をひらいた。
かれ自身の名前そのままの、柔らかな黒の双眸がじぃ……っと、眼前の一点に向けて据えられる。
きん、と前触れなく訪れた耳鳴りに、青年は優しげな眉をつかの間、ひそめた。
一点。
そこを中心に、ふわ……と光の粉が大きな球状を象り、上からほどけてゆく。
蒼く散る紗幕のような光は、夕刻の茜色にも染まらぬ異質なもの。その硬質な輝きがすっかり消え去さるとーーー球体のあった場所に、慕わしい女性と三名の客人が現れた。
同時に耳鳴りが治まる。
ふぅ……と、かれは無意識に詰めていた息を逃がした。
“ありがとうね、門の子”
「わ! ここ、お家? あんな深い層からひとっ飛び!? すごいね師匠!」
「家を出たのは朝でしたけど……もう夕方ですか。セディオさん、頑張りましたよね? 僕達」
「あぁ……うん。そうだな。ちょっとした旅から帰った気分だよな。何てぇか、濃かった」
「……」
たいそう賑やかだ。
ふ、と微笑んだ青年は、突如現れた四名のうち、まずはただ一人に声を掛ける。
「おかえり、スイ」
「あ。ただいま黒真珠。ありがとう、待っててくれた?」
にこり、と。
最初から青年がそこにいる、とわかっていたかのような口ぶりだった。
(……ぜったい、人の子とは言えない力と感応力の持ち主だと思うんだけど……認めないんだよなぁ、スイ)
困り眉の黒真珠は、やんわりと言い募る。
「そりゃ、昨日きみからお願いされてたもの。相談事、あるんだろう?」
「えぇ。ーー……でもまぁ、とりあえず入って。すぐ夕食にするから、よかったら一緒に食べよう? 話はその時にするよ」
待たせたことを一切悪びれず、さらに誘うという荒業じみたおおらかさは、さすが元・長の紫水晶と言うべきか。
黒真珠は破顔した。
「……わかった。じゃあご相伴に預かるとして……きみ達?」
「?」
スッと立ち上がった黒真珠は、ゆっくりと歩を進める。やがて、スイ以外の三名の前で立ち止まるとーーーごく自然な仕草で礼をとった。まるで由緒ある王宮の一角のような、優雅な所作で。
さらり、と艶のある黒銀の髪が、伏せた目許のこめかみの辺りで揺れる。
「人の子の細工師と魔術師見習い、それに新たな翠の子。……改めて、ようこそ学術都市へ。無事の帰還ならびに三体の力の司の加護の取得、おめでとう」
「! お、おう……」
「はい、ありがとうございます」
「うん! これからは仲良くしてね、黒真珠さん。遠慮なくエメルダって呼んで!」
面食らったような青年と、一瞬の驚きのあと、くすぐったそうに笑みこぼして挨拶を返す少年と少女。
家主である魔術師は、その様をにこにこと見守りーー
「ふふっ。さ、皆。入って入って」
機嫌よく、一行を家の中へと招いた。
* * *
「で? 相談って何?」
急きょ拵えられた香草と腸詰め肉のパスタスープに、カチャ、とスプーンを入れつつ黒真珠は訊ねた。なんとなく予想はつくけど。
案の定、申し訳なさそうな表情のスイと目が合う。
「あの、ね。ーーちょっと、買い物に行きたいんだ。嵩張りそうなものばかりだから一緒に来てほしい。それと、当面は」
ちら、と黒紫の視線をセディオへと流す。
「……寝台の数が足りなくて」
「あぁ」
『なるほど』ーーーと、続きそうになった言葉を、黒真珠はスプーンで掬ったスープと一緒に喉の奥へと流し込んだ。
人の子の食事は摂る必要はないけど、料理した者の心や使われた食材の命、そのものが味わい深いと思う。
スイの手料理は、黒真珠の好むところだった。
なお、その合間にも小豆色の髪の青年は何事か反論しようとしていたが、魔術師の女性は悉く、それを眼差しや片手を上げることで制した。
「実際、よくないと思うの。私がいつもエメルダの寝台にお邪魔するのは申し訳ないし」
「大歓迎よ? スイ、ふわっとしてるしいい匂いだし」
「エメルダ、『師匠』だよ。……って、きみ昨夜はお師匠さまと寝たの?」
こくり、と蕪の甘煮を口にした少女は、それをごくんと嚥下して満足そうに頷いた。
「すごく、よく眠れたわ」
「そう……」
キリクは学術都市に訪れる前、細工師の工房兼自宅で世話になったとき、いつの間にか似た目に遭っていたことを思い出した。
つい赤面する。あれは不可抗力だった。
「なんでお前が赤くなるんだよ」
セディオはしかめ面だ。
スイは、くすくすと笑っている。
ーー……なるほど。
四名の間に、親密に張り巡らされた力関係のようなものに気づいた黒真珠は、ほんの少し意地悪そうに口の端をあげた。
「スイ、うちにおいでよ。僕の寝台大きいから」
「却下だろ。何いってんだこいつ」
「セディオ、『こいつ』じゃない。黒真珠だよ。……って、ごめんね。お誘いは有り難いんだけど」
どうどう、と右隣に座る青年の肩を片手で押さえつつ、スイは小首を傾げてさらっと告げた。
「たぶん。今後、私がすすんで添い寝をするとしたら、相手はここにいる細工師どのだと思うんだ」
「!!」
「……」
「うわぁ……師匠。それ、宣言しちゃうの……?!」
「あぁ、うん。そうじゃないかな? とは思った。頑張ったねぇスイ。あの力の司達、全員説き伏せたの?」
予想通りの反応だったのか、黒真珠はまったく動じない。なかなかの強者ぶりだ。
スイはうんうん……と、今日一日を顧みるように何度か頷く。
「それはもう。今回に限って言えば、石探しはおまけのようなものだった。祝福にかこつけて、サラマンディアはセディオに口づけするし」
「くちづ」
絵面を想像して、ぴた、と固まる黒真珠。
一転、慌てた形相の青年は肩に添えられていたスイの手をパシッと右手で払いがてら、さりげなく掴んだ。離さない。
「ーーいや、待てスイ。どうしてそう、あんたは誤解を招くような言い種を……」
スイもそれを振り払わない。にこ、と邪気なく微笑む。
「ふふ、すまない。何というか……これが、人の子の『焼きもち』って奴なのかなと。厄介だよねこれ。でも悪くない。嫌いじゃないよ、こういう面倒な気持ち」
「めんどう……」
「フ……フフフっ!」
呆気にとられる細工師と、二人の様が可笑しくてならないと身を二つに折って笑う、黒真珠の精霊。ーー……一同の視線は、しぜん、後者に集まった。
「成る程。たしかにーー今のきみは人の子らしいや、うん。それに、とっても幸せそうだ。
きみが、その姿になって初めて……よかったのかな、と思える。他の皆にとっても救いだと思う。せめてもの」
す、と黒真珠はセディオに身体を向け、姿勢を正した。
「ありがとう人の子の若き細工師。……僕も、きみをセディオと呼んでいい?」
「あぁ、もちろんーー」
しばらく、きょとんとしていた青年は、ふと何かに気づいたかのように唇の片方のみ、にやっと上げた。
それは、ひどく不敵に映るが不思議とかれらしいと思える笑みだった。好青年じみたものより、ずっと。
「いいですよ。黒真珠さん。……『さん』でいいでしょう? どうせあなたも、中身は俺よりずっと年上でしょうから」
「おや」
ぱち、と涼しげな黒瞳を瞬いた黒真珠の外見は、せいぜい二十代前半。だが確かに。世に稀な大粒の黒真珠として生を受けたのがいつだったかは、残念ながら記憶にない。
困ったように、精霊の青年は苦笑した。
「まぁ……そうかもね。でも普通に『黒真珠』でいいよ。きみ、妙に迫力あるから。敬語とか尊称を使われると、むずむずして落ち着かない」
「わかります。やたらと柄が悪いんですよね。素材の持ち腐れっていうか」
「黙れ、くそガキ」
「これですもん」
しれっと間に入るキリクは既に食べ終えたようで、食後の紅茶の準備に取り掛かっている。
スイは微笑を湛えたまま「手伝うよ」と席を立ち、自らの食器を洗い場に運び始めた。
談笑、からかい、軽口の応酬ーーー
夜が更けて月が昇り、どこからか梟の声が長閑に響くなか。魔術師の家の灯りは小さくとも温かく、ほのぼのと異界の街の片隅を彩った。
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