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妖精王と出会う 3
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裕太がオエングスに出会ったのは、一月の半ばの、冷たい雨が朝からしとしとと降りしきる日だった。
その日はちょうど日曜で、明け方近くまでビールを片手にだらだらと古い映画を見て過ごしていた裕太は、昼を過ぎてからやっと起き出した。
空腹を覚えて冷蔵庫を開けて中を確認したが、ビールや栄養ドリンクばかりで腹の足しになるようなものは何も入っていない。念のため野菜室も開けて確認したけれど、いつ買ったのかわからない、やせ細った人参やしなびた大根だけで、冷蔵庫の前で裕太は大きくため息を吐き出した。
カップラーメンの買い置きはないかと少しの希望を抱き、キッチンの棚の中も探してみたけれど、それもなし。
空腹で鳴る腹を擦りながら、やれやれとコートを手に取ると、裕太はそれを部屋着のスウェットの上から羽織った。
どうせコートを羽織ってしまえば下にどんな恰好をしていてもわからないから、着替えはパスだ。
冬はラクでいいよなぁ、などと思いながらマフラーをぐるぐるに首に巻き、玄関の鏡の前で寝癖を撫でつけて適当に髪を整えた。
そして財布とスマホを掴みポケットに突っ込むと、寒さに首をすくめながら部屋を出た。
マンションのエントランスで雨が降っていることに気付き、傘を取りに部屋に戻ろうかと迷ったが、そういえばまた会社に傘を忘れてきていたことを思い出した。
……なぜ必要になるまで、いつも傘の存在をすっかり忘れてしまうのだろう。
必要になるたびにあちこちでつい買い足してしまい、増え続けてしまったビニール傘が玄関を圧迫してしまって、燃えないゴミの日にまとめて捨てたのは、つい先日のことだ。
しまった、やっぱりもう一本予備で残しておけば良かったな、などと裕太は後悔したが、もう遅い。
……よし、走るか。
ずっと寝ていたし、運動不足の解消にもきっとちょうどいい。
裕太はそう心に決めると、雨の降る中へと勢いよく飛び出した。
息を切らせながら近くのコンビニへ走って向かう途中で、裕太はその奇妙な男を見つけた。
初めは外国人観光客が、道にでも迷ってウロウロしているのかと思ったが、それにしては様子がなんだかおかしい。
傘をさしていないし、着ているものも変だ。
見たことのないような長くて白い布をグルリと体に巻き付けていて、どうやらそれが、その男の服になっているらしい。
そして身が凍えてしまいそうになるほど寒いのに、なんと靴を履いてない。裸足だ。
横を通り過ぎる一瞬、裕太は顔を上げてその男をちらりと盗み見た。
きらきらと輝く金色の長い髪が、まず初めに裕太の目に映った。
そして続いて驚くほど整った彫りの深い顔立ちに、深い海のような青い瞳が見えた。
裕太の視線と男の視線が絡んだ瞬間、向こうとこちらで同時にはっと息を呑んだ。
やばい、と慌てて裕太が目を逸らすと、男が口を開いて何か呟いたようだった。だがそのまま、裕太は立ち止まらずに男の脇を通り過ぎた。
コンビニで買い物をしながら、裕太の頭の中は先ほど見た男のことでいっぱいだった。
たった一瞬で、裕太の脳裏にすっかり焼きついてしまったその男は、美しく、まるでこの世のものとは思えないほど印象的だった。
もしかしたら観光客などではなく、外国人俳優だったのかも? 何かの映画やドラマを撮影している最中で。
それならば、あんな変な恰好だったのも説明がつく。
……それにしては、周りにスタッフや撮影用の機材や見当たらなかったけれども。
弁当や菓子パン、それにいつも食べているお気に入りのプリンなどを次々とカゴの中に放り込みながら、裕太はずっとそんなことをぐるぐると考えていた。
コンビニで買い物を終えて、来た時と同じように走ってマンションへ戻る途中、先ほど男とすれ違った場所で裕太は足を止めて周りを見渡してみたが、もう姿はどこにも見当たらなかった。
もしかしてあれは、幽霊や何か幻のような存在だったのかとふと思い、その自分の思い付きにドキリと胸の鼓動が跳ねたが、慌てて頭を振って、その考えを追い出した。
裕太はホラーの類だけは、昔からちょっと苦手だ。
うっかりホラー映画を見てしまった日には、数日間電気を消さずに寝たりすることもある。
あの男のことはもうこれ以上は深く追及はすまいと、必死で頭の中から追い払った。
けれど、エレベーターに乗って自分の部屋のある階へ着き、再びその男の姿を目の当たりにして。
思わず裕太は「わっ」と悲鳴のような声を上げてしまった。
廊下に自分の声が響き、その声の大きさに自分で驚く。
男が、裕太を見た。
「……やっと見つけた」
寒さからか、ぶるぶると震える体を両腕で抱き締めてそう男が放った言葉に、裕太は思わず眉根を寄せた。
言葉を喋れるということは、幽霊でもなんでもない。
それに寒さを感じるのなら、やはり幽霊なんかじゃない。
それなら怖くはない。
「見つけたって……?」
幽霊でないなら、不審者になる。
なぜ俺の部屋の前にいる?
通報だ! すぐに警察に連絡をしなければ!
コートのポケットからすぐスマホを取り出して耳にあてた裕太に、男が口を開いた。
「祐介。随分と探したぞ」
警察へ今まさに百十番通報をしようとしていた裕太は、その言葉を耳にしてぽかんと口を開いた。
「へ……?」
どうしてこの男がその名前を知っている?
祐介は、裕太の父親の名前だ。
裕太が小さな子供の頃に亡くなってしまっていまい、裕太ですらもう写真の中でしかその姿を見ることは出来ない。
それがなぜ今、この男の口からその名前が出てくる?
「……違うな」
男がじっと裕太を見て、眉間にぎゅっと皺を寄せた。目の奥にぎらりと強い光が灯る。
「……祐介ではないな、お前は」
そして二人同時に、まるで示し合わせたかのように同じ言葉を発していた。
「「誰だ、お前は⁉」」
――それが、裕太とオエングスとの出会いだ。
「……あの時、俺。なぜかすぐに信じられちゃったんだよね」
二缶目のビールを開けて喉を潤していた裕太の言葉に、オエングスが笑った。
「初めて会った時のことか。……懐かしいな」
目の前の空になった皿を片付けながら、オエングスが相づちを打つ。
「ふつうは、”私は妖精王だ”なんて言われたってすぐには信じられないだろうし、やっぱり警察を呼んだり、病院へ連絡したりすると思うんだけど」
「……そんなことをされなくて良かった」
「あの時着てた服……ていうか布? は、まだクローゼットに大事にかけてあるよ」
あんな恰好で雨の中歩いていて、寒かったでしょ、と裕太が言うと、オエングスが深々と頷く。
「風邪をひかなくてよかった。あの後、裕太がすぐに熱いシャワーを浴びさせてくれたおかげで助かった」
その時のことを思い出したのか、ぶるるとオエングスは両腕で体を抱き締める仕草をした。
それを見て、裕太は苦笑いする。
そりゃ、そうだ。一月にあんな布きれ一枚の恰好で立っていたら寒いに決まっている。
しかもあんなに雨に打たれて。
「裕太はどうしてすぐに信じてくれたんだ」
「あ~。見た目、と。後は、そういえばうちの父さんがちょっと不思議な人だったと聞いたことがあって……それをすぐ思い出した」
今は遠くに離れて暮らしている母親から、昔聞いたことがあった。
裕太の父親は、ふつうは人には見えない何かと話していることがあったと。
一体何と話しているのかと母が不思議に思い尋ねたら、「友達と話しているだけだよ」と、微笑みながら答えていたらしい。
「……そうか。友達か」
目を細めて嬉しそうにするオエングスに裕太は頷いた。
「オエングスは、どうして俺の家がわかったの」
「こちらの世界へは祐介の気配を辿ってやってきたはずだった。道で裕太を見た時に、すぐに祐介と同じ気配がしたから声をかけたのだが、すぐにいなくなってしまったから、仕方なくもう一度気配を辿りなおして歩いているうちに、この部屋に着いたんだ」
マンションのエントランスにはオートロックがあったはずだけど、と裕太が訊くと、他の住民がドアを開けて入る際に一緒に入れてもらった、とオエングスに言われて、ため息をつく。
危ないなぁ。セキュリティーが甘すぎるな、このマンションは。
まあ、他の住民に通報されなくて、オエングスにとってはラッキーだったけれど。
「父さんとは古い友達だったんだ」
「そうだ。妖精卿での用事を済ませているうちに、こちらに会いに来るのを忘れてしまっていた。まだそれほど経っていないと思っていたんだが、まさかもう息子が生まれて、その息子ももうこんなに大きくなっているとは思わなかった」
妖精の寿命は人間と比べ物にならないほど長いらしい。
その感覚でいたから、ついうっかりしてしまったとオエングスは少し寂しそうに笑う。
「……それでも、もし父さんが元気でいれば、会えていたと思うんだけど」
体の弱い人で、何度も入退院を繰り返していたと母が言っていた。
もし生きていたとしたら、今年で五十歳だ。
「……わざわざ会いに来たのに、俺でごめん」
しょんぼりと肩を落として裕太が言うと、オエングスが慌てたように裕太を見た。
「何を言っている。祐介に会いにきたが、私は裕太と会えて良かったと思っている」
気配が似ていると言っていたけれど、他にも父とどこか似ていることがあるだろうかと聞いてみたかったが、なぜか裕太はそれを口には出来なかった。
目の前で今、二人でこうしているひと時を大事にしたいと、裕太は酔った頭でぼんやりと思う。
二百五十歳にとってはもしかしたらあっという間かもしれないが、裕太にとっては大事な一日、一日だ。
その日はちょうど日曜で、明け方近くまでビールを片手にだらだらと古い映画を見て過ごしていた裕太は、昼を過ぎてからやっと起き出した。
空腹を覚えて冷蔵庫を開けて中を確認したが、ビールや栄養ドリンクばかりで腹の足しになるようなものは何も入っていない。念のため野菜室も開けて確認したけれど、いつ買ったのかわからない、やせ細った人参やしなびた大根だけで、冷蔵庫の前で裕太は大きくため息を吐き出した。
カップラーメンの買い置きはないかと少しの希望を抱き、キッチンの棚の中も探してみたけれど、それもなし。
空腹で鳴る腹を擦りながら、やれやれとコートを手に取ると、裕太はそれを部屋着のスウェットの上から羽織った。
どうせコートを羽織ってしまえば下にどんな恰好をしていてもわからないから、着替えはパスだ。
冬はラクでいいよなぁ、などと思いながらマフラーをぐるぐるに首に巻き、玄関の鏡の前で寝癖を撫でつけて適当に髪を整えた。
そして財布とスマホを掴みポケットに突っ込むと、寒さに首をすくめながら部屋を出た。
マンションのエントランスで雨が降っていることに気付き、傘を取りに部屋に戻ろうかと迷ったが、そういえばまた会社に傘を忘れてきていたことを思い出した。
……なぜ必要になるまで、いつも傘の存在をすっかり忘れてしまうのだろう。
必要になるたびにあちこちでつい買い足してしまい、増え続けてしまったビニール傘が玄関を圧迫してしまって、燃えないゴミの日にまとめて捨てたのは、つい先日のことだ。
しまった、やっぱりもう一本予備で残しておけば良かったな、などと裕太は後悔したが、もう遅い。
……よし、走るか。
ずっと寝ていたし、運動不足の解消にもきっとちょうどいい。
裕太はそう心に決めると、雨の降る中へと勢いよく飛び出した。
息を切らせながら近くのコンビニへ走って向かう途中で、裕太はその奇妙な男を見つけた。
初めは外国人観光客が、道にでも迷ってウロウロしているのかと思ったが、それにしては様子がなんだかおかしい。
傘をさしていないし、着ているものも変だ。
見たことのないような長くて白い布をグルリと体に巻き付けていて、どうやらそれが、その男の服になっているらしい。
そして身が凍えてしまいそうになるほど寒いのに、なんと靴を履いてない。裸足だ。
横を通り過ぎる一瞬、裕太は顔を上げてその男をちらりと盗み見た。
きらきらと輝く金色の長い髪が、まず初めに裕太の目に映った。
そして続いて驚くほど整った彫りの深い顔立ちに、深い海のような青い瞳が見えた。
裕太の視線と男の視線が絡んだ瞬間、向こうとこちらで同時にはっと息を呑んだ。
やばい、と慌てて裕太が目を逸らすと、男が口を開いて何か呟いたようだった。だがそのまま、裕太は立ち止まらずに男の脇を通り過ぎた。
コンビニで買い物をしながら、裕太の頭の中は先ほど見た男のことでいっぱいだった。
たった一瞬で、裕太の脳裏にすっかり焼きついてしまったその男は、美しく、まるでこの世のものとは思えないほど印象的だった。
もしかしたら観光客などではなく、外国人俳優だったのかも? 何かの映画やドラマを撮影している最中で。
それならば、あんな変な恰好だったのも説明がつく。
……それにしては、周りにスタッフや撮影用の機材や見当たらなかったけれども。
弁当や菓子パン、それにいつも食べているお気に入りのプリンなどを次々とカゴの中に放り込みながら、裕太はずっとそんなことをぐるぐると考えていた。
コンビニで買い物を終えて、来た時と同じように走ってマンションへ戻る途中、先ほど男とすれ違った場所で裕太は足を止めて周りを見渡してみたが、もう姿はどこにも見当たらなかった。
もしかしてあれは、幽霊や何か幻のような存在だったのかとふと思い、その自分の思い付きにドキリと胸の鼓動が跳ねたが、慌てて頭を振って、その考えを追い出した。
裕太はホラーの類だけは、昔からちょっと苦手だ。
うっかりホラー映画を見てしまった日には、数日間電気を消さずに寝たりすることもある。
あの男のことはもうこれ以上は深く追及はすまいと、必死で頭の中から追い払った。
けれど、エレベーターに乗って自分の部屋のある階へ着き、再びその男の姿を目の当たりにして。
思わず裕太は「わっ」と悲鳴のような声を上げてしまった。
廊下に自分の声が響き、その声の大きさに自分で驚く。
男が、裕太を見た。
「……やっと見つけた」
寒さからか、ぶるぶると震える体を両腕で抱き締めてそう男が放った言葉に、裕太は思わず眉根を寄せた。
言葉を喋れるということは、幽霊でもなんでもない。
それに寒さを感じるのなら、やはり幽霊なんかじゃない。
それなら怖くはない。
「見つけたって……?」
幽霊でないなら、不審者になる。
なぜ俺の部屋の前にいる?
通報だ! すぐに警察に連絡をしなければ!
コートのポケットからすぐスマホを取り出して耳にあてた裕太に、男が口を開いた。
「祐介。随分と探したぞ」
警察へ今まさに百十番通報をしようとしていた裕太は、その言葉を耳にしてぽかんと口を開いた。
「へ……?」
どうしてこの男がその名前を知っている?
祐介は、裕太の父親の名前だ。
裕太が小さな子供の頃に亡くなってしまっていまい、裕太ですらもう写真の中でしかその姿を見ることは出来ない。
それがなぜ今、この男の口からその名前が出てくる?
「……違うな」
男がじっと裕太を見て、眉間にぎゅっと皺を寄せた。目の奥にぎらりと強い光が灯る。
「……祐介ではないな、お前は」
そして二人同時に、まるで示し合わせたかのように同じ言葉を発していた。
「「誰だ、お前は⁉」」
――それが、裕太とオエングスとの出会いだ。
「……あの時、俺。なぜかすぐに信じられちゃったんだよね」
二缶目のビールを開けて喉を潤していた裕太の言葉に、オエングスが笑った。
「初めて会った時のことか。……懐かしいな」
目の前の空になった皿を片付けながら、オエングスが相づちを打つ。
「ふつうは、”私は妖精王だ”なんて言われたってすぐには信じられないだろうし、やっぱり警察を呼んだり、病院へ連絡したりすると思うんだけど」
「……そんなことをされなくて良かった」
「あの時着てた服……ていうか布? は、まだクローゼットに大事にかけてあるよ」
あんな恰好で雨の中歩いていて、寒かったでしょ、と裕太が言うと、オエングスが深々と頷く。
「風邪をひかなくてよかった。あの後、裕太がすぐに熱いシャワーを浴びさせてくれたおかげで助かった」
その時のことを思い出したのか、ぶるるとオエングスは両腕で体を抱き締める仕草をした。
それを見て、裕太は苦笑いする。
そりゃ、そうだ。一月にあんな布きれ一枚の恰好で立っていたら寒いに決まっている。
しかもあんなに雨に打たれて。
「裕太はどうしてすぐに信じてくれたんだ」
「あ~。見た目、と。後は、そういえばうちの父さんがちょっと不思議な人だったと聞いたことがあって……それをすぐ思い出した」
今は遠くに離れて暮らしている母親から、昔聞いたことがあった。
裕太の父親は、ふつうは人には見えない何かと話していることがあったと。
一体何と話しているのかと母が不思議に思い尋ねたら、「友達と話しているだけだよ」と、微笑みながら答えていたらしい。
「……そうか。友達か」
目を細めて嬉しそうにするオエングスに裕太は頷いた。
「オエングスは、どうして俺の家がわかったの」
「こちらの世界へは祐介の気配を辿ってやってきたはずだった。道で裕太を見た時に、すぐに祐介と同じ気配がしたから声をかけたのだが、すぐにいなくなってしまったから、仕方なくもう一度気配を辿りなおして歩いているうちに、この部屋に着いたんだ」
マンションのエントランスにはオートロックがあったはずだけど、と裕太が訊くと、他の住民がドアを開けて入る際に一緒に入れてもらった、とオエングスに言われて、ため息をつく。
危ないなぁ。セキュリティーが甘すぎるな、このマンションは。
まあ、他の住民に通報されなくて、オエングスにとってはラッキーだったけれど。
「父さんとは古い友達だったんだ」
「そうだ。妖精卿での用事を済ませているうちに、こちらに会いに来るのを忘れてしまっていた。まだそれほど経っていないと思っていたんだが、まさかもう息子が生まれて、その息子ももうこんなに大きくなっているとは思わなかった」
妖精の寿命は人間と比べ物にならないほど長いらしい。
その感覚でいたから、ついうっかりしてしまったとオエングスは少し寂しそうに笑う。
「……それでも、もし父さんが元気でいれば、会えていたと思うんだけど」
体の弱い人で、何度も入退院を繰り返していたと母が言っていた。
もし生きていたとしたら、今年で五十歳だ。
「……わざわざ会いに来たのに、俺でごめん」
しょんぼりと肩を落として裕太が言うと、オエングスが慌てたように裕太を見た。
「何を言っている。祐介に会いにきたが、私は裕太と会えて良かったと思っている」
気配が似ていると言っていたけれど、他にも父とどこか似ていることがあるだろうかと聞いてみたかったが、なぜか裕太はそれを口には出来なかった。
目の前で今、二人でこうしているひと時を大事にしたいと、裕太は酔った頭でぼんやりと思う。
二百五十歳にとってはもしかしたらあっという間かもしれないが、裕太にとっては大事な一日、一日だ。
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